あまり選挙ネタは書きたくない。
特に事前にあれこれ書いてしまうと、後で選挙妨害だと言われかねない。
特に利害関係がある訳でもないので、あまり積極的に関わりたくないのもあるが、だからといって全くの無関心である訳でもない。
ただ長年の東京原住民であるので、都知事選挙は一応チェックしている。今回は争点がないせいか、現職の当選であることは事前に容易に予想できた。
どうせ当選はないと分かっていながら立候補した輩をみると、自分の政治的な意見を広報する絶好の機会だと考えている連中ばかりに思う。そのせいで、肝心の都政の中味が取り上げられない。
はっきり言うと東京は行政サービスのレベルが低い街だ。資金力というか財政的には潤沢な自治体なのだが、役所と都民の距離が遠い。東京は23区ある特別区と市町村が混在しており、長年のしがらみもあって、非常に鈍感な行政をしている。
本当は具体的に書きたいが、守秘義務があるので書けない。これが実に悔しいが、仕方ないことなので一般論として書いておく。
あれは鈴木・元都知事の晩年の頃だと思うが、美濃部・革新都政のもとでの放漫経営の結果、財政赤字が拡大した都政を立て直した鈴木都知事であったが、残念ながら次第に自民党の利権政治の泥沼に足を踏み入れたように思う。
元々、浮動票が多く、地方のような利益誘導による政治がやりにくかった都政ではあるが、昭和50年代頃から都庁絡みの利権団体が続々と作られるようになった。退職した都庁職員を中核に、この団体を通じて政治関連企業への利益誘導がされるようになった。
やりすぎて失敗したのが青島・元都知事が潰した「都市博」であったといえば、なんとなくイメージが掴めるのではないかと思う。この流れは、石原、舛添と続き、その一つのピークが築地市場移転であったはずだ。
ここで登場したのが小池都知事である。この時の内田・元都議ら利権固守に燃える政治ゴロたちと、小池陣営の対立はひどかった。もう忘れている方もいるだろうが、都政担当のマスコミ記者様たちは、当時は完全に都議側に立っていた。
これは小池都知事が実権を握っても変わらず、内田都議らによる強固な利権構造にマスコミがメスを入れることはなく、今回の都知事選は行われたことは是非とも銘記しておいて欲しい。
この原稿がアップされる事には、もう都知事選挙は終わっているはずだ。結果はみなくても分かっている。野党は強い対立候補をたてなかったし、自民党都議連でさえ反・小池の姿勢をみせなかった。
その代償なのかどうかは知らないが、小池都知事側でも都政の闇の追及はしていない。
あたしゃ断言しますけど、今も都庁と利権団体との密接なつながりはあるし、都民の為とは言いかねる金の動きがあることも、おそらく事実なのだと思います。
今回の都知事選挙、本当に都民のために声を上げたと云える候補者が、どれだけ居たのか私は大いに疑問です。民主主義が綺麗に腐っていく見本が、都政ではないのか。そう思えてならない週末でしたよ。