多分、猿回しに好いように使われている愚かなモンキー、それが山本太郎だと思う。
まだ民主党政権下での衆議院選挙で立候補した時は、明らかに泡沫候補であった。私の隣の選挙区で立候補したので、少しは関心をもっていた。でも、当然のように落選していた。
ところが参議院選挙に再び立候補。驚いたことに四位当選ではあったが、予想を覆して国会議員になってしまった。衆議院選の時の3倍近い得票数には、意外というか、信じがたいものを感じた。
一つには当選確実と云われた民主党候補の失墜があまりに激しすぎたからだと思われていた。3年間の民主党政権の低迷を受けての批判票が、予想よりも遥かに強かった。だから、民主党にいくはずの票が、反原発を掲げた山本候補に流れたからだと云われている。
だが、それだけではなかったようだ。
天皇陛下を迎えての園遊会で、手紙を直接手渡すという愚挙に出た山本だが、まるで馬鹿丸出しの無様さである。本人は足尾鉱山事件で天皇直訴を行った田中正造が念頭にあったようだ。
この人の勉強不足がよく分かる。形式とはいえ天皇主権であった明治時代と、主権が国民に移り象徴天皇でしかない今の天皇とでは、政治的意味合いがまるで違う。というか、まるで意味のない行為だとも云える。
つまるところ単なる目立ちたがり、パフォーマンスに過ぎない。本人がどう弁明しようと、天皇を政治利用しようとしたに過ぎない。これほどの馬鹿を当選させてしまった東京の有権者は大いに反省して欲しものだ。
思うに、本来当選するはずがなかった山本太郎が、あろうことか当選してしまったのには幾つか原因があるように思う。
まず、民主党には呆れるが、さりとて自民党も嫌。だから嫌がらせで投票したケース。次に、代替案なんて分からないけど、とりあえず明確に反・原発を主張している候補で、政党色のない人に投票してしまったケース。
そして明確に山本という若きトリックスターを政界に送り込むことを目指したプロ市民の煽動に乗せられた軽薄な有権者たちだ。東京という選挙区は全国でも特殊なところで、生活には困らない程度のゆとりを持ちながら、経済成長を主導した自民党に代表される戦後の保守政党には嫌悪感を持つ、善良なる市民層がけっこう居る。
彼らは政治活動に熱心になることはないが、空想平和主義に固執し、自らが傷つかない範囲ならいくらでも善良でいられる無責任な市民でもある。争点がない選挙ならば、浮動票となるのだが、衆議院選で勝ち過ぎた現行与党である自民党に対する反感から、反・与党なら誰でもいいと軽薄な投票行動に出る。
その結果が、山本の当選である。民主主義が衆愚政治に堕しやすいことを示す見事なサンプルである。
山本を政党色が薄いと書いたが、実際は社民党など出来もしない妄想平和主義を掲げる左派の支援を強く受けている。なかでもプロ市民として暗躍していることで知られる斉藤某を選挙参謀に迎えて、その指導のもとに参議院選挙を戦い、見事当選を果たしたのが実情らしい。
社民党は、福島という党首を失い、辻元という若手の星をも失い、かろうじて政党として生き残っている。プロ市民たちは、従来社民党を支援してきたが、支援しがいがない落ちぶれ議員よりも、見かけだけ若手の星にみえる山本太郎を利用することを目論んでいるようなのだ。
実際、山本の国会での発言などは、全て社民党色の強い(というか、丸写しらしいが)原稿の丸読みであったようだし、今回のパフォーマンスも話題がなく埋没しがちなプロ市民たちの強い意向を受けてのものである可能性が高い。
自分が踊らされているだけの軽薄なパフォーマーであることを自覚していない山本は、彼らプロ市民には実に使い勝ってのよいお猿さんである。
ただ、このお猿さん、かなり我儘で自分勝手な目立ちたがり屋なので、そう遠くない将来、プロ市民たちとも離反せざる得ない状況に追い込まれる気がする。独善に陥りやすく、その上反省を知らない唯我独尊の性格である以上、支援者との関係が破綻するのは必然。
私としては、一日も早くその日が訪れるのを願ってやみません。