久しぶりに、魂のこもった試合をみた。
先週のことだが、ロシア・ワールド杯最終予選において、我が日本はアウェイでUAEと対戦した。初戦ではホームで1-0で負けた相手である。決して侮れる相手ではない。
しかも「中東の笛」と呼ばれるホーム・チーム有利な審判が珍しくない地での試合なのだから、一つ間違えれば敗北は十分ありえた。おまけにチームの精神的支柱でもあるキャプテンの長谷部が怪我でチームから離脱である。
率直にいって、かなりピンチであった。しかし、その窮地を救ったのがベテランの今野であった。かつてザック・ジャパンの頃に、不似合いなセンターバックを任されて、世界の強豪にケチョンケチョンにされた、あの今野であった。
しかし、今回の本業とも云えるボランチでの登用であった。本人も期するものがあったのだろう。試合を見ていた方は分かるように、まさに獅子奮迅の働きであった。あたかも12人対11人の試合に思えるほど、今野はピッチを駆け回った。
あの試合の結果は、既にご存じのとおり、日本の2-Oでの勝利であった。しかも、そのうちの一点は今野の得点である。まさにマン・オブ・ザ・マッチに相応しい活躍であった。
私が驚いたのは、試合後に今野が負傷していたこと。それも足指の骨折であったことだ。折れた足で、あれだけ走っていたのか!
当然というか、仕方ないことだが、今野は次のホームでのタイ戦は欠場であった。いや、Jリーグの試合も、しばらくはお休みだろう。骨折を美談化するのは良くないと思う。でも、私は素直に感動した。これぞ大和魂といえる活躍であった。
残り3試合、どうなるかは分からないが、私はこの試合を忘れることはないと思う。