ヌマンタの書斎

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甘ったれ選挙

2023-06-19 09:36:48 | 社会・政治・一般

過保護に育った坊やたち、それが最近の自民党の若手政治家に対する私の印象だ。

自民党が与党であるため、公明党と連立を組んで久しい。創価学会の組織票を選挙で活用できるからこそ連立政権は長く続いた。まともな野党が存在しない日本の政界では、宗教を抜きに考えれば、公明党は疑似自民党であり、連立を組みやすい相手であろう。

しかし、自民党は創価学会以外の宗教団体とも付き合いは多い。その最悪の付き合いが、旧・統一協会であった。ここからの組織票の支援及び資金提供は強烈だ。

民主主義の下での政治家にとって、選挙での確実な応援と資金援助ほどありがたいものはない。だが、甘い蜜には毒が含まれていた。

亡くなった安倍首相には申し訳ないが、統一教会などというカルト団体との付き合いを容認したことが、結局は日本憲政史上稀な暗殺事件を呼び込んだ。さらに付け加えれば、宗教団体の支援により自民党の議員、特に若手議員は脆弱になった。

異常なほど選挙に強かった故・田中角栄は、常にどぶ板選挙を率先して行っていた。舗装されておらず、雪と雨でドロドロの山村をゴム長靴で歩き回り、汗をぬぐうタオルを一日に何本も真っ黒にして、選挙区を挨拶して回った。

私は田中角栄が金権政治家であることを確信しているが、新潟の山村を足を棒にして歩き回った角栄がトップ当選するのは当然だと思っていた。

それに引き換え、今の自民党若手政治家の選挙姿のお綺麗なこと。高そうなスーツに埃がつかないよう気を使いながら、選挙カーから手をふるだけのボンクラの多さに呆れてしまう。

角栄はただ歩き回っただけではない。たいした言葉は交わしていないが、支持者の家庭を自分の目で見て、その周囲の道路や橋を我が目で確認して、有権者が望むものを察していた。だからこそ、おらが村を綺麗にしてくれた角栄が有罪になっても新潟の有権者は慕い続けた。

今の自民党に有罪になっても、支持者が付いてきてくれるだけの力量をもった政治家がいるのだろうか。

宗教団体の組織票に助けられて当選した自民党の若手政治家は、本当の意味での草の根選挙が分かっていない。自民党を長く政権につかせた原動力であるドブ板選挙を戦った経験はない。いわば温室育ちのひ弱な花に過ぎない。

解散がいつになるか知らないが、公明党の組織票の力を借りずに果たして選挙を勝ち抜けるのか。私はいささか疑問に思っています。

コメント
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