ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

猟友会の怒り

2020-07-17 13:23:00 | 社会・政治・一般

跳弾という言葉をご存じだろうか。

銃から発射された弾丸が、命中した後、跳ね返ってしまうことは良くある。この跳ね返った銃弾のことを跳弾と呼ぶ。

実はこの跳弾、非常に厄介な存在で、どこに跳ね飛ぶのかは神のみぞ知る。

少し前に読んだFBIの犯罪科学研究所について書かれた本でも、跳弾に関する想像を超えた現象が幾つも取り上げられていた。その例を一つ紹介したい。

小銃で頭部を撃たれた被害者が、何故か生き残った。たしかに銃弾が頭部に命中しているのだが、なんと頭蓋骨の周辺を沿うように跳弾が体内を通過して、最終的には首を抜けて左手の手首で跳弾が発見された。

いったい、何故にそのような結果になったのか、警察はもちろんFBIの研究者にも分からなかったそうだ。他にも有名なところでは、あのケネディ大統領を暗殺した銃弾も、大統領に命中した後、とんでもないところで発見されている。興味がある方は是非、ご自身で調べて欲しい。

ところで数年前のことだが、北海道の某所でヒグマが出没した。警察の依頼もあり、地元の猟友会の会長がヒグマを射殺した。ところが、そのヒグマに命中した銃弾が跳弾と化して、無関係な建物を傷つけた。

さっそく建物の所有者から苦情が警察に出て、その猟友会の会長の銃の所有免許が取り消された。この免許、一度取り消されると、10年は再取得できない代物である。

確認しておくが、警察が同行しており、その場でヒグマを射殺しているのである。その時の銃弾が跳弾と化して、無関係な建物に当たってしまったのである。

免許取り消しの理由は、本来の目的外の使用だそうだ。多分、事なかれ主義が蔓延する警察官僚が、跳弾のことも分からずに、とにかく処分してしまえとやらかしたのだろうと推測できる。

当然に件の猟友会の会長は怒り、現在訴訟中だと聞いている。そんな最中、またもやヒグマが街中に現れた。養鶏場を襲ったので駆除して欲しいと警察に連絡があり、いつものように地元の猟友会に協力を依頼した。

すると現れたのは、手ぶらの猟友会会長で、警察に猟銃保持の免許を取り消されたので、素手で対応するしか出来ないと説明。警察も慌てたが、他の猟友会のメンバーは警察への協力を拒否(まぁ、当然でしょう)。

銃器に無知な人もいると思うので一言書いておくと、警察が保有している拳銃ではヒグマはおろか、猪だって殺せはしない。機動隊は銃器を持たないので、後は自衛隊だろうが、指揮系統がまったく異なるので首相命令でもない限り軍隊は動かせない。

かくして今もヒグマは元気に街中のエサを漁っているようである。

免許を取り消して済ませた警察官僚は、どうやら逃げ回っているようで、今のところコメント無しである。こいつにヒグマ退治をやらせれば良いと思うのは、私だけではないと思いますね。

コメント (4)
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