昨日の帰り際、あんなことを呟いて外に出てみたら、西の空は今にも泣きだしそうな冬の雨雲が広がっていた。そして、昨夜は雨。
こんな天気の日に、牛もいないのに上がってくる必要があるのかと聞かれることがある。きょうが土曜日でなかったら、来なかったかも知れない。予約は入っていないが、稀に飛び込みで来る人がいる。営業的に考えれば、そういう人たちにも対応することがどうかは別にして、ここも山小屋を謳う以上は、営業期間の週末は小屋やキャンプ場を開けておくことが使命だと考えている。
そのことに関して付け加えれば、予約がないからといって受け入れを拒否したりするわけではない。ただ、予約者を優先するということであり、それはできるだけ余裕をもって過ごしてもらいたいからだ。確かに、前触れなしの家族に検査場の草地にテントを張ってもらったこともある。あるが、そんなことは盆の休みに一度か二度あったに過ぎない。因みに明日は、小屋に予約が入っている。
「ド日陰の曲がり」は毎年のように、仕事始めのころ残雪で最も通行に苦労する場所だが、昨夜帰る途中、道路に散りばめられた落葉がヘッドライトに照らしだされた瞬間、自然のその見事な演出に感服した。
多くの人は、紅葉狩りには好天を選ぼうとする。しかしそういう人たちに、きょうのような森の渋みとか深み、晩秋の物寂しさを識ることはできまい。夏よりも秋、それも色付いた森が華やかさの中にも次第に翳りとか、衰えを見せ始めた今のころが特にいい。それが、日本人の美意識に通ずると、ある人が書いていた。そうかも知れない。巨匠の筆がここまで延びてきた。
今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。
枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。