■もちろん、当会は「多胡運輸株式会社」の情報も調査しました。この会社の情報について、さっそく平成7年6月30日に商業登記簿を取り寄せて確認しました。商業登記簿によると、多胡運輸株式会社の当時の会社内容は次の通りでした。
**********
・商号 多胡運輸株式会社
・本店 群馬県安中市安中1774番地2(その後平成5年5月12日に、群馬県安中市安中鷺宮220番地1に移転し、同年5月18日に登記)
・公告をする方法 官報に掲載してする
・額面株式1株の金額 金50,000円
・発行する株式の総数 960株
・発行済株式の総数 240株
・資本の額 金12,000,000円
・登記用紙を起こした事由及び年月日 設立 平成4年8月31日
・目的
1.自動車運送取扱事業
2.物品の仕分け、梱包及び発送業務
3.自動車、二輪車、中古自動車の販売及び修理
4.不動産の売買、賃貸、管理及びその仲介
5.喫茶、レストラン、スナック等の飲食店の経営
6.損害保険の代理店
7.貨物自動車運送業
8.各種倉庫業
9.前各号に附帯する一切の業務
※平成5年5月10日変更。平成5年5月18日登記。登記官荻野(印)
※目的欄2丁。平成5年5月18日1丁除去 登記官荻野(印)
・役員に関する事項
取締役 多胡茂美
取締役 多胡ヨヲ子
取締役 津石秀明
取締役 早川正雄
代表取締役 多胡茂美(群馬県安中市安中1,774番地2)
監査役 XXYY
平成5年11月15日、以上5名重任。平成5年11月22日登記。
※役員欄2丁。平成5年11月22日1丁除去 登記官荻野(印)
・その他の事項 株式の譲渡制限に関する規定
当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
**********
現在は、多胡運輸の役員は、代表取締役の多胡茂美と、実母で取締役の多胡ヨヲ子だけですが、事件発覚当事は、取締役として、元市会議員の早川正雄と津石秀明がいました。

↑多胡運輸発祥の地の現在の様子。↑
■上記の3社の設立と登記、変更や移転とそれらの登記を時系列的に見てみましょう。
平成2年 5月 8日 株式会社適塾の設立登記
平成4年 8月31日 多胡運輸株式会社の設立登記
同日 株式会社芙蓉の設立登記
平成5年 5月10日 多胡運輸株式会社の定款変更
平成5年 5月12日 多胡運輸株式会社の移転
平成5年 5月18日 多胡運輸株式会社の定款変更と移転の登記
平成5年 6月25日 株式会社適塾の役員重任
平成5年 6月28日 株式会社適塾の役員重任登記
平成5年 9月11日 株式会社芙蓉の役員重任
平成5年 9月14日 株式会社芙蓉の移転
平成5年 9月17日 株式会社芙蓉の役員重任と移転の登記
平成5年11月15日 多胡運輸株式会社の役員重任
平成5年11月22日 多胡運輸株式会社の役員重任の登記
■このように、3社の設立には、特定の人物たちがかかわっていることがわかります。また、時期的にも、3社の成り立ちには強い相関がみられます。たとえば、平成2年5月8日に、株式会社適塾が設立されていますが、その直前の平成2年4月16日には、元職員の多胡邦夫が、群馬銀行安中支店に、安中市土地開発公社の理事長(=市長)名義で、「安中市土地開発公社特別会計」と称する裏金を操作するための口座を設けた直後に符合します。
平成元年以降、群馬銀行安中支店の安中市土地開発公社への融資状況のうち、元職員の多胡邦夫が偽造書類で横領した金額に関係する融資日、融資額(横領額)、融資理由は次の通りです。
●01年 3月10日 15,301,000円(横領額1千万円) 都市計画道路建設用地取得資金
●01年 3月31日 58,980,000円(横領額5千万円) 勤労者会館建設用地造成取得資金
●01年 3月31日 57,488,000円(横領額5千万円) 公共用地取得に伴う事務費
●01年 9月20日 240,203,000円(横領額2億円) 都市計画道路(谷津下間仁田線)建設用地取得資金
●01年 9月29日 87,304,000円(横領額8千万円) 事務費(借入金支払利息)
●01年12月25日 122,156,000円(横領額1億円) 観梅公園及び付帯施設取得に伴う事務費
●02年 3月29日 181,909,000円(横領額1億円) 観梅公園及び付帯施設取得資金
●02年 3月29日 89,557,000円(横領額79,980,000円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成2年 4月16日 土地開発公社特別会計の口座開設
●02年 4月24日 145,981,000円(横領額1億円) 後閑城址公園建設用地取得資金
