入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (57)

2018年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 周囲の森がここまで色付いてくると、クマササの緑の色までが、黄や赤を主な色調とした風景の中でそれなりに格上の役割を見せるようになった気がする。黄色く染まった落葉松やダケカンバの林の中に、モミや、トウヒ(スプルース)の緑の色を見るのと似ている。
 そのダケカンバは、白樺と比べれば落葉が早く、初の沢の大曲よりその奥一体のダケカンバの林は、すでにクリーム色をした樹幹が目立つようになってきて、その分、林の中に何本かのモミの大樹だと思うが、緑の色がよく引き立って見える。また、今年は雨が多かったせいだろう、いつもなら枯れてしまう牧草地にも、新鮮な緑の色がまだ残っている。
 こういうことを呟くと、そういう写真をここに載せたくなるが、これが難しい。今述べたクマササについては今朝、オオダオ(芝平峠)の少し手前を通過する際に感じたことで、果たしてそこで写真を撮ったとしても、意を伝えてくれるようなものになったかは分からない。多分駄目だろう。ひとりで見て、感じているしかない。

 交通事情の悪いせいもあるが、入笠山の伊那側ではおよそ登山者の姿を見かけなくなった。芝平は県道の崩落で通行の見通しは立っていないし、利用者の多い千代田湖から枯木の頭を超えてくる林道も、1ヶ月近く経つが、いまだ舗装工事で作業中は通行止めである。
 芝平の住人は街に出るのに真逆の方向のオオダオ(芝平峠)まで上り、日中8時半以降16時半までは迂回路(その時間以外は工事中の道を通行できる)しか通行できない。まるでDの文字を反転させ、縦線の中間辺りから上に進み、グルッと左回りするようなもの。
 山奥氏もその一人だが、全くご苦労なことにそういう難儀に耐えて、買い出しや歯医者、病院に通っている。忘れられた住人、に近い。

 天気予報は夕方から雨のはずだが、今も美しい夕暮れの空が広がっている。

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。

 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


 


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     ’18年「秋」 (56)

2018年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                      中央アルプス 空木岳

 北アルプスが薄化粧をしていた。冠雪を確認したのは今冬初めてだが、初冠雪かどうかまでは分からない。きょうの写真にしようとしたが、そう思った時には山腹のかなりの部分が雲に邪魔されてしまいかなわなかった。富士山も昨日、大沢山に上がった際に眺めたら、こちらはさすが我が国最高峰、すでにしっかりと雪をまとっていた。
 
 鹿がまた6,7頭囲い罠の中にいた。ところがゲートが途中で止まっていて、それに気付かれて逃げられた。日曜日に8頭殺処分したばかりだったが、こうやってあまり日を置かずに捕獲ができるということは、幾群もの鹿がこの牧場に入っているからと考えられる。キャンパーのいない時には幕営地にまで入っていた証拠を時々目にする。見せしめにくくり罠を仕掛けたら、翌日に掛かっていたこともあった。
 それにしても時間が経つにつれて、きょう逃がした鹿のことがことが段々と腹立たしくなってきた。



 久しぶりにTDS君が来ている。テイ沢の丸太橋、毎年の草刈りなど、彼にもよく協力してもらった。現状を見てもらおうと案内したら沢の雰囲気が良くなったと言われ、喜んだ。午後から、取材の打ち合わせがあるが、それを終えたら小黒川林道の紅葉狩りを兼ねて一緒に下ろうと思っている。きょうのような好天だと、まだ充分に紅葉を楽しむことができるはずだ。

  枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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     ’18年「秋」 (55)

2018年10月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝6時台の気温5度。ふつか続けて霜が降り、今は止んでいるものの昨夜は雨も降って、晩秋の趣が濃密になった。今聞こえている野鳥の声は、これからここでひと冬を越すツグミの声だろうか。ただ、ツグミは滅多に鳴かない鳥だからその名があるとも聞いている。別の鳥かも知れない。
 窓を開けていても、それほど寒いとは感じない。

 

 そんなことを呟いてから1日が過ぎようとし、夕暮れが迫ってきている。天気は朝の予想に反してまずまずだった。紅葉の写真は相応しくないかと思い一度は差し替えてみたが、その写真もやはり載せておこう。
 夕日が権兵衛山の落葉松の林を燃え立たせるかのように見せてくれている。もうすぐ巨匠の仕事も完成するようだ。風はまだ冷たさを抑えているものの、こんな穏やかな秋の夕暮れをあと幾日過ほど過ごすことができるのだろうか。10月も残り1週間。
 この月は牛の下牧、撮影、作業道整備、実生落葉松切り、テイ沢の丸太橋等々と忙しかったはずだ。それでいて、いつもより呆気なく過ぎたという気がしている。
 家の柿の木には、たわわに実がなっている。干し柿などつくる気は全くないが、ただ眺めているわけにもいかない、ムー。

