
Photo by Ume氏(再録)
つい法華道から外れてしまったとはいえ、その辺りの土地勘なら誰にも負けないという自信があった。多少は登ったり下りたりの起伏はあったにしても迷わず、北の方角を目指した。そして事は済んだ。恐らく2,30分ほども雪の森の中を歩いただろうが、やがて林道に出た。しかしそこは、思っていたよりも下方で、二度ほども曲折すれば、御所が池へ下る分岐点まで数百メートルの距離だった。古道を逸してからかなり西に下ったことを知った。
しかし、もしもこれが初めて法華道を訪れた人の場合であったら、少し事態は違っていたかもしれない。降り続ける雪の中、森の中を長時間にわたり彷徨い、不安な時間を過ごすということもありえた。
以前は、雪上に残された先行者の踏み跡は、除雪(=ラッセル)の苦労を軽減するためもあり大事に利用したし、その道順を尊重した。また、処女雪に足を踏み入れる際は、できるだけスッキリとした足跡を残すように務めた。しかし今は違う。手軽な山スキーやスノウシューズが登場し、山にはそういう人ばかりではなくなった。
入山者の多い山道であったならもっとしっかりとした雪道ができていたかも知れないが、なにしろ冬の法華道である、まだ通る人が少ない。不用意に残した足跡が、思いがけない悪戯をすることもあると、残す人も、それを辿る人も知っておく必要がある。
これと似た話が、標識布(=赤布)の問題だ。いつの間にか布が使われなくなって、道標のためのビニールテープと林務関係者が残した物との区別がつかなくなってしまっている。それも、入笠のような中級山岳に、こうした問題が多い。ちなみに、種平小屋夫妻は今も布と木製の標識を使っている。
結局、こうした難をさけるには地図をよく読み、地形を理解しておくことだろうか。
ここまで書いたら、北原のお師匠から電話があった。ブログを読んで、やはり師にも信じられない、考えられないことのようだった。
MRIさん、コメントありがとう。また、みんなで愉快にやりましょう。それにしても、今ではあの葡萄屋も遠い時間へと行ってしまいました。O沢さん、3月でようゴザンス、お出でくだされ。赤羽さん、話題の「サピエンス全史」なんて読みましたか。
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