▼平成2年 5月 8日 株式会社適塾の設立登記
●02年 9月28日 433,124、000円(横領額4億円) 都市計画道路(下野尻茶屋町線)用地取得資金
●03年 2月25日 400,973,000円(横領額4億円) 北陸新幹線安中駅周辺開発区域用地取得に伴う事務費
●04年 3月11日 416,873,000円(横領額4億円) 北陸新幹線新安中駅北側駐車場用地取得資金
●04年 3月31日 222,438,000円(横領額2億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成4年 8月31日 多胡運輸株式会社の設立登記
▼同日 株式会社芙蓉の設立登記
●04年 9月30日 215,054,000円(横領額2億円) 事務費(借入金支払利息)
●05年 2月 5日 231,884,000円(横領額2億円) 北陸新幹線新安中駅南側駐車場用地取得資金
●05年 3月31日 85,749,000円(横領額8千万円) 事務費(借入金支払利息)
●05年 3月31日 113,584,000円(横領額1億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成5年 5月10日 多胡運輸株式会社の定款変更
▼平成5年 5月12日 多胡運輸株式会社の移転
▼平成5年 5月18日 多胡運輸株式会社の定款変更と移転の登記
▼平成5年 6月25日 株式会社適塾の役員重任
▼平成5年 6月28日 株式会社適塾の役員重任登記
▼平成5年 9月11日 株式会社芙蓉の役員重任
▼平成5年 9月14日 株式会社芙蓉の移転
▼平成5年 9月17日 株式会社芙蓉の役員重任と移転の登記
●05年 9月30日 313,860,000円(横領額3億円) 公共用地取得費
●06年 3月31日 604,783,000円(横領額6億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成5年11月15日 多胡運輸株式会社の役員重任
▼平成5年11月22日 多胡運輸株式会社の役員重任の登記
●06年 9月30日 411,474,000円(横領額4億円) 事務費(借入金支払利息)
●07年 3月31日 259,612,000円(横領額2億5千万円) 事務費(借入金支払利息)
■こうしてみると、元職員が巨額の横領金を裏口座に入れたタイミングと、適塾、多胡運輸、芙蓉の3社の成長ぶりとが、奇妙に関係しているようにみえます。
これら3社に名を連ねている役員について見てみると、さらに興味深いことがわかります。敬称略。
多胡茂美 多胡運輸社長+芙蓉社長
多胡ヨヲ子 多胡運輸役員
津石秀明 多胡運輸役員+芙蓉役員
早川正雄 多胡運輸役員+適塾社長+芙蓉役員
早川佳子 適塾役員
櫻井健一 適塾役員
内田貢禄 芙蓉役員
XXYY 多胡運輸監査役+適塾監査役+芙蓉監査役
■こうして、3社の役員を兼務したのは、早川正雄と、XXYYの2名であることがわかります。2社の役員を兼務していたのが、多胡茂美と津石秀明の2名です。その他、1社の役員が、早川佳子、櫻井健一、内田貢禄の3名で、いずれも早川正雄後援会の幹部です。
また、株式会社芙蓉の住所が、適塾と同じ番地であることも判明していました。こうして、元職員と深く結びつく3社のうち、学習塾経営の株式会社適塾(安中市安中3784-1)は、横領事件発覚後も存続していましたが、平成20年1月22日に負債額3億7600億円で民事再生手続き開始を申し立て、同24日に監督命令が出されました。今では、経営者が変わっています。

↑多胡運輸㈱の多胡茂美社長が、同じく社長を兼務していた不動産会社の㈱芙蓉は、なんと早川正雄社長の適塾安中校と同じ住所にあった。写真はその住所に建つ適塾予備校。↑
多胡運輸は、横領事件発覚後、なぜか安中市鷺宮から姿を消し、一時高崎市剣崎町にいるという情報がもたらされましたが、その後、現在の高崎市箕郷町上芝の新幹線の近くで大きな敷地を取得し、大きく事業を成長させ、1年前に首都高5号線で保有するアポロマークのタンクローリーが速度の出しすぎと居眠り運転で、横転炎上し、首都高に45億円余りの損害を与えたにもかかわらず、平然と営業を続けています。
■㈱多胡運輸と同日に設立された株式会社芙蓉は、平成7年6月の横領事件発覚後、いつのまにか、安中市民の前から姿を消しましたが、姉妹関係だった多胡運輸が目覚ましく成長していることから、あるいは名前を変えて存続している可能性もあります。
首都高炎上事故から1年を経過し、来月9月21日には、晴れて正式出所となる元職員のことを考えてあわせると、多胡ファミリーの動静にはますます注目が集まりそうです。
3社の監査役であるXXYYのことについては、別途報告します。
