入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「春」(46)

2023年05月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうは「こどもの日」だとか。祝日が何を寿ぐのかも知らず、ただここを訪れてくれる人らによってそれとなく知る程度だ。報道もその意義を伝えるよりかも、行楽地の人出の様子を伝えるのをもっぱらにして、それが流すあの無邪気にはしゃぐ子供ばかりか大人のようすからは、山の中で暮らす牧守と同じようにあまりその由来や、意味などには頓着してないように思える。
 しかしそれでいい、この国はともかくも平和だ。空襲警報に怯え、訳も無く生命を落とす人たちの国、多くの人が圧政に泣く国とは明らかに違う。奇跡的な確率で生まれてきた同じ人間であるというのに、一握りの権力者によって尊い人生が蹂躙されている。



 昨晩は久しぶりにここを訪れた幾人かと焚火をした。最近のキャンプ場は直火が禁止されていると聞くが、ここでは4か所に区分されてる各キャンプ場に一箇所はそれができるようにしている。
 コナシの木は白い花を咲かせる時以外は勝手放題に枝を伸ばし、徒長したそれらが道路にはみ出して手を焼かせてくれるだけの性の悪い、碌でもない木だという評価をずっと続けてきた。
 ところが、燃やしてみれば木が硬いからかすぐに燃え尽きず、持ちがいいということが分かった。人は見かけによらないというが、この性悪な木にも意外な特性が潜んでいた。

 焚火は一人でするのもいいし、何人か集まってするのもいい。そこで交わされる話題よりか、燃える火を眺め、火を絶やさぬようにと夢中になる。20万年に近い長い年月の大半を、ご先祖さまたちはそうして来た。人類がここまで続いてこれたのは火のお蔭だと言っても間違えてはいないだろう。
 脳の奥には、そうした火との長く深い繋がりが記憶されていて、今もそうした忘れられた記憶が焚火によって甦り、刺激され、洞穴の住人の思いが沁み出てくるような気がする。

 本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。
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