Photo by Ume氏
朝から雨が降っている。午前中、「NPO法人みろく山の会」のOZW氏から問い合わせがあった。来週末の予約を受けているが、やはりこの時期、雪の状態が気になるようだった。無理もない、昨年は3日間のうちの中日に雨に祟られている。
この時期の雨は、雪よりも余程性質(たち)が悪い。風雨の中、稜線を歩いていれば濡れて体温を奪われ、ひどい場合は生死にかかわる。また多量に雨水を含めば雪の斜面、壁は、雪崩の原因にもなる。
きょうの新聞に、中央アルプス駒ケ岳の山頂付近での遭難を報じる記事があった。遭難者は大学生22歳。登山届も出しておりそれによれば、14日に日帰りの予定だったらしい。発見されたのは翌15日の午前11時半ごろ、山頂付近の祠の横とある。これだけでは入山した場所も分からず、普段はしないことだが新聞社や、木曽警察に問い合わせてみた。しかし、記事以上のことは分からなかった。
やはり天気のことが一番気になり、思い切って千畳敷ホテルに当日の天候を尋ねてみた。その結果驚いたことには、入山したのは14日ではなく12日の日曜日で、やはり駒ケ根側からロープウェイを利用したことが確認できた。肝心の天候については、晴れのち曇りだったそうだ。
単独だが、若いし、天候も吹雪くほどのことはなかったと思う。八丁坂を登ってカールの上に出た段階で視界不良や、風雪が激しければそこで引き返しただろう。ここから頂上へは一度中岳を越えなければならないが、その辺は問題なく通過できたはずで、そうでなければ山頂へはたどり着けない。
そこで考えたことは、山頂から下山中にほどなく天候が悪化して方向を見失い、迷い、そのためもう一度下山路を確認しようとして山頂まで登り直したのではないか、ということだ。そこで力尽きたか、あるいは天候の回復を待ちながら下山の機会を失ってしまったか・・・。
軽々な憶測はここまでにしよう。ロープウェイのお蔭で、四季を通じて登山者ばかりでなく観光客にも人気のある山になった。日曜日で他にも登山者がいただろうに、不幸な事故は起きた。
登山届の取り扱いについてその他、アレコレ考えさせられた事故だった。
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