西側の屋根にはまだ雪が残っていたのだろうか、その融けて流れ落ちる音がずっとしていた。今はもう止んでいる。明るい青空が半分ほど見えていて、窓を開けても寒くない。鳥の声もしている。西山は雪雲に隠れたままだが、それさえ厳冬期の寒さを感じさせない。
気が付いて数えてみたら、きょうで冬ごもりが3ヶ月過ぎたことになる。「もう」と思うか、それとも「まだ」と思うか迷うところだが、そうであれば冬が逝き、春が来ることをただ手放しで喜んでいるばかりではない、ということだろうか。
ある時のことを振り返れば、例えば越年の入笠でもいいが、もう遠い記憶になってしまっている。しかし、そのことも含めても、ひと冬を思えば何とも呆気なかったような気がする。
とりあえず、1年ぶりに立ち寄ってくれた友を迎え、2合の燗酒とビールを飲み歓談した。そして不覚にも、いつの間にかうたた寝をしたようだった。目が覚めたら旧友は姿を消し、身体がゾクゾクとした。
夕飯は副菜だけにして桜餅を3個も食べ、アルコールも控え風呂にも入らず、9時には床に就いた。その日覚醒していた時間は、たった12時間にも満たなかったことになる。(2月20日記)
もうここにも、雪景色はいいだろうと昨年撮った春らしい写真を探してみた。それがこのピンボケ写真で、花もついでながらボケの花。何かの間違いではないかと思ったほどだが、撮影日を見て昨年はこの時季、ボケの花だけでなくすでに梅の花も咲いていたと知った。今朝の室内気温は零度だったから、今年はまだとてもそんな陽気ではない。
昨夜は念のため羽毛服を着て寝た。多少寝づらかったが、雪山での窮屈なテント生活を考えて我慢したら、どうやらそれで今朝は風気味だった調子が元に戻った。けれども季節も冬に戻ってしまい、昨夜は粉雪も待ったようで、窓ガラスをヒューヒューと寒風が鳴らしている。
きょうはcovid-19の3回目のワクチン接種がある。場所は往復でも車で15分ほどの距離でどうということはないのだが、外すことができない用事ができると、済むまではそのことに縛られて落ち着かない。今の平凡な暮らしを概ね受け入れてはいても、何もなければなくて物足りず、あればあったで落ち着かず、あっちへ揺れ、こっちへ揺れて、冬ごもりの日々がまだしばらくは続く。
本日はこの辺で。