【ひらく会情報部・この項おわり】
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・商号 多胡運輸株式会社
・本店 群馬県安中市安中1774番地2(その後平成5年5月12日に、群馬県安中市安中鷺宮220番地1に移転し、同年5月18日に登記)
・公告をする方法 官報に掲載してする
・額面株式1株の金額 金50,000円
・発行する株式の総数 960株
・発行済株式の総数 240株
・資本の額 金12,000,000円
・登記用紙を起こした事由及び年月日 設立 平成4年8月31日
・目的
1.自動車運送取扱事業
2.物品の仕分け、梱包及び発送業務
3.自動車、二輪車、中古自動車の販売及び修理
4.不動産の売買、賃貸、管理及びその仲介
5.喫茶、レストラン、スナック等の飲食店の経営
6.損害保険の代理店
7.貨物自動車運送業
8.各種倉庫業
9.前各号に附帯する一切の業務
※平成5年5月10日変更。平成5年5月18日登記。登記官荻野(印)
※目的欄2丁。平成5年5月18日1丁除去 登記官荻野(印)
・役員に関する事項
取締役 多胡茂美
取締役 多胡ヨヲ子
取締役 津石秀明
取締役 早川正雄
代表取締役 多胡茂美(群馬県安中市安中1,774番地2)
監査役 XXYY
平成5年11月15日、以上5名重任。平成5年11月22日登記。
※役員欄2丁。平成5年11月22日1丁除去 登記官荻野(印)
・その他の事項 株式の譲渡制限に関する規定
当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
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現在は、多胡運輸の役員は、代表取締役の多胡茂美と、実母で取締役の多胡ヨヲ子だけですが、事件発覚当事は、取締役として、元市会議員の早川正雄と津石秀明がいました。

↑多胡運輸発祥の地の現在の様子。↑
■上記の3社の設立と登記、変更や移転とそれらの登記を時系列的に見てみましょう。
平成2年 5月 8日 株式会社適塾の設立登記
平成4年 8月31日 多胡運輸株式会社の設立登記
同日 株式会社芙蓉の設立登記
平成5年 5月10日 多胡運輸株式会社の定款変更
平成5年 5月12日 多胡運輸株式会社の移転
平成5年 5月18日 多胡運輸株式会社の定款変更と移転の登記
平成5年 6月25日 株式会社適塾の役員重任
平成5年 6月28日 株式会社適塾の役員重任登記
平成5年 9月11日 株式会社芙蓉の役員重任
平成5年 9月14日 株式会社芙蓉の移転
平成5年 9月17日 株式会社芙蓉の役員重任と移転の登記
平成5年11月15日 多胡運輸株式会社の役員重任
平成5年11月22日 多胡運輸株式会社の役員重任の登記
■このように、3社の設立には、特定の人物たちがかかわっていることがわかります。また、時期的にも、3社の成り立ちには強い相関がみられます。たとえば、平成2年5月8日に、株式会社適塾が設立されていますが、その直前の平成2年4月16日には、元職員の多胡邦夫が、群馬銀行安中支店に、安中市土地開発公社の理事長(=市長)名義で、「安中市土地開発公社特別会計」と称する裏金を操作するための口座を設けた直後に符合します。
平成元年以降、群馬銀行安中支店の安中市土地開発公社への融資状況のうち、元職員の多胡邦夫が偽造書類で横領した金額に関係する融資日、融資額(横領額)、融資理由は次の通りです。
●01年 3月10日 15,301,000円(横領額1千万円) 都市計画道路建設用地取得資金
●01年 3月31日 58,980,000円(横領額5千万円) 勤労者会館建設用地造成取得資金
●01年 3月31日 57,488,000円(横領額5千万円) 公共用地取得に伴う事務費
●01年 9月20日 240,203,000円(横領額2億円) 都市計画道路(谷津下間仁田線)建設用地取得資金
●01年 9月29日 87,304,000円(横領額8千万円) 事務費(借入金支払利息)
●01年12月25日 122,156,000円(横領額1億円) 観梅公園及び付帯施設取得に伴う事務費
●02年 3月29日 181,909,000円(横領額1億円) 観梅公園及び付帯施設取得資金
●02年 3月29日 89,557,000円(横領額79,980,000円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成2年 4月16日 土地開発公社特別会計の口座開設
●02年 4月24日 145,981,000円(横領額1億円) 後閑城址公園建設用地取得資金
