ヌマンタの書斎

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るろうに剣心 伝説の最後編

2014-10-27 13:06:00 | 映画

教育は国の根幹をなす大切なことだと思う。

昨今は英会話教育の早期導入などが持て囃されているようだが、私は若干懐疑的だ。海外留学(っつうか、遊学だと思う)の成果だろうが、英会話は出来るが、仕事が出来ない若い人を数人見ているせいか、外国語教育が過剰に評価され過ぎだと思っている。

反面、幼少時にこそ導入すべきことに心身の鍛錬があると確信している。体育ではない、あれは運動能力の向上だけだ。やはり日本人なら武道こそ必修科目にすべきではないかと考えている。

私自身は中学の体育の授業で柔道をかじった程度だが、その程度でも影響は大きかった。剣道や空手、合気道などをやっていた連中を知っているが、どこか違うと思っていた。

単に身体や技を鍛えているだけではない。心に一本柱が建っているいるかのような印象がある。云うまでもないが、武道とは、つきつめていけば人を殺す技術体系である。

それなのに、決してそれだけではなく、心身の鍛錬に繋がっている。殺す覚悟があるからこそ、命の大切さを痛感し、大切なものを守る気持ちが芽生える。武術は、その技術だけでも恐ろしいが、心に武の覚悟を据えた人間は強い。武道は間違いなく、心を強く鍛える。

これは日本人だけが感じるものではない。日本の場合、武士道という形が残っているので殊更目立つが、似たような例は世界各地にある。たとえばフェンシングに代表される西洋剣術は、日本の剣道に劣らぬ長い歴史と伝統をもっている。

西欧では、今でも単なる趣味や嗜みとは言いかねるほどの気持ちを込めて、西洋剣術のクラブが残っている。またイランやトルコでは、中世以来の伝統武具を用いた肉体鍛錬の風習が残っており、それは今日でも敬意を払われる存在である。

言うまでもなく、銃器や携行ミサイルなど近代兵器の前では、剣術や格闘術などは意味をなさない。軍隊格闘術は世界各国にあるが、実際の戦場でその技術が行使されることは稀である。

しかし、世界中どこの軍隊でも格闘術、剣術などの鍛錬は欠かさない。特殊部隊においては必修なのは当然だが、兵站部門を担う兵士でさえ決して無関心ではなく、むしろ積極的に学びたがる。武術は生き残るために心身を鍛える有効な手段だと、兵士たちは認識しているのだろう。

明治維新で刀を持つことを禁じられた日本ではあるが、今でも剣道は廃れることなく活きている。明治当初は廃止される剣道場が数多くあったというが、決して滅びることなく、今日でも剣道場のない町は珍しい。

柔道も空手も、時代の変化により多少の流行り廃りはあれども、今日でも生き残っている。私はこれらの武道場を日本の伝統ある無形文化資産だと考えている。この先人から受け継いだ貴重な遺産を、今に活かすことは日本人の義務だと思う。

現在の学校教育では、ダンスや料理教室など文化教育も取り入れているようだが、私としては武道をもっと積極的に取り入れて欲しいと考えている。ただ、学校の先生に全面的に任せるのは、少々無理があるので、外部から講師といった形で武道の熟練者に基礎指導を取り入れたほうが安全だと思う。

表題の映画は、週刊少年ジャンプで連載されていた漫画の実写版だが、私は殺陣の場面が気に入っている。かつての侍映画に比べると、格段に実戦的で、えげつなく、それでいて派手な演出での戦闘場面。これだけでも観る価値がある。

ただ、ファンの方には申し訳ないが、剣心の師匠は余計だったんじゃないのかねぇ。まァ、人気がある人なのは私でも知っているけど、若すぎるよ・・・

コメント (21)
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