長崎で原爆に遭遇し、背中が焼けただれた「赤い背中の少年」として知られた谷口稜曄氏が先月お亡くなりになった。
核兵器の悲惨さを世界に伝える運動に参加したことで知られている。体重が増えると背中が引き攣れてしまい、痩身の体で生きてきた原爆の生き証人でもあった。
原爆の悲惨さを吾が身をもって世界に伝えたことには、それなりに意義あることだと思う。
思うけれど、皆が皆、同じ印象を受けるとは限らないことは認識すべきだと思う。つまり、これだけ悲惨な結果を出す、非人道的な兵器なのだから、核兵器は廃止すべきだ。そう考えるのが普通の日本人であろう。
しかし、逆の考えだってある。これだけ残酷なほどに強力な兵器なのだから、核兵器さえ持っていれば、我が国は安全なはずだ。
反核運動に賛同する人たちには、思いもよらぬヒドイ考えだと思うが、実際のところ、かなりの国がそのように考えたはずだ。だからこそ、核兵器保有国は増えることはあっても、減ることはない。
それが現実ではないか。
認めたくない人も多かろうと思いますが、核兵器の悲惨さ=平和を守る武器として実効性あり、そう考える国々が複数あるのが証拠だと思います。
何故だか知りませんが、日本のマスコミ、学校などは、このような現実は教えようとしません。
良いのでしょうかね、そのような現実逃避の姿勢であって。
私は平和な世の中を望みます。戦争の惨禍に襲われるなんて真っ平ごめんです。だからこそ真剣に、日本の平和を如何に守るかを考えたい。戦争の悲惨さ、核兵器の非人道性を訴えることが、平和につながることは否定しません。
でも、その捉え方は一様ではない現実も認識するべきだと思います。