毎年のことだが、夏場は我々税理士業界にとっては、勉強と研修の時期でもある。
今年は例年になく税制改正が遅れたので、いささか消化不良の感が否めない。いささか専門的に過ぎるので、その内容をここで紹介することは割愛させていただく。
ただ、来年の確定申告にむけていろいろ検討していたら、困った事態に遭遇した。いわゆる、売電による所得計算がそれだ。
今日、太陽光パネルを中心に自宅で発電して、電力を自前で一部賄うことは珍しくなくなった。そして、余剰電力を電力会社に買い取ってもらうことも散見するようになった。
この余剰電力の売却は、所得税法では立派な課税所得となる。こまかいことは省くが、おおむね雑所得となるはずだ。つまり売却収入マイナス必要経費が雑所得となって、給与や不動産所得などと合算されて、課税所得が算出される。
では、電力売却に伴う必要経費とはなにか。多分、ほとんど経費は生じない。あるのは太陽光パネルの設置費用を資産として計上し、それを耐用年数で按分した減価償却費だけだと思われる。
ところがだ、太陽光パネルで発電した電気の大半は、家庭で費消される。これは自分で使っているわけだから、減価償却費のうち、大半は自宅分となる。これを家事費といい、必要経費とされない。
自宅使用分と売却電力の割合は、月により異なるはずだ。毎月の割合を単純平均して、減価償却費を家事費と、必要経費に分ける方法が考えられるが、試算していて嫌になってきた。
まず、売却電力自体がきわめて小額だ。そこから必要経費を除くと赤字になるケースが多いように思われる。仮に所得が出ても、たいした金額にはなりそうもない。
一方、その計算は難しくはないが、煩雑であることは確かだ。しかも、その手間に相当するだけの価値があるとは思えない。はっきり言って、やっててバカらしくなってきた。実際、やってみると、どう控えめに見積もっても30分以上かかるぞ。しかも、資料が揃っているとの前提でだ。(普通は揃っていない)
想像でしかないが、おそらく余剰電力の売却収入が年間20万円を越す人なんて、滅多にいないと思う。必要経費を引けば、赤字となるケースも多いだろう。
困ったことに、雑所得の赤字は他の所得と通算されない。つまり課税されるだけ。しかも、きわめて小額の課税だと思う。このために、時間をかけて所得を計算するなんて真っ平だ。
多分、税務署の職員だって同じ思いをすると思う。
実は解決策はある。予め家庭用発電による余剰電力の売却所得については、非課税としてしまうこと。これが一番簡単だ。つまり現行の家庭用動産と同じ扱いとし、所得は非課税、損失はなかったものとみなしてしまう。
もし、余剰電力の強制買取を実施するのなら、ここまで手当てしておいて欲しい。
だが、今のところ何の手当てもされていない。来年の3月になって現場の税務署職員からの不満が上に伝わり、それからでないと政府は動くまい。
分っているのに何もやらない。これがバカといわずして何と呼ぼうか。
今年は例年になく税制改正が遅れたので、いささか消化不良の感が否めない。いささか専門的に過ぎるので、その内容をここで紹介することは割愛させていただく。
ただ、来年の確定申告にむけていろいろ検討していたら、困った事態に遭遇した。いわゆる、売電による所得計算がそれだ。
今日、太陽光パネルを中心に自宅で発電して、電力を自前で一部賄うことは珍しくなくなった。そして、余剰電力を電力会社に買い取ってもらうことも散見するようになった。
この余剰電力の売却は、所得税法では立派な課税所得となる。こまかいことは省くが、おおむね雑所得となるはずだ。つまり売却収入マイナス必要経費が雑所得となって、給与や不動産所得などと合算されて、課税所得が算出される。
では、電力売却に伴う必要経費とはなにか。多分、ほとんど経費は生じない。あるのは太陽光パネルの設置費用を資産として計上し、それを耐用年数で按分した減価償却費だけだと思われる。
ところがだ、太陽光パネルで発電した電気の大半は、家庭で費消される。これは自分で使っているわけだから、減価償却費のうち、大半は自宅分となる。これを家事費といい、必要経費とされない。
自宅使用分と売却電力の割合は、月により異なるはずだ。毎月の割合を単純平均して、減価償却費を家事費と、必要経費に分ける方法が考えられるが、試算していて嫌になってきた。
まず、売却電力自体がきわめて小額だ。そこから必要経費を除くと赤字になるケースが多いように思われる。仮に所得が出ても、たいした金額にはなりそうもない。
一方、その計算は難しくはないが、煩雑であることは確かだ。しかも、その手間に相当するだけの価値があるとは思えない。はっきり言って、やっててバカらしくなってきた。実際、やってみると、どう控えめに見積もっても30分以上かかるぞ。しかも、資料が揃っているとの前提でだ。(普通は揃っていない)
想像でしかないが、おそらく余剰電力の売却収入が年間20万円を越す人なんて、滅多にいないと思う。必要経費を引けば、赤字となるケースも多いだろう。
困ったことに、雑所得の赤字は他の所得と通算されない。つまり課税されるだけ。しかも、きわめて小額の課税だと思う。このために、時間をかけて所得を計算するなんて真っ平だ。
多分、税務署の職員だって同じ思いをすると思う。
実は解決策はある。予め家庭用発電による余剰電力の売却所得については、非課税としてしまうこと。これが一番簡単だ。つまり現行の家庭用動産と同じ扱いとし、所得は非課税、損失はなかったものとみなしてしまう。
もし、余剰電力の強制買取を実施するのなら、ここまで手当てしておいて欲しい。
だが、今のところ何の手当てもされていない。来年の3月になって現場の税務署職員からの不満が上に伝わり、それからでないと政府は動くまい。
分っているのに何もやらない。これがバカといわずして何と呼ぼうか。