Photo by Ume氏
雨が降っている。下からの連絡では、夕方には上がると聞いたので、その予報を信ずることにした。
牧場の仕事は第2牧区と第4牧区の電気牧柵の立ち上げがまだ残っている。しかし、これをあまり早くすると、鹿にリボンワイヤーやアルミ線を切られてしまうことは充分に承知している。入牧までにはまだ半月以上あるから、慌てる必要はないだろう。
牛が来ればこんな天気でも最低頭数確認と、電牧の点検は欠かせない。第4に牛を出せば、小入笠の頭までは雨支度をして上がることになる。また昨年から、第2牧区の一部に電牧を設置したからその見回りも増えた。雨の日、高い電圧の流れる電牧仕事は厄介である。
10年ほど続けてきた第1牧区の鹿対策用の電気牧柵は、昨年からその大半に電流を流すのを止めた。維持管理とその効果を比較した結果で、昨年に牧柵の一部を第2牧区に移し、この牧区の範囲を狭め、再び放牧地として使えるようにした。
昨日は気になっていた水源地へ行ってきた。今年も水質検査はすでに終わり、一度で合格しているが、長年水回りでは苦労して来ただけにこの点検にも思い入れがあり、手の抜けない仕事としてやっている。
実はこの水は実に美味い。どういう地下水路を通てくるのか分からないが、今この時季でも10秒と水の中に手を入れてることはできないほど冷たく、酒の味はよく分からないけれど、ここの水の美味さは分かる。甘い。万一の腹痛を覚悟しても、飲む価値があると思うほどにだ。
普段は殆ど水分補給をしない。せいぜいコーヒーを飲むくらいで、プラスチックの入れ物に入った水を飲むなどという野蛮な真似はしない。もちろん、水の代わりにはならないというビールなら飲む。
「One Man’s Wilderness」の主人公が同じようなことを書いていて、アラスカの彼が建てた山小屋の近くを流れる小川の水は、どんな高級ワインにも負けないと自慢していた。
それを読んだ時はエラク大きく出たなと思ったものだが、しかし今はそう思わない。アラスカに行っても生水など飲んだことはないが、彼を信じることにした。
それにしても我が「One Man’s Wilderness」の水は、入笠山の山腹に巨大な氷の塊があって、そこから少しづつ融け出して、あの水源に至っているのかと思いたくなるくらいだ。
寒いと思ったら、気温は8度しかない。
本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
本日はこの辺で。