入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「春」(5)

2023年03月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 昨日、猟友会のAさんから電話が来て、芝平峠にいるという。例年3月の3日前後には牧守が上に行くことを知っていて、もしかしたらまだ牧場にいるのかという問い合わせだった。
 その後Aさんが、雪に阻まれてそれより上に進むことを断念したのはいいが、もと来た道を引き返さず千代田湖に回ったらしい。今朝また電話で、枯木の頭からの長い下り坂が凍結していて大変だったと知らせてくれた。同じ目に遭わないためにと、気遣ってくれたのだろう。
 
 最初に電話を貰った時に、もしAさんが枯木の頭を超えて千代田湖に向かうことが分かっていたら、当然思い留まるように言ったと思う。ここでも呟いたが、4,5年前にこの林道を下り、「頭」から千代田湖まで、あの長い林道のほぼ半分の距離を逆向きになって下ったという苦い記憶があったからだ。
 エンジンブレーキを使っても車はツルツルどころかスースー滑り、道路の脇に積もった雪の山に車をぶつけたり、乗揚げるなどして下るという荒業までも強いられた。
 あの時は同乗者が2名いて、それが車全体の重量を増やし、運転に影響を及ぼしたかも知れないし、悪い癖と承知しているが、つい何度もサイドブレーキに手をかけるということもやって、それが車の向きを逆転させる原因にもなっただろう。とにかく、頼りの4輪駆動車も形無しだった。

 ところで入笠の伊那側の林道には、何が面白いのかさっぱり分からないが、都会から改造車、もしくはそれに準じた車で、雪道を走りたがる元気者がいつの冬にも必ずやって来る。結果、林道は彼らの走行した轍で荒らされ、道路の体をなさなくなっている所が随所に見受けられ、特に大きく曲がる坂道の前後に多い。
「天下の大道だ!」というけれど、大道ならば彼らだけでなく他の人も通行できなければおかしいが、それを妨げ、できなくしているのが彼らではないのか。
 
 人のあまり目に届かない森の中では、それだからこそ、場末の酒場で見掛けるようなあまり行儀の良くない輩を目にすることにもなる。1台ならまだしも、何台も連ねてやって来ることもあるのだ。
 もちろん彼らも、地元の人々に迷惑をかけようとして来ているなどとは思わない。滅多に経験できない雪の道で、自分の車の性能や運転の技量を試してみたいと思って来るのだろう。そういう気も分からないわけではないから、何かあれば手を貸して来た。
 きょうは、深雪に踏み込んで動けなくなる愚を避けるように、彼らにこれ以上遠吠えすることは控え、こうした現状を呟くだけにしておこう。

 天気も良く、きょうはまるで春の陽気だというのに、本年に入り4件目の訃報が届き、入笠どころか散歩も諦めてこれから出掛けることに。嗚呼。本日はこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする