ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ツマジロクサヨトウ

2020-07-01 11:52:00 | 社会・政治・一般

遂にやってきたよ、畑の悪魔が。

日本には馴染みのない名称だと思うけど、今後は覚えておいてほしいのが「ツマジロクサヨトウ」だ。

南北アメリカが原産の蛾なのだが、主にトウモロコシを餌とする害虫として知られている。主にと書いたが、それは現地ではトウモロコシ栽培が盛んだからであって、実際は芋でも豆でも野菜の類いは全て餌とする。

この蛾の恐ろしいのは、多産であり、しかも気候にもよるが年に4回から6回は産卵することだ。そして幼虫は人間の耕作する畑に植えられる農作物なら何でも食べる。成虫になると、一晩で100キロ飛翔して移動する。

サハラ砂漠以南のアフリカは、一年でほぼ全域に飛来したという恐るべき移動能力を誇る。本来は亜熱帯を生息域とするため、温帯では越冬は出来ないとされている。少し前から中国や台湾で被害が出ていたが、温暖化の影響か沖縄に飛来したのが2018年だが、今年になると本州でも生息が確認されている。

多分、和名は爪白草夜盗ではないかと思う。夜盗の名称は、夜間に盛んに活動するからだ。活動が夜なので、昼間はあまり目立たないが、夜間、畑を見回ると幼虫が農作物を食べる咀嚼音が聞こえるほどに活発であり、農家にとっては悪魔の演奏に聴こえるのも無理ない。

二年と経たずに日本全土にも広がる驚異の活動範囲である。しかも、天敵がほとんどいない上に、駆除薬品に対しても耐性が強く、完全な駆除は不可能とまで言われている。

少し前に千葉県で発見されているところからして、年内には本州全土に拡散するだろうと予測されている。新型コロナウィルスに気を取られているうちに、人間様の食糧に多大な被害を与える、恐るべき害虫が飛来していることは覚えておいたほうが良いと思います。

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