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理由もなしにきょうが休日のような気がしていた。今つい「理由もなしに」と書いたが、やはり牛がいなくなったことが無意識裡にあったかも知れない。
ここへ来る途中、1頭の雄鹿を見た。一昨日の帰りにも、「貴婦人の丘」の赤松の横にいた雄鹿を見た。何年か前に、似たような光景を目にし、偶々傍にあった小型カメラで撮影し、年賀状にもした。それがきっかけで以来、仕事の合間に写真を撮るようになったと記憶しているが、それはともかく、鹿がやたら目に付く。特に大きな角を付け、丸々と太った雄鹿の姿をこの時期になるとよく見かける。ふてぶてしい態度をして、この丘の上で雌鹿3頭を侍らせ昼寝をしていたのを、いつだったか遠くから見たこともある。
同じ偶蹄類だが、鹿は牛と比べたら狡猾で、自由で、その上に人にも多大な迷惑をかけるため、有害獣に指定されている。多くの人は、この動物に対し好意的な印象を持つようだが、あくまでもそれは姿や動作に過ぎない。好印象を売りにする女性俳優が、実際は高慢で、鼻持ちならないようなものだ。
もう狩猟免許は更新しなかったので自分で罠をかけることはしないが、人に指導することはできる。特に大型の囲い罠に関して、誘引に使う塩の置き方や、仕掛けの扱いなど、それなりの経験や工夫、実績もある。
すでに何度も呟いたが、猟師が小遣い稼ぎで年に10頭や20頭の鹿を捕ってみても、それで鹿の数が減るとは思えない。「シャープ・シューティング」や「カゾエモン」など、行政が頼る学識経験者の指導は、現場の目からすれば見当違いで、まず参考にならない。一番いいのは薬物を使い旺盛な繁殖力を抑えることだが、これは法の縛りがあって簡単ではないらしい。結局は、ここにあるような囲い罠を鹿の生息する森に設置するのが次善の策だろうが、いくら言っても行政は耳を傾けようとしない。
牛を見送ったばかりで、窮屈な畜舎に繋がれたその姿をあれこれ思うと、それに比べ、我が物顔で牧草地に出没する鹿が憎い。
槍ヶ岳ですか。北鎌か硫黄からと決めながらその機会を逸し、残念ですがもう行くことはないと思います。好天を念じてます。
秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。