ヌマンタの書斎

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オスプレイ配備の意味

2023-06-16 13:21:36 | 社会・政治・一般

怖いなア、マジで怖いぞ。

なにがってアメリカ軍の垂直離発着機であるオスプレイことMV22である。最新鋭のヘリコプターであるが、この機体を保有している国は、アメリカ以外では日本だけである。

おバカな日本のマスコミ様は、オスプレイといえば墜落事故と日本配備反対しか報じない。しかし現実には自衛隊はアメリカに次いで複数のオスプレイの配備を進めている。イギリスでさえ、まだ訓練のためにオスプレイがイギリス空母に飛来し着艦した程度である。

このことの意味を真剣に考えてみれば、アメリカ軍首脳がほかのどの国にも売っていない最新鋭ヘリコプターを日本にだけ許可した理由を考えざるを得ない。同時にアメリカ軍がF15EXの日本への売却に否定的な理由と合わせて考える必要がある。

もったいぶるのもなんなので、一言でアメリカ軍の本音を私が邪推することにする。

かつての敵であった日本には、その整備力を買って偵察や補給などは任せるが、本格的な攻撃能力は持たせない、だと思う。

21世紀の戦争を考えると、制空権を握る従来の戦略は今後も維持されると思う。その主力となるのはステルス戦闘機である。つまりF35ライトニングⅡであるが、この機体はステルス性能を優先したためあまり多量の武器は搭載できない。また一機当たりの購入価額及びランニングコストも高額に過ぎる。

そこでF35や無人機を先行させて敵を正確に察知し、多量の武器を搭載できるF15EXにミサイル攻撃させる。これが制空権確保のための戦術であり、世界第二位のF35を持つ日本にも偵察先行任務を担当させる。でも偵察後の本格的な攻撃能力は、日本には持たせない。

長い飛行距離を誇り、兵員や武器弾薬食糧を最前線に届ける任務に活用できるオスプレイも同様に、その任務の一部を金持ち日本に負担させよう。なにせオスプレイは高額だし、整備も難しい。だからこそ、その両者を満たせる日本を活用できる。

要するにアメリカ軍の軍事戦略に日本軍は加担することを前提にした日本へのオスプレイ輸出であり、日本を強大な軍事大国にしない為のF15EX輸出拒否なのだ。

もっと言えば、これらの決定はアメリカ国防省単独でされたものであり、日本の防衛庁はただ従うのみである。アメリカは日本の平和憲法なんざ考慮しない。あくまでアメリカの軍事戦略の一環として、日本の軍隊を如何に利用するかを決める。

平和憲法なんざ既に有名無実化しているのが現実である。別に一人一人に確認をとった訳ではないが、多くの日本人はこの現実を既に受け入れているはずだ。憲法なんざ、改正しなくても軍事行動はとれるし、それもアメリカ様のお墨付きで軍事行動をとれる。

だからこそ自由民主党の党是であるはずの憲法改正は遅々として進まない。すでに有名無実化しているのだから、わざわざ騒ぎを起こしてまでして改正する必要がない。そう考えているのであろう。さすがは敗戦を反省せずに、謝ればいいと胡麻化した卑劣な国民である。

少しは歴史を学んで欲しいものだ。かつてプロシアは、皇帝ウィルヘルム1世と鉄腕宰相ビスマルクの信頼関係故に不要な戦争を起こさなかった。しかし、ウィルヘルム2世とビスマルクは上手くいかず、第一次世界大戦へと流れ込んだ。

また明治天皇と薩長の長老たちの元では軍部の専横は抑えられたが、昭和天皇とエリート軍人首脳では、軍部の専横を抑えることが出来ずに戦争へひた走った。同様なことが、現代の日本政府とアメリカの関係である。この関係が順調である間、日本が単独で戦争へ突き進むことは考えにく。

しかし近年妙に自意識を肥大化させた日本のエリート様と、内向きになりつつあるアメリカとの関係はどうであろうか。その前兆は、すでに半島で起きつつあると思う。アメリカの助力なしでは電燈一つ灯せなかった南コリア政府は、かつての恩を忘れてシナに媚び売る旧習に囚われつつある。

日本が同じ轍を踏まないと言えるだろうか。アメリカが日本の手綱を握っている間は、日本国内に限れば平和に安住できると思う。しかし、アメリカが世界の警官役を拒否し、日本に自立を強要するようになった時、日本はまともな行動がとれるだろうか。

敗戦の反省を、謝ればいいだろう、軍隊を否定すればいいだろうと胡麻化してきた日本に、まともな軍事行動が出来るでしょうかねエ。あたしゃ悲観的ですよ。

コメント (4)
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