引分も難しいかもしれない。
今夜、ロシア・ワールドカップ大会のアジア最終予選が始まる。日本はホームにUAEを迎えての試合である。マスコミは軽薄にも大勝などと煽っているが、私はかなり厳しい試合になると予測している。
もう忘れているかもしれないが、三次予選での初戦は、対シンガポールであったが、この試合を落としている。また今回対戦するUAEには、昨年のアジア大会でPK負けしている。
アジアのどの国も、日本をよく研究してきている。だから、以前とは異なり、初戦では日本の攻撃は機能せずに、苦戦に追い込まれることが珍しくない。いや、ここ数年はいつもそうだ。
マスコミは意図してか、忘れているのか知らないが、昨年の東アジア大会では、中国、韓国、北朝鮮を相手に一勝も挙げられなかったのが、今の日本代表の実力である。
原因は、世代交代の失敗にある。本田、岡崎ら中心選手は、もう30代である。チームの中核である長谷部も既にベテランであり、彼らを追いやるような若手は皆無。ハリルホッジ監督も、若手を積極的に招集して機会を与えているが、その期待に応えらえた若手はいない。
これが今の日本代表の現状である。さすがに危機感を覚えたのか、ハリルホッジ監督は、既に代表から遠ざかって久しい中村憲剛をリザーブメンバーとして召集する非常事態である。
いっておくが、本田、岡崎らは北京五輪のメンバーであった。今の代表で、ロンドン五輪、リオ五輪のメンバーでレギュラーを張れる選手がいるのか。控えに居ることはいるが、中心的な役割を担える選手は皆無である。
これは、ほんの少し活躍しただけで、チヤホヤさせてスター選手扱いをする日本のマスコミの弊害が大きい。武藤や宇佐美を散々持て囃したが、彼らは今、どこにいる。どこで活躍している。
後、数時間で試合が始まる。期待もしているが、正直今の日本代表には不安の方が大きい。まともな視点をもたないマスコミ、強化策が結果を出していない日本サッカー協会、そして弱体化したJリーグ。この三者が今の日本代表の足を引っ張っている。
ヘンな希望だが、私は大敗したほうがいいかもしれないとさえ思っている。その方が、真剣に反省するだろうし、危機感をもってくれるだろうからだ。
それにしたって、これほど不安を抱えての最終予選は久しぶりだ。もちろん、勝って欲しいと思うが、悲観的な予測ばかりが脳裏をつらつく。どうか、この苛立ちを解消して欲しいものである。