ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

熊本水害

2020-07-10 15:18:00 | 社会・政治・一般

九州は熊本の球磨川が大雨により氾濫し、6千人を超す被災者を出した。

元々、球磨川は暴れ川として悪名高く、政府は1966年に九州最大規模の川辺川ダムの建設を決定していた。しかし、この大規模事業には賛否が錯綜して、地元の合意を得るのが難しかった。

しかし、2008年、蒲島知事が「ダムによらない治水」を掲げて当選し、翌2009年に民主党政権が川辺川ダムの計画撤回を決定。それから12年目の災害であった。

ダムの建築は、日本全国どこでも必ず反対運動が起きる。故郷がダムの底に沈む地元民の哀しみは理解できなくもない。また環境への悪影響も無視できない。しかし、山が急峻で流れの速い河川は、大雨で意図も容易に氾濫することは歴史が実証している。

当然に川辺川ダムの建設にも賛意を示す熊本県民はかなり居た。しかし、当時の民主党政権誕生の流れのなかで、自民党政治の利権構造の代表であった公共事業にメスが入り、その結果数多くのダム建設計画が廃止に追い込まれた。

その結果が今回の大規模氾濫である。水害は天災であるが、同時に人災としての性格も有する。酷な言い様だと思うが、これは認識せねばならぬ現実だ。

ここが民主主義政治の難しいところだ。「ダムによらない治水」を掲げた蒲島知事を当選させたのは、他ならぬ熊本県民である。そしてダム建設撤回を決めたのは、日本国民に支持された民主党政権である。

過去を批難しても無駄だが、せめてダム建設撤回以降の12年間で「ダムによらない治水」がどの程度なされていたのかぐらいは検証してもらいたいものである。

まァ三歩歩けばすぐに忘れるニワトリなみの知能しか持ち合わせていない日本国民はかなり多いので、そのうちナアナアで済ませてお終いでしょうね。こんな嫌な予想が出来てしまうことが、なにより嫌なんですけどね。

コメント (4)
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