ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

BLEACH(久保帯人)の完結

2016-09-06 12:40:00 | 

これは編集部の失策だと断言したい。

週刊少年ジャンプ誌において、15年の長きにわたり連載を続けてきた「BLEACH」が完結した。で、この完結に満足した読者はどれだけいたのだろうか、私はかなり疑問に思っている。

この漫画はかなりの人気作であった。アニメ化されたBLEACHは、TV東京で放送されたアニメ番組の中で最長を誇る。原作である漫画とは別に、TV版の独自のストーリーの出来も良く、主人公以外の脇役たちに人気が出て、集英社としても予想外の展開であったらしい。

以前にも書いたが、アランカル編までの悪役・藍染のキャラクター造形は、漫画史に残る傑作であった。敵役として私は「ドラゴンボール」のフリーザ、「北斗の拳」のラオウに匹敵するものだと、高く評価している。

そして断言したい。アランカル編で完結させるべきであったと。その後の死神代行消失編はまだ許せなくもないが、千年王国編は無理が多過ぎた。伏線が多い割に、それが活かされず、中途半端なままで終わってしまった。

この漫画が人気が出た大きな理由は、主人公以外のキャラクターの造形が良く出来ていたからだ。人気の高いキャラクターの話が数多く展開されたのは良かったが、肝心の主人公及び新たな敵役のボスの話が、あまりに中途半端だ。

死神代行・黒崎一護の真の能力は、まったく不十分な描写に留まり、その最後の戦いの勝敗さえ不透明なままで終えている。あまりに謎というか、半端すぎて、せっかく完結したのに不満が残る結果となっている。

これは漫画であろうと、小説であろうと、最後に読者が納得できる結末をもってこなければ、その作品は駄作に終わる。これは推測だが、作者は早く終わらせたいのに、編集部がそれを引き延ばした可能性が高いと思う。

この漫画の魅力の一つである主人公以外のサブキャラたちの描写に多くを費やした結果、肝心の主役の活躍がぼけてしまっている。これにジャンプ編集部が気が付いていない訳がない。

にもかかわらず、修正されなかったのは、やはり早期に連載を終えたい作者の意向が強かったように思う。にもかかわらずあの最終回で、一護と織姫、連次とルキアの子供を出したのは、続編への伏線でないことを祈りたいです。

ジャンプ編集部及び久保帯人氏には、「終わり良ければ全て良し」この原則を忘れずにいて欲しいものだと痛感しました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする