快晴、またいい朝が来た。午前5時を少し回ったところで、外の気温零度、今朝も薄霜が降りている。
大方の山桜の花は散ったけれど、今度は赤みを帯びた葉がしばらく目を楽しまさせてくれるようだ。白樺やダケカンバは芽吹いたころは葉の色が茶に近く、鮮やかな新緑を見るにはまだ少し待たねばならない。権兵衛山や周囲の落葉松の葉にも同じことが言え、まだ眠たいようなぼやけた緑の色をしている。芽吹き出したコナシの開花はいつもの年よりも早そうだ。
一昨日里に下り、大枚をはたいてチェーンソーを買った。さんざん手をやかせてくれた、動かなくなった古いのと同じくらいの馬力があり、当然ながら様々な点で改良進歩している。
上に持ってきて勇躍エンジンを始動しようとすれば、これが一向に動こうとしない。呆れた。機械のことはよく分からないが、どうやら燃料が回っていないような気がする。
思い余って、それまで日向ぼこさせていた古い方のチェーンソーを試してみれば、何となく反応する音がいい。それに励まされて何度か始動を試みれば、ついにいい音をしてエンジンが動き出した。1年ぶりのことだ。
昨夜のうちに燃料タンクとオイルタンクを洗浄し、それぞれを新しい物に替えて、翌日は一縷の望みをかけて長い間日光の下で温めておいたのが功を奏したようだ。
キャンプ場に落下した太いコナシの枝を試し切りにすれば、歯が新しいだけに切れ味も申し分なく、硬い性悪の木がたちまちにして実に気持ちよく切断されていく。
言うことを聞かない新品のチェーンソーに腹を立てるよりか、上司に盾突いてばかりいた社員が急に素直になったような、古いチェーンソーの"改心 "を喜ぶべきか、しばらく混乱した。
写真の左が新品、真ん中が古物、右が仕事はあまりできないが素直が取り柄の若い社員。
昨日はそんなことがあって、牧柵の補修に加えて短編映画の下見(ロケハン)もあり、TDS君にタラの芽の収穫は「一刻を争う」と言ったら、差し入れを持ってすっ飛んできてくれるといったようなわけで、慌ただしくも春らしい一日が過ぎていった。
M田さん久しぶりですね。牛たちは6月の中旬に上がってきますから、どうぞお出掛けください。
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本日はこの辺で。明日は沈黙します。