ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

COP25

2019-12-24 11:40:00 | 社会・政治・一般

環境問題を食い物にしたツケだと思う。

予想通り見事に失敗したCOP25のことだ。元々アメリカと中国が参加していない以上、話し合いがまとまっても部分的な成果しか挙げられないことは分かっていた。

なによりも途上国からの支持がまるで得られていない。当たり前だと思う。

パリ協定が売りにしていた排出権交換取引自体が本質的に環境問題をネタにした胡散臭いビジネスであることは明白であった。どこぞのコンサルか何かが編み出した錬金術に他ならない。

私は当初から、これではダメだと思っていた。環境問題の解決は、本質的に経済ではなく、その国の国民あるいは政府の意志が肝要となる。いくら先進国側から途上国へ金を流しても、途上国側にCO2の排出削減に理解と共感がなければ、それは富裕者の懐を潤すだけに終わる。

実際、そうなっている。だからこそスケープゴートが必要だった。欧州主導の陰険な会議運営に無知である日本が叩かれたのも当然であろう。叩けば金を出すと思われているだけだ。

ついでだから言えば、今回もやってきたあのグレタ嬢だが、この子も又本質的な議論を回避するための道具に過ぎない。欧米のセレブお気に入りの子供だが、途上国では冷たい視線を注がれていることを報じないマスコミも共犯者だ。

何度も書いているが、そもそも二酸化炭素が地球温暖化の主犯だとは、未だ科学的には立証されていない。

現在の地球が二世紀前に比べて暖かくなっていることを否定する気はない。しかし、人間の産業活動により排出されたCO2が大気温度の上昇にどの程度効果があったのかは、未だ未解明のままである。

一万年前、地球は氷河期であったが、その後温暖化が進み氷床は解けて、海が広がり、陸地は狭まった。この時の地球は明らかに現在の地球よりも暖かかった。もちろん、その原因はCO2ではない。

今も昔も、地球の大気温度に最も影響力があるのは太陽である。太陽から注がれる放射エネルギーが地球の大気を温めている。CO2やメタンガスなどが、どの程度地球の大気温度に影響を与えるのか、それはまだ科学的に解明されていない。それが現在の人類の科学力である。

もっとも私も現在の温暖化傾向と、CO2が無関係だとは思っていない。ただ、観方によっては、寒冷化を防いでいる可能性さえあると思っている。実際、現在の地球は地質学的に云えば、寒冷期であり、いつ氷河期に突入してもおかしくない。

だからこそ、更なる研究が必要なのだが、これがいささかお粗末だ。地球規模での大気温度の計測は、今のところ一部の先進国でしか十分になされていない。つまり、未完成のデーターを元に、CO2が温暖化の主犯だと断じられているのが実情である。

私は一人の人間として、人間の産業活動による地球汚染は減らしたいと思うし、大切なエネルギーを効率よく使うべきだとも思う。だが、そのためには人々がそのことに理解と共感をしなければ意味がない。

事実、今夜の食事に悩む途上国の人たちは、貧しさから抜け出すために環境を汚すことを悪いとは思っていない。理解なくして協力は得られない。温暖化ガス排出量取引なんぞに金をかける余裕があるのならば、途上国に教育と仕事場を与えるほうが、よほど効果がある。

大声では言わないけれど、私は今回のCOP25が失敗に終わって良かったと思っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする