現場を知らずに、理想だけふりまわすから、こんなことになる。
新型コロナウィルスの拡散を抑制するためのステイ・ホームと店舗の休業は、規模の小さな事業者には致命傷になりかねない。この程度の予測は政府も出来ていたようだ。そこで「持続化給付金」やら「休業協力金」といった補助制度が急遽、打ちだされたのはご存じの通り。
ただ、その際になるべく申請代行業者などに中抜きされないように、事業者本人に申請を限定した。その意図は良い。でも、大元で電通に中抜きされていたのは呆れた。まぁ、どうせ天下り官僚の懐に収まるのでしょうけどね。
ところで私は5月以来、お目目がクルクル回っちゃうほどに忙しい。その原因が一連の補助金申請のサポートである。
正直、それほど難しい申請ではないが、これれを零細事業者本人にさせるのはハードルが高い。もちろん、自分であっさりと出来る事業者もいる。が、出来ない方のほうが多い。
なぜなら、これらの零細事業者は、仕事をして、請求書を出して入金したら満足。その経理処理は、多くの場合会計事務所に丸投げのことが多い。前年比5割減といっても、請求書ベースでの集計すら満足に出来ず、その証拠資料としての会計書類ともなると、なんのことだか分からない人が少なくない。
当たり前だ。それらは私らが商法に基づき、会計原則に従い、複式簿記で記帳して作成している。多くの事業者が私らにまかせっきりなのだから、自分で申請しようとしても戸惑うばかり。
もちろん自分で出来る方も少数だがいる。だが大半はそうではない。そのため、申請をサポートする役割は、結局私ら会計事務所の人間がやらざるを得ない。
実は当初は、税理士は補助金申請業務に係るなと連絡があった。でも途中から、それが非現実的だと分かり、サポートならいいよと追認してきやがった。
だったら最初からやらせろ!
おかげで時間と手間の無駄がどれほどかかったことか。そのせいで、あたしゃこの二か月、週に1日休むのも厳しかったんだぞ。疲れた~~~。やっと終わり、本業に戻ろうと思ったら、先週新たに家賃補助制度がスタートした。
またか・・・でも、これは役に立つ補助金だ。仕方ない、顧客のためにエ~ンヤコラ~っと。早くこの騒動、終わって欲しいですわ。マジ、疲れたよぅ。