市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

若宮苑不正給付事件…高崎市の文書不存在通知に対して当会会員が出した審査請求書を市の窓口が一時門前払い

2017-11-11 00:15:00 | 高崎市の行政問題
■審査請求は住民に与えられた権利であり、処分庁または不作為庁以外の行政庁に対する不服申立のことです。その手続きについては行政不服審査法に定めがあります。原則として、審査請求は処分庁の直近上級行政庁に対して行われます。なぜなら、処分や不作為に直接の関連をもたない行政庁が裁断するので、公平性が高いと言われるからです。また、第三者機関が審査をすべき行政庁(審査庁)として特に定められている場合もあり、そうした場合には公平中立な裁断が期待できる、とされています。今回、当会会員が、この権利を行使しようと高崎市役所1階の市民センターを訪れて審査請求書を提出しようとしたところ、受付担当職員に一旦受理を拒否されたとして、当会にその顛末についての報告がありました。

高崎市役所1階案内図。

 報告によれば、当会会員は2017年10月19日付けで高崎市長に行政文書として「介護保険に係る苦情対応に関する件。①高崎市では、利用者やその家族から苦情や相談を受けた場合、事実関係を確認し、必要に応じて県や国民健康保険団体連合会と連携しながら、解決に向けて対応していただけるのかが分かる情報」の開示請求をしました。すると同11月2日付で行政文書不存在通知書が送られてきました。
※2017年11月2日付、高崎市長からの行政文書不存在通知書: PDF ⇒ 20191102_gyouseibunsho_fusonzai_tuuchisho.pdf

 そのため、当会会員は、行政文書不存在通知の教示に従って、本日11月10日に審査請求書を高崎市役所に提出しようとしました。

 ところが市役所の1階ロビーにある市民センターの窓口担当のオノ職員は、事もあろうに、「5」に記載した「審査請求の理由」の内容について、「補正をして下さい」と言ってきたのです。ちなみに、「5. 審査請求の理由」は次の通りです。

*****審査請求の理由*****
(1)介護保僚に係る苦情対応に関する件。
 ①高崎市では、利用者やその家族から苦情や相談を受けた場合、事実関係を確認し、必要に応じて県や国民健康保険団体連合会と連携しながら、解決に向けて対応していただけるのかが分かる情報(以下「本件情報j という。)について、高崎市長は、『公開請求に係る情報が記載されている文書が存在しないため。』を理由に挙げ、行政文書不存在通知処分としている。
(2)しかしながら、公開請求に係る情報が記載されている文書は次の通り存在しているのである。
(3)高崎市・高齢者安心プラン ~高崎市高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画~ 95頁
 ⑥苦情等解決体制の充実
 ○市では、利用者やその家族から苦情や相談を受け付けた場合、事実関係を確認し、必要に応じて県や国民健康保険団体連合会と連携しながら、解決に向けて対応しています。
(4)記述のとおり、本件情報が記載されている文書は存在しているにも拘わらずに、高崎市長は、『公開請求に係る情報が記載されている文書が存在しないため。』を理由に挙げ、行政文書不存在通知処分としているのである。
(5)こんなザマだから、利用者やその家族から苦情や相談を受け付けた場合でも、偽造ケアプランを作成した若宮苑を庇い続け、一向に解決に向けて対応しないから訴訟提起されるのである。
(6)高崎市長は、若宮苑に係る偽造ケアプランの相談を受け付けているのだから、高齢者安心プランに基づき県や国民健康保険団体連合会と連携しながら、解決に向けて対応するべきである。
(7)高崎市長は、「2」に記載した処分を取り消し、本件情報を公開しなければならない。
**********

■オノ職員が示した補正の内容は次の3件です。

●補正指示その1
 開示請求において行政文書不存在通知処分としているのだから、「存在しないものは、存在しません。」ので、「何を求めても公開しない」ので、補正して下さい。

●補正指示その2
 (5)の「こんなザマだから、利用者やその家族から・・(略)・・訴訟提起されるのである。」と(6)の「高崎市長は、若宮苑に係る偽造ケアプラン・・(略)・・解決に向けて対応すべきである。」については、不存在通知書とは無関係だから担当部署から補正がかかる以前に、この場で補正して下さい。

●補正指示その3
 その他に記載した(1)~(4)は、審査請求の理由になっておらず、不存在通知処分とは、全く無関係だから、消してください。

 その上で、同職員は「補正に従わない場合は、受け付けません」と言い放ちました。

■当会会員は、オノ職員の突然の補正指示について、説明しても時間のムダと悟り、審査請求書を受理しようとしない市民センターをあとにして、職員課の渋沢課長及び新井総務部長を訪ねて、一部始終を説明しました。

 そして、当会会員は職員課の渋沢課長とともに市民センターを訪ねて窓口の担当職員にあらためて審査請求書を提出したところ、今度はようやく受理させることができました。ようやく受理された審査請求書は次の通りです。
※2017年11月10日付、高崎市長あて審査請求書: PDF ⇒ 20191110_sinsa_seikyuusho.pdf

 ちなみに、審査請求書のうち、「審査請求の理由」の(3)に記した「高崎市・高齢者安心プラン ~高崎市高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画~ 95頁」は、高崎市のホームページに掲載されてある情報です。
※参考URL:高崎市高齢者安心プラン~高崎市高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画~平成27年度~平成29年度(2015 年度~2017 年度)↓
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014011700659/files/koureisya_anshin_plan.pdf

 高崎市は2週間をかけても、この情報に気づかないはずはありません。それにもかかわらず不存在通知をよこしたのは、あきらかに怠慢と言わざるを得ません。

 なおこの日、当会会員は、確実に審査請求によって市の主張が覆ると思われる事案を20通ほど提出しました。おそらく市民センターの窓口担当のオノ職員は「ここで受理してしまうと、担当部署に迷惑がかかったり、クレームが寄せられたりするかもしれない」と感じて、自らの権限を越えた判断をしてしまったのかもしれません。しかし、そのような判断を市民センターの受付の職員が勝手にしてはならないはずです。

■当会会員はこうして、オンブズマンとして行政の指南役を果たしたわけですが、今後も同じような懸念が払しょくされたわけではないため、再発防止に資するようにと、当会事務局に報告したものです。

 引続き当会として、高崎市民にひらかれた市政の実現に向けて支援していく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (3)
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