今回、岸田首相のおひざ元である広島で行われたサミットに対する評価が興味深い
元々は先進国首脳会議のことであり、西側先進国の主な国々で、その時の国際情勢を鑑みて意見を交換する場である。アジアでは唯一、日本だけが主要参加国であるが、特段アジアの立場を主張する役割は果たしていない。
はっきり言えば、覇権国であるアメリカが、ほかの西側先進国に基調を合わせるよう要請する場であり、アメリカ以外の国がそれに抵抗する場でしかない。その程度の役割ではあるが、立場を変えてみると、けっこう厄介な話し合いである。
実際、サミットの議題に挙げられてしまうロシアやチャイナにとっては、国連よりもはるかに厄介な国際会議である。だからこそ反発するのは当然だろう。それは分かる。
分からないのは、今回の開催国である日本のマスコミ報道である。
いくら広島開催だからといって、サミットの主目的は反原爆ではない。開催国に対する儀礼として、広島原爆記録館を訪問したからといって、核廃絶はサミットの議題ではない。今回のサミットは、長引くウクライナ戦争に対する意見調整だ。
それなのに、あたかも核廃絶への動きがみられないからと、広島サミットを批判的に報じるのは見当違いだ。もっというならば、原爆の被害者としてのポーズは、甘えに近い。日本は敗戦国であった現実に対する認識が甘いのではないか。世界を相手に戦争を仕掛けたことを忘れて、原爆の被害国としてアピールすることは、日本にとって必ずしも良い結果を招くとは思わない。
幸か不幸か、世界(西側先進国)の広島サミットへの評価は、概ね好意的なものが多い。その事実を無視して、広島サミットは失敗だと報じたがるマスコミこそ、自らの自己欺瞞ぶりを反省すべきだと思いますけどね。
まぁ自らの善意と正義を妄信している輩は、決して自らを省みないことは重々承知していますが、それでも言わずにはいられない私も結構意固地です。