哀しいことに、当たってしまった私の危惧。
先週、いきなりワールドカップ最終予選の初戦で、ホームに迎えたUAEに0-1で敗れた日本代表。その後、アウェイでのタイ戦は2-0での勝利だが、後二点は取れた試合でした。
チームの中核を担うはずの、本田、香川、長谷部のプレーがひど過ぎた。これは、ヨーロッパ・サッカーがまだ序盤で、彼らもコンディションが整っていなかったからでしょうけど、怪我を恐れてか、全力のプレーには程遠かったのは、観ていた人なら分かるはず。
考えてみれば、彼らは南ア杯の時のレギュラー陣であり、未だにチームの中心にいること自体、いかに後進が育っていないかの証でもある。もっとも、タイ戦で活躍した浅野、原口、山口らの若手が、そろそろ使える戦力になってきたようなので、今後に期待したいものです。
ただ・・・あまりマスコミ紙面上には出ませんけど(何故だろう?)、日本サッカー協会の怠慢は断固非難されるべき大罪です。
私の知る限り、ザッケローニ監督の頃まで、日本サッカー協会は対戦相手の情報分析(これは、今もやっています)だけでなく、試合を裁くレフリーに対する情報収集もやり、どんな時に笛を吹き、カードを出すかの傾向と対策を、監督や選手に情報提供していました。
しかし、現在はやっていません。なんでも、アジア予選には不要だと判断したそうで、その結果があのUAE戦でした。あのレフリーは確かにひどかった。だいたい、中東のチームと東アジアのチームが対戦するのだから、レフリーは豪州か中央アジアから出されるべき。
後になってFIFAに抗議したって無駄。事前に対応しなくては意味がない。その意味で、UEA戦の敗北の最大の戦犯は、日本サッカー協会であるはずです。そのことを指摘しているメジャーなマスコミ、どれだけあります?
サッカーに対する不勉強なマスコミが如何に多いものか、これで良く分かろうというものです。
それともう一つ、マスコミ様が黙り込んでいるので、私が言います。Jリーグ開幕以来、たしかに日本のサッカーを進歩しました。ボールを扱う技術の高さ、戦術眼、パス、トラップ、どれをとっても間違いなく進歩しています。
でもね、逆に低下しているものもあります。それは、Jリーグの選手の経験値。開幕から数年間は、世界中から有名な選手を助っ人として呼び、彼らの世界レベルのプレーが、日本人選手の技量向上に大きく役立った。
とりわけ、対戦してみなければ分からない部分、例えばぶつかった時の身体の強さ、ボールを奪取する間合い、瞬間的なスピードなどを体で実感したからこそ、Jリーグの日本人選手たちは、大きく技量を向上させることが出来た。
しかし、今のJリーグには、世界的な知名度のある外国人選手は、事実上いないのです。景気後退の煽りを受けて、高額なギャラを払えなくなったのが大きな要因です。でも、それだけではない。
各Jリーグのチーム幹部たちが、もう高額な外国人選手は不要だと思いあがったことが、現在Jリーグでプレーしている日本人選手の経験値を下げている。実際、かつては優勝も珍しくなかったアジア・チャンピオン・リーグも、現在のJリーグのチームの実力では、予選敗退が日常化していることでも証明されている。
つまり、足元から日本サッカーは弱体化が進んでいるのです。今回のワールドカップ予選は、敗退も覚悟するべき厳しい戦いになると私は予想しております。