入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「秋」(7)

2020年08月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 上に泊まって5日目、いつもと変わらない牧の朝、早くから鳥の声がしていた。気温14度、夕立はあっても、きょうも一日好天だろう。
 昨日はいろいろなことが重なり、早朝から慌ただしかった。一応予定していたことは終わり、また牧場にいつもの平穏が帰ってきた。きょうは小屋の風呂の修理に上がってくる人をを待ち、それへの対応や、いつもやっている一連の仕事を終えたら、早目に里へ下る。牧場関連のことだが、里にも用事ができた。
 それにしても小屋の風呂がまた使えるようになれば、ますます里へ帰ることが少なくなるかも知れない。それでも、どちらかに生活の比重をかけないと、無駄ばかりが増える。特に上と下の冷蔵庫の中身はそうだった。
 まだ決めかねているが、恐らくは段々と山に生活の中心を移すようになるだろう。ここで暮らしていても、格別に不便、不自由はないし、また里に下っても、そこでの暮らし向きがここと比べ大きく変わるわけではない。

 早朝の森の中は適度な湿り気を帯びた大気が清々しい。そこへ朝日が光の帯となって射し込み、明と暗を巧みに区切る。濡れたクマササの中を歩いていたら、沢を下る水の音も遠くの方から聞こえてきた。見慣れた風景だが、いつも異なった印象を味あわせてくれる好きな場所だ。
 朝飯前に気になることを片付けてしまうことにして、第1牧区へ上がった。小屋の裏の第2牧区は普段なら100頭以上もの鹿の群れがいるが、今朝は2,3頭しかいなかった。一昨日別な用件できたK氏が抜かりなくライフルも持参していて、2頭ほど片付けたその影響だろう。
 電牧の一部を張り直し、それから頭数確認を始めた。足を痛めている36番の様子は最大の懸念で、その姿を雷電様の南の放牧地で他の牛の群れの中に見付け、一安堵した。まだ、他の牛に気を遣っているのか、群れの端に35番と遠慮がちに横臥していた。
 その後未確認の10頭ほどの牛を探すのに手間取り、それで車を捨て、森の中を歩いて探すことにしたのだった。ところが森ばかりか御所平にも、舞台にも、どん底にも牛の姿はなかった。草が少なくなると、脱柵の可能性が高くなる。そろそろそういう状況になりつつあって注意が必要だ。
 最後に念押しの為、もう一度最初に行った雷電様の放牧地へ行き、一番奥の小高い丘に向かって歩いていったところ、ホルスの角と頭らしきが目に留まった。有難いことにそこに、未確認の牛全頭がいた。

 風呂のガス工事も始まった。きょうはこの辺で。

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