ヌマンタの書斎

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今回の日本人拉致問題交渉に思うこと

2014-10-30 12:06:00 | 社会・政治・一般

いささか嫌な予測をすると、おそらくもう生きている拉致日本人はいないと思う。

現在、日本政府の代表団が平壌にて交渉しているが、成果はほとんど期待できない。本来、外交交渉の場に堂々出ることはないはずの秘密情報部関連の人間まで北朝鮮は出してきたが、それもメ[ズに過ぎない。

なぜなら、北朝鮮は人治国家だからだ。二代目の金正日が生きていたら、今少し情報はあったと思う。しかし、現在の三代目のお坊ちゃんに政権が移行した以上、拉致にかかわったはずの北朝鮮政府関係者の立場は危うい。

もう既に政府から追われている可能性さえある。拉致問題は北朝鮮にとって、のど元に刺さった骨のようなもので、この問題があるが故に日本から金や資材の流れが途切れてしまっている。

拉致にかかわった人間にとって、この問題は可能な限り触れたくないはずであり、金正日が死んだ今となっては北朝鮮政府が守ってくれる可能性は少ない以上、知らぬ存ぜぬで通すのが、あの閉ざされた王国で生き残る術である。

日本に帰国した拉致日本人は、北朝鮮内部では特権階級に近い暮らしをしていたからこそ、拉致を認め面会すら許せた。よもや帰国させる気はなかったようだが、当時の小泉首相と安倍晋三の強硬さにしてやられたのが実情なようだ。

その結果、北朝鮮が予想だにしない事態、すなわち日本国内における拉致問題への怒りとなり、日本からのお金と物資の流れが途絶えてしまった。寛大な処置を施してやったはずなのに、このような事態になったことを相当に悔やんだはずである。

私が金正恩ならば、拉致日本人はすべて殺してしまい、死人に口なしの状態にしておく。過酷な環境に置かれていたことを知られて、これ以上状況を悪くするような事態は避けたいと考える。

上がそうなら、実際に拉致に係った実行犯たちは、自分たちに害が及ばぬように証拠隠滅を図るのが当然である。拉致にかかわっていない北朝鮮政府関係者だって、余計なリスクは負いたくないはず。

だから、拉致問題とは可能な限り距離をおきたいと考える。そこにきて金正日は死んでしまい、なにも知らぬ三代目が政権トップに就いた。人治国家では、最高権力者は自分の信頼できる部下を、政府各機関に配置するのが通例だ。

おそらく現在の北朝鮮の秘密情報部は、すべて三代目の息のかかった人物に牛耳られているはずだ。当然に拉致問題にかかわった人間は、冷や飯を食わされるのが普通だと想像できる。

独裁国家では、人治ゆえに最高権力者の意向しだいで、黒は白になり、あるものが無かったものとされる。だから、予想される結果は明白だ。

すなわち、全力で調査したが拉致日本人は既に死亡しており、現在は遺骨の探索をしている最中である。

当たって欲しくない予測だが、生きて再び日本の地を踏める拉致日本人は、今回は出てこないと思います。せいぜいが、拉致に協力したとみられる日本人(拉致ではなく、自らの意思で北朝鮮に入国)の、日本への里帰りくらいでしょうね。

コメント (42)
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