ヌマンタの書斎

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アギーレ監督にみえてきたもの

2014-10-22 11:59:00 | スポーツ

アギーレ監督も大胆なことをする。

前任のザッケローニはわりと日本サッカー協会の意向に耳を傾けるし、案外とマスコミの報道も気にする監督であったようだ。しかし、今度のメキシコ人監督には、その気配はない。

就任以来、4試合を重ねているが、勝った試合の印象はなく、先日のブラジル戦の大敗すら負けた印象よりも、若手のテストばかりしている印象が強い。だから試合の結果は良くない。この結果をみて、日本のサッカー評論家たちは、アギーレ批判を始めている。

相も変わらずの戦術批判が主なのだが、私のみたところ勝つための戦術なんて、特段見られなかった。いや、守るための戦術さえ明確でなかったように思えた。

むしろ印象としては、選手の選抜をしている気がしてならない。そう考えると、あのブラジルさえ選手選抜のために使ってしまう、ものすごく大胆なことをする監督ではないかと思っている。

なにせ、ワールド杯では無様な決勝戦をみせたとはいえ、あのブラジル相手に主力の本田や長友を下げ、初代表や、国際試合の経験がほとんどないJリーグの若手を登用している。こんな采配をした代表監督は初めてだ。

長期的な視野に立っての手腕だと信じてみたいが、反面その期待に日本の若手選手が答えたかどうかは、いささか微妙なところだ。柴崎や酒井といったザッケローニに頃から呼ばれていた選手は、さすがにそれなりのプレーをしてのけた。

しかし、問題は代表歴のない若手、国際試合の経験不足の若手選手たちの無様なプレーぶりが気になった。もちろん武藤のように得点までやってのけ、それなりの可能性を見せてくれた若手もいたが、他に及第点といえたのは2~3人程度だと思う。

これこそが、今の日本サッカー最大の問題だと思う。

原因は分かっている。まずJリーグのレベル低下である。具体的には外国人選手のレベル低下なのだ。かつてのJリーグには、どこの欧州の一流リーグでも活躍できる優秀な外国人選手が沢山いた。どのチームにも一人、二人ずば抜けた外国人選手がいて、彼らとの試合を通じて日本人選手は実力を磨いていった。

しかし、現在のJリーグには世界的な定評を得ているビックネームは、セレッソ大阪のフォルランぐらいだ。しかも、そのフォルランにしても年齢的には盛りを過ぎており、それは試合結果をみても分かる。

他の外国人選手も、既に年齢的には下り坂であり、無名とはいわないが、ビックネームとは程遠い選手ばかり。だから、Jリーグしか知らない若手の日本人選手は、代表に呼ばれて試合に出ても、困惑することが多く、活躍できないのが現実だ。

困ったことに、現在の日本は欧州リーグで活躍している選手を集めるだけで、チームが作れてしまう。その結果として有望な若手が国際試合で積むべき経験が不足する事態となっている。

これはACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)の結果からも立証されている。現在、イタリアのミランで本田が大活躍しているが、次のモスクワ大会では30過ぎの本田が主力では、とてもじゃないが戦い抜けない。

まずはJリーグ、ここから立て直しを進めていかねば、次世代の日本サッカーは見通しが非常に暗いと思う。これは誰が代表監督をやろうと、変わらない問題点である。

安直に監督批判を始めているサッカーメディアが散見するが、その程度の見識しかないからダメなのだと思います。

コメント (1)
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