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きょうは本当にいい一日だった。懸案になっていたテイ沢の丸太橋を、山奥のセンセイに手伝ってもらい修理した。「テイ沢の老石工(いしく)」などとからかったが、センセイの的確な助言、指導を賜り、下から3番目の丸太橋の障害となっていた流木3本を切断し、水流を変え、橋も補強できた。実は7番目の流失しかけた橋よりも、こっちの方が気になっていた。放置しておいたらやがて水に削られて、あの場所では橋は用をなさなくなるところだった。流木は土砂や流れの中に沈んやでいたため、チェーンソーが使えずノコギリで根気の要る仕事になった。水温は靴と靴下のお蔭でか、それほど気にならなかった。
その後「夫婦が淵」に流れ込んだ老木を引き上げ、そして問題の7番目の橋に向かった。現地ではセンセイ、鏨(たがね)とハンマーを使い、岩を削ったり、橋の固定の仕方についても役に立つ方法を指導してくれたが、就中、番線(焼きなましの針金)で丸太同士を固定する際のシノの使い方については、これまでで最も納得できるやり方を伝授してくれた。「左手を離してはいけない」、それがコツだった。
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晴れてはいなかったが、沢の中は今まさに秋が盛りで、紅葉はもちろんのこと、穏やかな雰囲気につつまれいつにも増して良かった。橋の作業をしていたら、単独の女性が上から来てから驚かされた。初めて沢を体験したということだったが、大変素晴らしいと言われこちらも大いに気を良くした。
そんなわけで、気分の良いまま帰れると思っていたら、ややこしい話が入ってきた。今ここにそのことを呟くわけにはいかないが、暗くなった山道を重い気分で下る。
秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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