ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

秋刀魚の内臓

2020-02-06 11:46:00 | 健康・病気・薬・食事

冒頭からなんだが、快食快便って大事だと思う。

魚の塩焼きは美味しいが、内臓まで食べられる魚は稀だ。私は鮎の塩焼きが好きなのだが、白状すると内臓はそれほど好きではない。少し苦みが過ぎると思うからで、鮎の淡白でいながら濃厚な味わいを邪魔する気がする。でも、頭から尻尾まで丸ごと食べちゃいますけどね。

一方、内臓も美味いと断言できるのが秋刀魚である。秋刀魚の内臓が美味いのは、ちょっと特殊な事情がある。秋刀魚は動物性プランクトンを食べるのだが、食べてから排便するまでが、わずか30分なのだ。

いったいどんな消化力しているのかと思う。ちなみに胃は小さく、その上短い腸で消化しきってしまうらしい。まさに快食快便のお手本である。ただ死んだ後は痛むのも早く、冷凍にしても解凍すると、すぐに内臓は旨味を失う。

そう、つまり新鮮な秋刀魚の内臓こそ美味しいのだ。

もっとも私が秋刀魚の内臓の美味しさを覚えたのは、十代後半だったと思う。家でも秋刀魚の塩焼きは秋の定番料理だったが、私は内臓を除いて食べていた。

ところが高校生になり、酒とタバコを覚えて、居酒屋に出入りするようになると、そこで秋刀魚の内臓の美味しさを知った。悪ガキ仲間から、酒と一緒に内臓を食べてみろと言われて、恐る恐る口にしたら、確かに美味しかった。

苦いは苦いのだが、その苦味に味わいがあった。それを酎ハイで流し込むと、これまた美味い。私にとって秋刀魚の内臓は大人の味であった。え?高校生は大人じゃないって。まァそのあたりは流しましょう。

日本人にとって秋刀魚は、あまりにありふれた魚であったため、その生態は未だ未解明な部分が多い。産卵時期や場所でさえ確定していない。以前は日本人しか食べなかったが、日本で秋刀魚を食べた外国人、とりわけ台湾やシナの人たちがその美味さを知って、大型漁船で大量に漁獲するようなってしまった。

おかげで日本の食卓には、以前よりも秋刀魚が並ぶことが減ってしまった。少し悔しいと思わないでもないが、必然の流れだとも思っている。そもそも秋刀魚は日本だけの独占物ではないのですから。

21世紀、地球の人口は90億人に近くなり、必然的に水、食料、化石燃料を争う時代は目の前です。日本列島近海は寒流と暖流の合流する魚の漁場として絶好の位置にあります。

これまで日本の漁船が世界各地の海で魚を獲りまくっていました。しかし、今後は外国の漁船が日本近海で魚を獲りまくる時代が来るでしょう。世の中には、条約を守らず、資源を守る意識もない国々が数多あります。

どうやって日本の食生活を守るのか、それが今後の重要な課題になると思いますよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする