ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

公表されるということ

2020-07-07 11:56:00 | 社会・政治・一般

あァ苛立たしい。

先月のことだが、シナの潜水艦が密かに我が国の排他的水域に侵入しているとの報道があった。この事件に対する日本のマスコミ報道が情けない。

一般に潜水艦の行動は極秘任務であり、その動向が公表されることは少ない。まして他国の潜水艦である。それを日本の防衛省が名指しで指摘しているのである。これが特別なことであることは容易に分るはずだ。

はっきり言えば難しいことではない。現在、アメリカ海軍は三隻の原子力空母を西太平洋に派遣しており、うち二隻が南シナ海で軍事演習を予定している。

奄美大島近辺を潜航していたと思われるシナの潜水艦に対して、あなた達の動向はバレているんですよと日本が警告したのが実情だろう。

以前から書いているが、日本の海上自衛隊は、基本アメリカの空母艦隊の護衛役を担っている。イージス艦など対空兵器は十二分に揃えているアメリカ海軍だが、対潜水艦能力は少し劣る。

なぜならアメリカの原子力空母に追随する潜水艦は、全て原子力潜水艦だからだ。長大な航続距離を持ち、海上に浮上することなく潜水航行を続けられる原理力潜水艦は優れた兵器だ。

しかし、その構造上、原子力エンジンを止めることが出来ないため、常に冷却機関などを駆動せねばならず、これが騒音の元となる。一方、日本の潜水艦はディーゼルエンジン(もしくはスターリングエンジン)と蓄電池の組み合わせであるから、その静粛性能は原子力潜水艦とは比較にならないほど高い。

加えて米ソ冷戦時代から、ソ連の潜水艦を追尾し、その音源を解明してどの艦なのかまで判明するほどの高い解析能力を持つ自衛隊である。当然にシナの原子力潜水艦も、既にその音源解析を終えていると言われている。

北京政府としては、南シナ海でのアメリカ海軍の演習は軍事的な威圧行為に他ならない。だから原潜を派遣して、威嚇するつもりであったのだろう。しかし、その前に日本の通常型潜水艦に動向を察知されてしまった。

仕方ないので、シナの海軍の海上艦艇を急遽派遣して、アメリカに対抗する形で大規模演習をする羽目になっている。

これは、どうみても日本海軍がアメリカ海軍と共同で軍事行動をしていると思わざるを得ない。ところで、これは憲法9条の解釈からして妥当なのだろうか。

私はかなり疑問である。あきらかに憲法を逸脱した行為だと思うが、知ってか知らずか日本のマスコミ様はノーコメントである。

知ってて書かないのならば、それなりの思惑があってのことだと評しても良い。しかし、どうも分かっていない気がする。軍事的な知識のないことが、平和を守ることに役立たないのは明白だと思う。

コメント
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