▼平成2年 5月 8日 株式会社適塾の設立登記
●02年 9月28日 433,124、000円(横領額4億円) 都市計画道路(下野尻茶屋町線)用地取得資金
●03年 2月25日 400,973,000円(横領額4億円) 北陸新幹線安中駅周辺開発区域用地取得に伴う事務費
●04年 3月11日 416,873,000円(横領額4億円) 北陸新幹線新安中駅北側駐車場用地取得資金
●04年 3月31日 222,438,000円(横領額2億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成4年 8月31日 多胡運輸株式会社の設立登記
▼同日 株式会社芙蓉の設立登記
●04年 9月30日 215,054,000円(横領額2億円) 事務費(借入金支払利息)
●05年 2月 5日 231,884,000円(横領額2億円) 北陸新幹線新安中駅南側駐車場用地取得資金
●05年 3月31日 85,749,000円(横領額8千万円) 事務費(借入金支払利息)
●05年 3月31日 113,584,000円(横領額1億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成5年 5月10日 多胡運輸株式会社の定款変更
▼平成5年 5月12日 多胡運輸株式会社の移転
▼平成5年 5月18日 多胡運輸株式会社の定款変更と移転の登記
▼平成5年 6月25日 株式会社適塾の役員重任
▼平成5年 6月28日 株式会社適塾の役員重任登記
▼平成5年 9月11日 株式会社芙蓉の役員重任
▼平成5年 9月14日 株式会社芙蓉の移転
▼平成5年 9月17日 株式会社芙蓉の役員重任と移転の登記
●05年 9月30日 313,860,000円(横領額3億円) 公共用地取得費
●06年 3月31日 604,783,000円(横領額6億円) 事務費(借入金支払利息)
▼平成5年11月15日 多胡運輸株式会社の役員重任
▼平成5年11月22日 多胡運輸株式会社の役員重任の登記
●06年 9月30日 411,474,000円(横領額4億円) 事務費(借入金支払利息)
●07年 3月31日 259,612,000円(横領額2億5千万円) 事務費(借入金支払利息)
■こうしてみると、元職員が巨額の横領金を裏口座に入れたタイミングと、適塾、多胡運輸、芙蓉の3社の成長ぶりとが、奇妙に関係しているようにみえます。
これら3社に名を連ねている役員について見てみると、さらに興味深いことがわかります。敬称略。
多胡茂美 多胡運輸社長+芙蓉社長
多胡ヨヲ子 多胡運輸役員
津石秀明 多胡運輸役員+芙蓉役員
早川正雄 多胡運輸役員+適塾社長+芙蓉役員
早川佳子 適塾役員
櫻井健一 適塾役員
内田貢禄 芙蓉役員
XXYY 多胡運輸監査役+適塾監査役+芙蓉監査役
■こうして、3社の役員を兼務したのは、早川正雄と、XXYYの2名であることがわかります。2社の役員を兼務していたのが、多胡茂美と津石秀明の2名です。その他、1社の役員が、早川佳子、櫻井健一、内田貢禄の3名で、いずれも早川正雄後援会の幹部です。
また、株式会社芙蓉の住所が、適塾と同じ番地であることも判明していました。こうして、元職員と深く結びつく3社のうち、学習塾経営の株式会社適塾(安中市安中3784-1)は、横領事件発覚後も存続していましたが、平成20年1月22日に負債額3億7600億円で民事再生手続き開始を申し立て、同24日に監督命令が出されました。今では、経営者が変わっています。

↑多胡運輸㈱の多胡茂美社長が、同じく社長を兼務していた不動産会社の㈱芙蓉は、なんと早川正雄社長の適塾安中校と同じ住所にあった。写真はその住所に建つ適塾予備校。↑
多胡運輸は、横領事件発覚後、なぜか安中市鷺宮から姿を消し、一時高崎市剣崎町にいるという情報がもたらされましたが、その後、現在の高崎市箕郷町上芝の新幹線の近くで大きな敷地を取得し、大きく事業を成長させ、1年前に首都高5号線で保有するアポロマークのタンクローリーが速度の出しすぎと居眠り運転で、横転炎上し、首都高に45億円余りの損害を与えたにもかかわらず、平然と営業を続けています。
■㈱多胡運輸と同日に設立された株式会社芙蓉は、平成7年6月の横領事件発覚後、いつのまにか、安中市民の前から姿を消しましたが、姉妹関係だった多胡運輸が目覚ましく成長していることから、あるいは名前を変えて存続している可能性もあります。
首都高炎上事故から1年を経過し、来月9月21日には、晴れて正式出所となる元職員のことを考えてあわせると、多胡ファミリーの動静にはますます注目が集まりそうです。
3社の監査役であるXXYYのことについては、別途報告します。
【ひらく会情報部・この項おわり】