
Photo by Ume氏
午前6時、気温0度。夜が明けようとしている。囲い罠の中に1頭の雄鹿らしきが見える。他にもいるのかまだ分からない。ゲートは完全に落ちている。あっ、もう1頭、これも立派な角を持った雄鹿、それに雌鹿が1頭付いている。少なくも3頭は間違いない。罠の中に陽が当たるようになれば、脱出を試みようとして鹿たちの行動はより活発になるだろうが、現時点では捕獲した鹿の数はよく分からない。
どうやら、雄鹿が3頭に雌鹿2頭、計5頭の捕獲で、そのうちの1頭の雄は前足を痛めている。それにしてもこの罠で、これまでに何回となく鹿の捕獲に成功してきたが、今回のような組み合わせは初めてのことだ。繁殖力の旺盛な雄を3頭ということは、将来的にはその何倍かの鹿を捕獲したことに相当するだろう。
足の悪い雄鹿がしばらく、事態を飲み込めないままゲートの前にいたが、諦めて高台の方へ戻っていった。侵入時には開いていたゲートが、なぜ閉じられてしまったかを知ることはない。それでもそこから出ようとするのは、本能だろう。足の悪い雄の鹿に1頭の雌鹿、そして遅れてもう1頭の雄鹿が後を追う。どういう関係かと空想が膨らむ。
捕らわれの身となったことに少しづつ気付き始めたのかも知れない。1頭の雌の鹿は活発に動き始めたが、他の鹿のような慎重な動作とは違い奔放で、一緒にはならない。罠に入る前の群れの構成が一体どんなふうだったのか気になる。捕獲を免れた鹿がいたかも知れない。
遠くの森から、鹿の鳴く声がしている。雲の間から射す朝の日がまぶしい。
久しぶりにUme氏から、佳作5点を送ってもらった。昨日の早朝、マイナス2度の中で撮った渾身の作。順次掲載させてもらいます。お楽しみに!Umeさんには深甚なる感謝の気持をお伝えします。
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