入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’16年「春」 (3)

2016年03月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  この深い青い空、今にも芽を吹き出さんばかりに膨らんだミズナラの新芽、草地には鹿が好みそうな牧草の一番目が生え始める。そうなればまた、こういう自然の中で、牧場の仕事が始まる。毎年同じことを繰り返して、10年目に入る。

 牧場へ行っても牛に会えないという不満を時々聞く。確かに近年の放牧頭数にしたら入笠牧場は広すぎるから、放牧中の牛の姿を目にすることは難しい時もある。
 ただ、観光との両立はなかなか難しい面もある。その理由としてまず挙げられるのが、防疫対策。口蹄疫ばかりでなく、牛に有害な病気を持ち込まれては大変なことになる。また、牛との接触事故ということもある。ホルスタインは見知らぬ人を警戒するし、ストレスにもなる。その一方、種牛である和牛の雄牛は気も荒く、牧柵で区画された牧区内で管理しているが、どのような場合でも絶対に近付かないようにお願いしている。重大事故に至る場合がある。
 入笠牧場は、牧場内に後から遅れて一般道路が入った。そのため、東、南、北3か所ある牧場の入口には、牛を出さないため、道路上に鉄のパイプを横に格子状に並べた、大型のソロバンのような「テキサスゲート」と呼ばれる仕掛けがある。そこを越えると牧場内であり、近年は何の対策もせずに牛を道路に出すようなことはしないが、放牧地が道路を跨ぐため牛が道路に出ることもあった。そうした牛の移動のため、かならずしも道路に沿って牧柵があるわけではないが、牧場内では柵があってもなくても、草地のみならず森や林も、立ち入らないようにお願いしたい(道路以外は全域借用地)。
 
 ウーン、管理人ぽい口調になってしまった。しかし牧場の観光的な面を全く考えていないわけではないし、牧場内のみならずそこら辺の案内を買って出ることもある。来訪者の理解と協力を得ながら、意見や要望にも耳を傾け、まずは山小屋とキャンプ場を中心に、できることから努力していきたい。
 



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