予報は雨だが、夕方まで天気は保ちそうな気がする。昨日はきょうの撮影のため忙しい思いをして牧場の牧柵を一部開けたが、明日に延期になった。しかも2日間の予定が1日に減ってしまった。何事も、はっきりとしないこの天気のせいである。週末からの3連休、キャンプ場の予約がいくらか入っているが、これもどういうことになるのか。
季節はどんどんと進み、森が華やぎと、老いの衰退を見せてくれている。木々の葉は、その変色が樹種によって異なり、少しづつそれぞれがまた個性を見せるようになってきた。よく紅葉の時期を聞かれるが、何も赤く色付くモミジやカエデを待たなくとも、充分に今でも秋を堪能できる。特にきょうのような曇り空の方が穏やかで、落ち着いている。さっきから落葉松の林を超えてゆっくりと流れ来る霧は、そんな周囲の静謐な雰囲気をさらに高めるいい役を演じている。
ここの最大の魅力は、景観もだが、きょうのような静けさではないかと思う。それも少し侘しさを感じさせる今の時季が味わい深くていい。昼を食べたらきょうぐらいはもう何もしないで、小黒川に沿って林道を下ってみようと考えている。本当なら昔の旅人のように川床を歩いて半対峠に出て、そこからさらに鹿嶺高原に向かうもよし、あるいは荊口の集落へ石堂越えを下るという手もある。
しかし一番興味があるのは、半対からフトノの峠まで進み、宮沢の集落に下るまだ未体験の山道である。かつては富士見から白岩岳に通じる山稜を超え、笹平沢、フトノ峠、そして宮沢という、伊那に通ずる古道があったと聞いた。そんな話に釣られて、踏査を試みたこともあったが、生憎今ではその名残すらも判然せず、クマササのほしいままになっていた。
秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。