ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

安倍首相の野次

2020-02-14 12:00:00 | 社会・政治・一般

僕らは皆生きている。オケラだってミミズだって生きている。

もちろんゴキブリだって、ダニだって生きている。嫌われものではあるが、彼らは人間の食べ残しや、爪、垢、ふけまで食べてくれる貴重な生き物である。彼らにも生きる存在価値はあるんだ。

だから、安倍首相が嫌悪している社民党を始めとした泡沫野党にだって存在価値はある。どんな社会でも、皆の考え、意見、感情が全て一致するなんてありえない。

異論、反論があるのが当然だ。民主主義の素晴らしいところは、多様な意見の存在を認めていることだ。意見を堂々と表明できることのメリットの一つは、不満が発散できることだ。

安倍首相が野次を飛ばしたように、社民党に辻元議員の発言にたいした価値はない。私自身、そう思わないでもない。

しかし、今少し考えてみれば、決して多数派には成れぬ愚かな少数派の不満を発散する効果はある。これを封じてしまうと、むしろ却って陰湿化し、不満は溶岩の如く鬱積して、遂には地下に潜っての非合法活動に至ることは、多くの独裁国家、中世の王国などで見られた現象である。

簡単に言うならば、自由に発言できない社会は暴力による政治行動、すなわち政治テロの温床となり得る。その意味で、安倍首相の野次は寛容さが足りない。

日本に寄生している政治的ダニ、ゴキブリの輩を嫌悪するのは分かるが、彼らにはそれなりに存在価値がある。自由に発言(言うだけだけどね)があるからこそ、非合法な活動が地下に潜ることを防いでいる。

人間、年をとると鷹揚になるどころか、短気になることが多い。安倍首相には今少し我慢して頂きたいものである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする