市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

NOSAIぐんま(群馬県農業共済組合)の建物共済にかかる任意加入奨励金や推進会議費の不透明性

2017-11-10 23:02:00 | 県内の税金無駄使い実態

■先日、筆者宅に夕方午後5時20分ごろ群馬県建物共済の件で、群馬県農業共済組合(組合長理事・清水聖義)の高崎支所の大澤職員(電話0273442187)から電話があり、「畑30アールに主にどんな野菜を作っていますか」という質問があり、たまたま在宅していた筆者は、「ゴボウです。そのほかアスパラガスなども作っています」と回答しました。どうやら、共済の申込用紙の記入欄に不備があり、勝手に代筆するわけにはゆかず、実際に電話で本人から確認をとるために問い合わせてきたもののようです。

建物共済「住まいる」火災/総合カタログ表紙。

 群馬県農業共済組合は、通称NOSAIぐんまと呼ばれ、筆者の済む安中市北野殿地区では、自治会で推進委員として、共済手続の担当者を毎年住民から選んでいます。建物共済については、どの世帯も長年にわたり継続して契約しており、毎年継続手続きをする際に、推進委員が各世帯を回り、申込用紙を回収しています。以前は共済掛金を現金で集金していましたが、現在は口座振り込みとなっています。そのため、申込用紙に記入して推進委員が集めることになっています。平日の昼間に回収するため、申込用紙には家族が記入してその場で推進委員に手渡しています。


加入申込書記入例。JPEG ⇒ 201711101_kinyuurei_omote.jpg
201711102_kinyuurei_ura.jpg

 そのため、申込用紙に記入の間違いはないはずだと考えていましたが、今回、NOSAIぐんま高崎支所から、問い合わせを受けたのを機会に、いつも疑問に思っていたことを聞きいてみることにしました。

 それは、建物共済の集金業務をしている推進委員への報奨金のことです。なぜなら筆者は、みどり市大間々町13区における郵便局の簡易保険の加入手続きを区が代行していて、その対価として報奨金が郵政省(現・JP)から支払われていたのに、その一部を区の幹部が横領していた事件のことを知っているため、共済の場合も報奨金が支払われているはずなのでは?と考えていたからです。

■そこでNOSAIぐんま高崎支所の担当職員に「北野殿地区ではいくら共済掛け金の契約金が集まり、それに対して、いくらの報奨金が支払われているのですか」と質問を投げかけたわけです。すると、「少し時間をください」と言われたので、しばらく待っていたところ、同日の午後5時40分ごろ、農済高崎支所の千明職員から電話がありました。

 同職員にあらためて質問したところ、「奨励金は地区役員に支払われていが、誰にいくら支払っているのかについては、個人所得の申告にも関わり個人情報に当たるので教えられない」というのです。北野殿地区では農事関連の担当を推進委員として毎年選出していますが、共済の奨励金については誰も情報を持っていません。そこで、「こうした公益的な制度でどのように掛け金の流れが動いているのか、組合員として知る権利があるので、組合に情報開示をお願いするのは妥当性があるのでは」と重ねてお願いしましたが、埒が空きませんでした。

 そこでやむなく「一般的な話としてお聞きしたいのですが」と持ち掛けました。すると同職員によれば、「建物共済の件で、奨励金として、加入金1万円あたり0.8円が支払われて集金担当の地区役員に支払われている」というのです。農業災害補償法に基づく公的制度であることから、筆者は「地区役員」に支払われているのであれば、当然、区の収入になるはずだと思いました。

 ところが、NOSAIぐんまの職員によれば「支払先の地区役員の氏名については、個人情報なので、教えられない」というのです。ということは、地区役員ではなく、個人の所得になっていることになります。

■千明職員は、分かりやすく説明するために「例えば、地区役員が契約した加入金合計が8000万円の場合、毎年継続していると、掛け金1万円あたり奨励金は0.8円となります。これが前年8000万円で、今年7000万円に契約額が減少した場合にも、同じレートが適用されるので、その場合の奨励金は7000万円×0.8円=5600円となります。反対に昨年8000万円で今年9000万円の契約を得た場合には、新規増額分に対して1万円当たり2円となります。この場合、8000万円×0.8円+1000万円×2円=6400円+2000円=8400円が奨励金として支払われることになります」のだそうです。

 同職員によれば、こうした質問をしてきたのは記憶になく、今回、筆者からの質問が初めてだそうです。

■そこであらためてNOSAI制度について、ネット等で調べてみました。すると、NOSAIぐんまのホームページは、他の先進的なNOSAI組織と比べると次の点で、情報公開の面で劣っていることが明らかになりました。

 今回の質問事項であった「奨励金(報奨金ではなく、こう呼ばれる)」について、たとえば、NOSAI魚沼(新潟県)やNOSAI中播(兵庫県)のホームページを見ると、きちんと公表しています。

*****NOSAI魚沼「Q&A」*****
https://www.nosai-uonuma.or.jp/faq/faq_kai_15.html
Q:集落のNOSAI部長に就任しましたが、年報酬はいくらになりますか。また、任意共済加入奨励金とは何の報酬で、いつごろに支払われますか。
A:NOSAI部長の年報酬及び費用弁償は下記のとおりです。
 また、任意共済加入奨励金とは、建物・農機具共済の加入実績に基づく、取りまとめ手数料です。
(1)報  酬(毎年12月支払い)
 年報酬7,500円及び戸数割300円(広報紙配布部数を加味します)
※年報酬は報酬・賃金として合計支払額に対して3%の所得税がかかります。
(2)費用弁償
 ア 会議旅費等(開催の都度随時支払い)
   会議出席の都度、費用弁償3,000円(部長協議会:3,000円)
 イ 損害評価日当(出動があった年の年報酬と同時に支払い)
 水稲及び大豆の損害評価に出動した場合、日当9,600円(半日当4,800円)
(3)任意共済加入奨励金(前年度分実績を毎年4月支払い)
 建物・農機具共済の加入取りまとめをしていただいた加入補償額に応じて、奨励金を補償額1,000万円当たり継続400円、増額新規1,800円をお支払します。
※任意共済加入奨励金は報酬として、合計支払額が120,000円を超えた部分に10%の所得税がかかります。

*****NOSAI魚沼「Q&A集」*****
https://www.nosai-uonuma.or.jp/faq/faq_kai_16.html
Q:NOSAIでは、毎年5月に「総代会」を開いているようですが、事業運営上の重要事項を決めると聞いています。具体的にはどのようなことを協議し、決めているのでしょうか。
A:組合の最高意思決定機関として「総会」があります。しかし、多数の組合員が出席するのは難しいため、実質的な組合の最高意思決定機関として総代会を設けています。
 組合役員は、毎事業年度最低1回はこの総代会を開催することとなっており、特に毎年5月頃に行われる総代会のことを「通常総代会」と言います。
 総代は、組合員の中から選挙によって選ばれた者によって構成され、通常総代会では、昨年度の決算や剰余金処分案(不足金処理案)、本年度の事業計画や予算案などの重要事項が審議されます。また、必要に応じて定款や共済規程の変更などの重要事項を審議することもあります。
 なお、通常総代会以外に臨時総代会が必要に応じて招集され、審議が行われます。

*****NOSAI中播「例規集」*****
http://www.nosai-chuban.jp/reiki/index.html
第8篇 任意共済「建物農機具共済事業奨励措置に関する要綱(PDF:115KB)」
http://www.nosai-chuban.jp/reiki/pdf/08/youkou03.pdf
                     中播建物農機具共済推進協議会
中播建物農機具共済事業奨励措置に関する要綱(平成20年6月13日要綱1号)
(目的)
第1条 この要綱は、建物農機具共済事業の加入推進者に対して奨励措置を講じることにより、事業の円滑な運営と効果的な加入推進を図るための建物農機具共済事業奨励金(以下「奨励金」という。)及び建物農機具共済加入推進会議費(以下「推進会議費」という。)の交付に関して必要な事項を定めることを目的とする。
(交付の対象者)
第2条 交付の対象者(以下「対象者」という。)は、推進委員とする。
2 前項に規定する推進委員とは、中播建物農機具共済推進協議会会則(平成2年7月 23 日制定)第9条の推進委員をいう。
(算定方法)
第3条 奨励金及び推進会議費は、別表第1及び別表第2の方法により算定する。
(交付の時期及び方法)
第4条 奨励金については、毎年当該年度の地区ごとの共済掛金確定後、当該地区の対象者に対して口座振込等の方法をもって交付する。
2 推進会議費については、原則として推進会議の際に対象者に対して交付する。ただし、推進会議の際に交付できない事由がある場合はこの限りでない。
(経費)
第5条 奨励金の経費については兵庫県農業共済組合連合会からの推進員手当を、推進会議費の経費については事業奨励費をもって充てる。
(その他)
第6条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は事務局長が別に定める。

附則
1 この要綱は、平成20年7月1 から施行する。
2 第4条第1項の規定は、平成20年4月1日以降に建物農機具共済に加入した者について適用する。
3 第4条第2項の規定は、平成19年4月1日以降に建物共済に加入した者について適用する。

<別表第1(第3条奨励金関係)>
 区分 /  算定根拠  /  備考
●建物共済/共済掛金の14%/校区代表の申出があった場合4%相当分を校区分として交付する。
●建物共済(加算分)/共済掛金の2%/当該年度共済掛金が前年度共済掛金を上回った場合のみ当該対象者に交付する。
●農機具共済/共済掛金の10%
<別表第2(第3条推進会議費関係)>
  区分 /      算定根拠      / 交付額
●建物共済/前年度加入実戸数1戸以上9戸以下/10,000円
●建物共済/前年度加入実戸数10戸以上49戸以下/13,000円
●建物共済/前年度加入実戸数50戸以上99戸以下/16,000円
●建物共済/前年度加入実戸数100戸以上    /20,000円
**********

■以上の情報から、どうやらそれぞれのNOSAIごとに、建物共済のような任意加入共済にかかる加入奨励金の支払いレートは異なるようです。

 まとめてみると、次の通りです。

NOSAIぐんま  継続の場合:共済加入金額1万円に対して0.8円(共済掛金換算で約8.8%)
          新規の場合:共済新規金額1万円に対して2.0円(共済掛金換算で約3.5%)

NOSAI魚沼   継続の場合:共済加入金額1万円に対して0.4円(共済掛金換算で約4.4%)
          新規の場合:共済新規金額1万円に対して1.8円(共済掛金換算で約3.2%)

NOSAI中播   継続の場合:共済掛金の14%
          新規の場合:共済掛金の2%(前年度を上回った場合に一律)

 こうして比べてみると、NOSAIぐんまの場合、任意共済加入奨励金の支払いレートはNOSAI魚沼よりも遥かに上回り、非常に気前が良いことが分かります。とりわけ、新規加入の場合には、NOSAI中播をも上回り、新規共済加入者の獲得に注力していることが分かります。

■しかしそれ以上に次の疑問がわきます。

1.なぜ各地のNOSAI組織ごとに、加入奨励金や推進会議費の取扱いが異なるのか?

2.NOSAIぐんまは、推進委員のほかにも、校区分に奨励金を交付しているのだろうか。

3.なぜNOSAIぐんまは、ホームページに例規集はおろか、加入奨励金や、推進会議費についての情報を記載しないのか?

4.なぜNOSAIは、任意加入である建物共済の場合でも推進委員を通じてのみしか、申し込みの受付をしないのか?そもそも、ネット申し込みを受け付けているNOSAI組織はあるのか?(口座振込みで継続の場合には、推進委員の介在の必要性はないはず)


 とりあえず、上記の疑問について、NOSAIぐんまのHP上から問合せてみました。しかし、問合せ事項を送信したあと、次のメッセージが表示されました。

「貴重なご意見をありがとうございました。ぜひまたNOSAI制度、団体に関するお問い合わせ、当ホームページへのご意見・ご感想などをお寄せください。なお個別の回答は行っておりませんのでご了承ください。」

 結果は追って報告します。

【ひらく会情報部】

※参考情報:「NOSAIぐんま」
**********同HPより ⇒ http://www.nosai-gunma.or.jp/
<事業案内>
 水稲・麦、家畜、果樹、大豆・蚕繭などの農畜産物から、園芸施設や建物などの大切な財産まで、広く農業災害を補償する事業を実施しています。
 また、損害防止事業や無事戻し制度など、農業経営の安定にも役立っています。
  農作物共済
  家畜共済
  果樹共済
  畑作物(大豆)共済
  畑作物(蚕繭)共済
  園芸施設共済
  建物共済
<ご存じですか?NOSAI制度>
 農業は緑土水を守り 豊な食糧を供給する産業です
 わたくしたち農業共済はみずからの知と技を磨き
 信頼の絆によって損害の防止と補てんに努め
 日本農業の発展とうるおいのある社会づくりに貢献します
=農業共済の特徴=
● 事業実施が法律(農業災害補償法)で義務付けられています。
農業は自然条件に依存し、不可抗力的な災害で大きな損害を受けやすいことから、国の災害対策の一環として政策的観点から作られた制度です。
● 国の政策保険として必ず加入しなければならない事業があります。
農業共済制度が広く普及するように、さらに一般保険では成立しがたい事業のため、多数の農家の加入が必要で、危険分散を図るという目的からも、農作物共済(水稲・陸稲・麦耕作者)では当然加入の制度を設けています。
● 共済掛金や運営に必要な経費に大幅な国の負担があります。
建物共済を除き、農家が負担する共済掛金とほぼ同額と、事業を運営するための必要経費について、国が財政負担しています。
● 補償の対象となる事故は、原則として全ての自然災害となっています。
農業災害は予知しにくい上に広範囲に発生しやすい特徴があることから、原則として全ての自然災害を補償の対象にしています。このほか、病虫害、鳥獣害も含まれています。詳しくは「NOSAI制度を利用しよう」をご覧ください。
● 損害防止活動を積極的に実施していきます。
農業災害に対する損失の補償という本来の機能の他に、すべての事業で、損害防止活動を積極的に推進し、地域の農業振興に寄与していきます。
=NOSAIの機構図=

<NOSAIぐんまはこんなとこ>
群馬県農業共済組合
=沿革=
昭和22(1947)年12月15日の農業災害補償法施行によって、翌23年5月15日に群馬県農業共済保険組合として発足、昭和24年6月8日法律201号による農業災害補償法の一部改正により、名称を群馬県農業共済組合連合会と改める。
その後、組織再編整備計画に基づき、平成22年4月1日県内全域を管内とする群馬県農業共済組合となる。
=業務内容=
農業災害補償法に基づき、農作物共済、家畜共済、果樹共済、畑作物(大豆・蚕繭)共済、園芸施設共済、建物共済の7事業を実施し、地域農業の経営安定と農業生産の発展に寄与しています。
=業務体制=
総務部(総務課・経理課)、事業部(事業一課・事業二課・家畜診療所(3診療所))、総合対策室及び11支所(4グループ)の2部4課1室3診療所11支所の業務体制をとっています。
<県内のNOSAIネットワーク>

<NOSAI制度を活用しよう>
NOSAI7つの事業
 水稲・麦、家畜、果樹、大豆、蚕繭などの農畜産物から、園芸施設や建物などの大切な財産まで、広く農業災害を補償する事業を実施しています。
また、損害防止事業や無事戻し制度など、農業経営の安定にも役立っています。
=農作物共済 (PDF)=
対象は、水稲、麦です。風水害をはじめとするあらゆる自然災害や病虫害、鳥獣害、火災により、収量が減収したときに共済金を支払います。
=家畜共済(乳牛・肉牛) (PDF)  家畜共済(種豚・肉豚) (PDF)=
対象は、乳牛の雌等、肉用牛等、一般馬、種豚、肉豚、種雄牛です。
家畜が死亡したり、ケガや病気で診療を受けたり、廃用になったときに共済金を支払います。
=果樹共済 (PDF)=
対象は、りんご、ぶどう、なしです。自然災害や病虫害などにより減収したときに共済金を支払います。
=畑作物(大豆)共済 (PDF)=
対象は、大豆です。風水害をはじめとするあらゆる自然災害や病虫害、鳥獣害、火災により減収したときに共済金を支払います。
=畑作物(蚕繭)共済 (PDF)=
蚕や桑が自然災害や病虫害などで被害を受け、繭が減収したときに共済金を支払います。
=園芸施設共済 (PDF)=
対象は、ビニールハウスやガラス室などの施設および暖房などの附帯施設や栽培されている農作物です。風水害をはじめとするあらゆる自然災害により施設等や、施設内の農作物に被害があったときに共済金を支払います。
=建物共済(平成29年8月1日以前の契約) (PDF)  建物共済(平成29年8月1日以降の契約) (PDF)=
対象は、住宅をはじめ物置・畜舎などの建物と、その中に収容されている家具類、農機具です。 火災などで共済金を支払う火災共済と、火災の他に自然災害で共済金を支払う総合共済があります。
<NOSAIデータバンク>
建物共済引受実績↓

建物共済支払実績↓

建物共済被害棟数表↓

火災事故の内訳↓

建物共済 PDF ⇒ nosai_databank_nosaigunma_tatemonokyosai.pdf
(当会注:かなりの剰余金が生じていることがうかがえる。そのため毎年積立金が2億円近く積み増しされている。)

**********NOSAI全国HPより ⇒ http://www.nosai.or.jp/nosai_kasou/nosai_page01.html
NOSAIとは
<農業災害補償法とNOSAI制度>
=農業災害補償法第1条=
 農業災害補償は、農業者が不慮の事故によって受けることのある損失を補填(ほてん)して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的とする。
(昭和22年12月15日制定)
=NOSAI制度の概要=
 現在のNOSAI制度は戦前の家畜保険(昭和4年制定)と農業保険(昭和13年制定)とを統合して、昭和22年制定の農業災害補償法の下に、農地改革によって創出された自作農民の経営を支えるための主要な災害対策として、再スタートした制度です。
 NOSAI制度(農業共済制度)は、農家が掛金を出し合って共同準備財産をつくり、災害が発生したときに共済金の支払いを受けて農業経営を守るという、農家の相互扶助を基本とした「共済保険」の制度です。
 特に、農業はほかの産業と違い自然条件に依存することが大きいこと、農業災害は予期しないときに、場合によってはきわめて広範囲に発生するという特性があることなどから、国も一緒になって運営しています。
 NOSAI制度は、発足以来、幾多の改善・拡充がおこなわれ、今では主要な作目のほとんどが制度の対象になっています。
 制度の主要な役割である損害補償の面では、たとえば平成5年度の大冷害では、水稲の支払い共済金は約4400億円にものぼり、農業経営の再建、農家経営の安定に大きく貢献しました。
 また、NOSAI制度のもとで農業共済団体は、損害補償の事前手段として各種の損害防止支援活動を活発におこない、また、被害の未然防止に努めるなど、地域農業を支えています。
=NOSAI事業の主な特色=
●全国どこの農村でも実施されている制度です
 農業は自然条件に依存し、不可抗力的な災害による大きな損害を受けやすいことから、国の災害対策の一環として政策的な視点からつくられた制度ですので、基本的には、全国どこの農村でももれなく実施されています。
●補償対象の事故は原則としてすべての自然災害等不可抗力的災害となっています
 農作物にとって最も被害を受けやすいのは、風水害、干害、冷害など気象災害によるものです。NOSAI制度では、地震を含めてすべての自然災害が対象になっています。このほか病虫害、鳥獣害や火災も補償対象となっており、基本的にはオールリスク制の保険です。家畜については死亡・廃用の他、病気・けが等の治療費も対象としています。
●国は共済掛金や事務費を国庫負担するとともに、再保険を実施するなどのバックアップをしています
 国は、農家が負担すべき共済掛金の一部とNOSAI団体が事業を運営するための主な経費について、財政負担をしています(建物共済など任意共済以外)。 また、大きな被害が生じた際、全国的な危険分散を図るため、再保険も担っています。
●損害防止支援活動を積極的に展開しています
 NOSAI団体では、農業災害に対する損失の補てんという本来の業務のほか、損害防止支援活動を積極的に展開し、地域農業の振興に寄与しています。

**********
■なお、農共済と紛らわしいものとして、JA共済があります。こちらは農林水産省が監督省庁をつとめる非営利団体事業で、「農協の保険」として信頼があり、現在いくつもの共済商品を取り扱っています。そのキャッチフレーズは「JA共済はひと・いえ・くるまをサポートしてくれる共済」で、「ひと・いえ・くるまの総合保障」を提供しています。ここでは簡単に、各種類について見ていきます。
《JA共済の実績》
「ひと」の保障(生命総合共済)
「いえ」の保障(建物更生共済)
「くるま」の保障(自動車共済)

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コメント
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