入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「冬ごもり」 (34)

2017年02月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
    
    オリオン大星雲   Photo by カント氏(再録)

  寒き夜のオリオンに杖挿し入れむ  - 山口 誓子 -
 
 俳人はそれからどうしたのだろう。冬の星座を眺めながら、暗く寒い田んぼの中の道を一人でトボトボと・・・、杖を持っていたのなら、作者はすでに老境にあったのかと、そんなことも想像してみたくなる。
 この句をいつ、どこで覚えたか。少し調べてみたが、手許の俳句関連の本には出てない。句の評価などできないが、ただ毎年のように晩秋、東の空にオリオンを見るようになると安堵感にも似た懐かしさを感じ、この季語を重ねた句を思い出す。そして、夜空にその姿を見かけなくなると、何かよすがとした人を失ったような淋しさを識る。玉川上水路で、天竜川の河畔で、そして入笠では10年、そうした思いでこの星座を迎え、また送った。

 入笠牧場に来たとしても、もちろん星座がきょうの写真のように見えるわけではない。これは極寒に長時間耐えて撮影したカントさんの作品である。ここへくれば、こういう天体写真にも挑戦することができるけれども、それから先のことは分からない。
 ただ、「星の何とやら」などと言っておかしな演出はしないから、洞穴の住人が見たように、あるいは遠い昔の羊飼いたちが眺めたように、澄んだ広大無辺の星空を仰ぎ見ながら、思いおもいの星や星座に心を馳せてもらえたらと思う。

 下駄スケートのことを書いたら、友人らがやっている句会でも「スケート」が兼題となり、その作品が送られてきた。やはり、当時の思いでは下駄スケート、真田紐、田んぼリンクだ。
 
  話沸く 下駄スケートと 田のリンク  -(中)-
  真田紐 下駄スケートを 結びおり  -(丸)-
  スケートの リンク顔出す 稲のかぶ  -(北さ)-

 そしてもう一句。そういう季節がそこまで来ている。

  春立つや 呼ばれるように 畑へ行く  - TDS -

 赤羽さん、本は買って手許にあるのですが、そろそろというところです。ATOさん、冬季は宿泊者が来たときだけ行ってます。来週末は上がります。なお、当牧場で撮影された天体写真は、カテゴリー別「入笠牧場からの星空」にアクセスすれば、ご覧いただけます。

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