 Yたさん、赤羽さん、通信ありがとうございました。Yたさんたちの山好き、赤羽さんの体力に期待してます。

 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。



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     ’18年「秋」 (54) 

2018年10月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 落葉が進み、森の奥が大分透けて見えるようになった。山桜はとっくに葉を落としたし、コナシの葉も半分ぐらいは散った。紅葉も、中には衰退を見せずに、その盛りで散っていくのもある。
 早朝の気温が今朝は零度を下回ったことを、日の当たらない草叢の氷結に気付かされた。この好天もきょうで終わるらしいが、そうなると季節は一気に進む。もしかすればきょうが、今秋最後の秋日和になるのかも知れない。そして11月に入れば、取水は外の放水場でやらなければならなくなる。いくら長い秋を望んでみても、季節の終わりがすぐそこまで来ている。

 作業道の整備、水源からの水道管の点検とその養生、まだ終わってない実生から生えた落葉松の始末、露天風呂のこと、牧を閉じるまでに1か月を切っり、やり残したことはそのくらいだろうか。少し材木が手に入ったから、ここら辺りの道標も作っておこうと考えている。
 テイ沢の丸太橋の補修はもうやらない。落葉松の水の吸い上げが終わっているから、伐っても皮を剥くのが面倒になる。本当なら、もう少し早くにそういうことをやって、丸太を乾かしておきたかった。来年は、下から5番目の橋の丸太を最低でも2本は取り換えるつもりでいるが、あそこは5メートルの長い丸太が必要で、それを担ぐにあまり太くては手に負えないと、細目にしておいた。しかし、夏の1週間ばかりの間に、500人以上の中学生があそこを通る。当然、痛みも早い。
 北原のお師匠は、本格的に法華道の整備にのめり込んだのは70歳を過ぎてからだと日頃よく言ってくれてる。しかし、師は酒も煙草もやらず、90歳の今なお、法華道の草刈りや倒木のことを自分で何とかしようと気を揉んでいる。申し訳ないが、不肖の弟子ではとてもそんな真似はできない。来年は、もしかすれば丸太など担げないかも知れないと案じているほどの体たらくだから。

 関西からの4人組は無事に帰っただろうか。お天気男の赤羽さんとご家族の秋のいい山歩きができたようで、何よりです。例の本読んだら感想を聞くのを楽しみにしてます。

 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。




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     ’18年「秋」(53)

2018年10月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 静かないい秋の日が続く。午後になっていくらか雨がパラついたが、大したことはなかった。紅葉を愛でるにはきょうぐらいの天気が一番いいと思うが、にもかかわらず週末、ここを訪れる人はいない。代わりに鹿が7頭ばかり、囲い罠の中に入った。物騒な男たちが明日その始末にやってくるだろう。
 
 きょう、少し早めに山を下りた。枯木の頭から千代田湖に下る林道の舗装工事は、土曜日でやっていないと思っていたら、やっていた。ダンプを動かせば通れると言ってくれたが、8時半から16時半までの通行止めを無視して通ろうとしたのだから、引き返した。そして、3日ぶりだか4日ぶりだったか、オオダオ(芝平峠)から千軒平の迂回用山道を帰ってきた。その途中の相変わらずの悪路に反して、周囲の色付いた紅葉の見事さ、これには深く感動した。
 先日、モミジやカエデは色付くまでには木によってそれぞれ違いがあり、その盛りを言うのはなかなか難しいと呟いた。同じ木でも、赤く染まった葉もあれば、緑の色を残したままの葉もある。そうかと思えば、中途な黄色もあれば、1本の木がソックリ紅葉していることもある。そういう同一の樹種でさえも色付く過程に大きな違いがあるのだが、しかしその多様さこそが「錦織なす」艶(あで)やかさの秘密であると知らされた。思いがけない遠回りをしたが、その甲斐があった。ツタウルシの紅葉からモミジ、カエデの紅葉、さらには落葉松の葉が黄金に染まるまでがずっと見ごろだと思い直した。

 10年以上も音信のなかった人が、最近この呟きを読んでくれて「帰るべきところへ帰ったんだなあと感じました」と通信してくれた。そう思われたことが、嬉しかった。反抗したり懐いてくれたりした彼女でも、その相手が何とか落ち着くべきところへたどり着けたと、この呟きから感じてくれたのだろう。紅葉を眺めて人生を感じ、こういう感想を読まされてまた人生を感じる。(10月20日記)

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。
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