市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ問題を斬る!・・・スラグ投棄周辺井戸の安全を強調する県と我が物顔で走り回る佐藤の白い運搬車

2015-08-04 23:50:00 | スラグ不法投棄問題
■大同特殊鋼は有害スラグのフッ素の量を分析して、その分析値に基づいて、天然砕石を混合することにより“希釈”していました。その“希釈”を実質的に担当したのが、ブラックな佐藤建設工業です。この大同・佐藤ブラック企業連合が編み出した“希釈”には大きな問題点が二つ存在しています。まずは①スラグと砕石は固体同士なので、液体と異なり、そもそも混ざり合うことはないこと、そして②チョー自分勝手なブラック佐藤は、工事現場に生一本で不法投棄するなど、ぞんざい(=いい加減)に有害スラグを取り扱い、大同の混合比率の指示を無視していたこと。実際に、一部の投棄現場では、スラグに含まれる有害フッ素の量が多く、直下の土壌まで深刻に汚染しているのです。
 そうした状況下で、本日の地元紙朝刊に次の内容の記事が報じられました。

2015年8月4日上毛新聞記事。

**********2015年8月4日上毛新聞朝刊社会面
2015n0804v.pdf
飲用と非飲用井戸38本基準下回る スラグ問題で県調査
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場のスラグ問題で、県は3日、国や渋川市の調査で土壌汚染が判明した工事の現場周辺にある飲用井戸8本や非飲用井戸30本の水質を調べた結果、いずれも環境基準を下回ったと発表した。
 調査対象はいずれも同市内の工事で、フッ素濃度は環境基準の1リットルあたり0.8ミリグラムを下回る同0.02未満~0.14ミリグラムだった。
*****

■ここでいう井戸水とはどういうものなのでしょうか?有害スラグの施工現場からどのくらい離れたどのような位置関係にある井戸を、どのような期間にどのような計量・計測方法で、調査したのでしょうか?

 いずれにしても地下水に、通常では検出されないはずの有毒物質の影響が出るようでは、その周辺の自然環境は、既に汚染状態にあり、しかも最大014ミリグラムを検出するようでは、取り返しのつかない末期症状にあると言えるのではないでしょうか?

 今回の新聞報道では、0.02未満~0.14と約7倍もの数字の差があります。水質基準値の1リットル当たり0.8mgを下回っているものの少なからず影響が出ていると言えないでしょうか?例えば0.79という数字の場合、0.8を下回っているとしても、土壌のフッ素溶出試験結果としての検液1リットル当たりの数字ならともかく、周辺に染み出した地中の“水”で、直接ヒトの体内に入る可能性のある状態にある井戸水に含まれる有害物質の数値として、許容できるものではありません。まして、天然由来のフッ素ではなく大同が精錬工程で使用したフッ素が由来なのです。

■次に、当会が入手した「スラグ混合路盤材 製造・販売管理プロセスフロー図」をご覧下さい。

スラグ混合路盤材 製造・販売管理プロセスフロー図」。
daidoslug_kongorobanzai_seizouhanbai_process_flowchart.pdf

 ここに大同・佐藤ブラック連合が編み出した“魔”の脱法再生砕石の製造の流れが示されています。環境基準に抵触しないようブラック連合による悪知恵の協議の末たどり着いたフロー図です。

 図中に現れる登場人物を整理しておきましょう。
・「DECO」とは大同特殊鋼の子会社の大同エコメットのことで有害スラグの製造を担当しています。
・「群丸」とは、大同特殊鋼の関連会社で運送業者の群馬丸太運輸のことですが、名義のみで、実際は佐藤建設工業のスラグ運搬車が運搬しています。

 製造フローで目を引くのが、
   「F」分析 → 混合比率決定
となっていることです。

 大同から排出される鉄鋼スラグ中に含まれる有害フッ素の量を分析し、環境基準を下回るよう“魔の操作”をしています。天然砕石との混合はDECOが行うようにフロー図ではなっていますが、実際は佐藤が全て行っていました。混合作業は、ミキシングプラントで精密に行われたのではなく、積込み用の重機を使って、ぞんざい(=いい加減)に行われていたばかりでなく、大同の渋川工場からそのまま、直接工事現場スラグ運搬車で持ち込み、不法投棄された事例も多々あるようです。

■新聞報道に戻りますが、このように計画的に犯行準備がなされた今回の有害スラグ事件について、周辺の井戸水におけるフッ素の最大値が「環境基準0.8を下回った0.14だから安心だ!」と群馬県が強調していますが、どうしても割り切れません。

 むしろ、計画的にフッ素の量をコントロールしていた悪質性に鑑み、有害スラグの影響のない場所の井戸水の水質と比較することにより、少しでも有害スラグの影響が出ていると認識されれば、大同・佐藤を厳罰に処すという姿勢が、群馬県には必要なのではないでしょうか?

 と同時に、群馬県をはじめとする行政は、水質汚染の原因となる汚染土壌、および汚染源そのものである有害スラグを撤去する、という態度で臨むべきではないでしょうか?

■さてフロー図には販売の流れも示されています。この中で注目を引くのは、
  *1受注前、施工中、施工後の現地調査は3000t以上の大口案件について実施する
となっていることです。

 佐藤が注文の引き合いに際して品質特性を説明し、受注前現地確認を行うことになっています。当然、販売先の建設会社も佐藤が販売する建設資材にスラグが含まれていることを知っていることになります。

 例えば、上武国道工事において、有害スラグ問題がこれだけ大騒ぎになっているのに、池下工業という業者は未だに佐藤建設工業の盛り土材を使い続けています。この事実は同社と佐藤建設工業との親密な関係を物語っています。

池下工業の“優良”工事表彰記事。

池下工業の表彰工事現場である上武道路田口改良の盛り土材に使われた有害スラグ。

 この他にも佐藤建設工業の建設資材を利用して、国道交通省の優良工事表彰を受賞した建設業者が何社かいますが、未だに表彰を自ら辞退した業者はいません、佐藤建設工業の建設資材に有害スラグが含まれていることを知りながら、不法投棄に加担した共犯者は、自ら範を示すことはできないのかもしれません。

沼田土建の“優良)工事表彰記事。

沼田土建の表彰工事現場。

沼田土建の表彰現場の上層路盤材に有害スラグ。こちらは、この後、舗装で蓋をされてしまった。

 この他にも中之条地区で、未だに佐藤建設工業の建設資材を使用し、佐藤との緊密な関係を示し続ける高山林業なる業者名も当会に報告されています。佐藤の白いスラグ運搬車が走り回ると、地域住民は不安で恐くてたまらないのです。


相変わらず池下工業の工事現場に得体の知れない資材を搬入しまくっている佐藤建設工業の白のスラグ運搬車。

■またしても、スラグ運搬車が我が物顔で走り回っています。地域住民は、「今度は何が混ざっているのだろうか?」と不安でなりません。このまま何もペナルティを科さずに、なぜ佐藤に建設資材を入れさせ続けるのか?国土交通省はなぜ佐藤をかばうのでしょうか?

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項つづく】
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