ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

さかなクン、国会へ行く

2020-02-21 12:14:00 | 社会・政治・一般

怒っていいと思う。

先週のことだが、さかなクンの愛称で知られる東京海洋大学の准教授である宮澤正之氏が国会で発言する機会が与えられた。

コミカルな姿ではあるが、彼の魚への愛情は本物だと思うし、実際海洋学者として恥ずかしくない実績も残している。そんなさかなクンが国会の水産資源委員会で参考人として現在の日本をとりまく海と魚の問題を発言したことは、ニュースなどで報じられたとおりだ。

私が腹が立って仕方がないのは、その報道の仕方である。さかなクンといえば、あのコミカルなハコふぐの帽子がトレードマークになっているのは、よく知られている。

国会には、様々な規制があり、過去にもアントニオ猪木の赤いマフラーとか品位を貶めるような服装を禁じる規定がある。今回のさかなクンについては、あのハコふぐの帽子が、その規制に抵触するかどうかが報道の中心になっている。

馬鹿者! 大馬鹿者!

報道するならば、水産資源委員会でさかなクンが発言した内容こそ報じるべきであろう。さかなクンはマスコミの低俗な記事を埋めるために国会に呼ばれたのではない。

私が、さかなクンを高く評価するのは、難しいことを優しい言葉で解説できるからだ。これ、難しいのだぞ。

難しいことを難解な専門用語を駆使して解説するのはバカでも出来る。だが、難しいことを専門知識のない人々に分かりやすく解説するのは非常に難しい。それが出来ない、お偉い専門家なんて沢山いる。

現在、日本を取り巻く漁獲資源の実情は厳しい。死滅した珊瑚礁、海藻をウニに食べ尽くされた沿岸、北海道での昆布の激減など断片的にしか報じられない重要な変化が起こっている。

日本は人口減少していくが、世界は違う。増大する人々の胃袋を満たす為、これまで見向きもされなかった海洋資源が狙われている。にもかかわらず、その海洋資源を守る努力の足らない日本の実情。

さかなクンという世間の耳目を引く参考人の招致は、水産庁にとっても貴重な機会であるはずだった。それをバカなマスコミが潰しやがった。

潰したのは、おそらくマスコミの政治部の記者、それも国会担当のエリート記者様であろう。これが文化部や地方編集部の記者ならば、水産業や水産資源の厳しい実情を知っているから、もっとまともな記事が書けたと思う。

しかし、出世街道の先頭を走る政治部国会担当記者様は違う。水産業の実態も知らず、漁獲資源の惨状も興味はなく、ひたすら愚かな国会議員どもを上から目線で叱りつけて、自らの見識の高さをアピールするだけ。

大マスコミが視聴者や購読者から見放されるのも当然だと思う。

さかなクンのせっかくの国会での熱弁も、その内容はまともに報じられていない。日本のマスコミの程度の低さには、ほとほとウンザリします。

コメント (2)
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