多分、評判は良くないだろうが、私は楽しめた。
評判が良くないのは、出演者の多くが白人であるからだ。これは歴史的な事実であるが、古代エジプト文明は断じて白人の文明ではない。少なくてもアーリア系、アングロサクソン系、ラテン系ではない。
だから、古代エジプトを舞台としているのに、人の姿をした神様や、王様、奴隷、庶民などが白人の顔立ちであることはおかしいとの非難が起きてしまう。そのせいで、この映画の評判は悪くなってしまう。
だがなァ~、この映画はアメリカで製作され上映するのだから、当然にアメリカの多数派である白人を重視するのは必然ではないか。しかも、この映画は史実をもとにしたものではない。
むしろファンタジーに属する娯楽映画である。それを白人俳優が演じて、いったい何が悪いのか。一応云っておくと、黒人俳優も出ているし、ラテン系と思われる顔立ちの俳優も多かった。
それどころか、なぜか東アジア圏出身ではないかと思われる俳優もいた。この方が、私には違和感が強かった。でも別段、気にしない。だって、娯楽映画だもの。観ていて楽しければ、私はそれで十分だ。
この映画で大きな役割を果たす古代エジプトの神々だが、率直に言ってかなり史実からかけ離れていると思う。思うけれど、私はいちいち、ケチをつける気にはなれなかった。だって、楽しかったのだもの。
ただ、人種差別に過敏にならざるを得ないアメリカの国内事情は分かるので、悪評は間違っているとまでは云わない。でもね、宗教には寛容というか無節操な日本人なら、この映画、十分楽しめると思いますよ。