市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…アカハラ隠蔽を受け継ぐ山崎現校長の弁護士費用不開示に審査請求

2017-11-17 22:26:00 | 群馬高専アカハラ問題
■来る11月24日(金)は、群馬高専において西尾・前校長当時、電子情報工学科を舞台に起きた陰湿なアカハラ事件に関する情報不開示取消訴訟の判決言渡しが東京地裁522法廷で行われることになっています。この裁判で、群馬高専が機構の名義で、弁護士費用を負担していることが機構への情報開示の過程で判明しました。そのため、当会では、機構(実質は群馬高専)に対して弁護士費用の詳細について、2017年10月11日に法人文書開示請求を提出しました。すると、11月10日付で一部開示と言いながらほぼ全面不開示同然の通知が11月16日に届きました。

本日11月17日に国立高専機構宛てに簡易書留で郵送した審査請求書の書留・特定記録郵便物等受領証。

 この不開示処分(開示決定についても不開示部分が多々あり実質的には不開示処分も同然)の決定は、名義人である国立高専機構ではなく、実際の当事者である実施機関の群馬高専によって為されています。このことは、群馬高専の現体制も、依然として自らの不祥事から端を発したアカハラ問題について、依然として情報非公開にこだわり続けていることを意味します。

 今回の弁護士費用に掛かる情報不開示決定処分について、群馬高専は本当にきちんと上級庁の機構に相談して判断したのでしょうか。ちなみに判断の根拠になるのは次の法律です。
※独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=413AC0000000140&openerCode=1

 あるいは現在、アカハラ事件に係る情報不開示訴訟で、訴訟代理人として任用している藍澤弁護士からアドバイスを受けたのでしょうか。もし法律の専門家を標榜する弁護士のアドバイスを受けたとしても、とんでもない判断をしたものです。

■なぜなら、任用した弁護士の報酬情報については、すでに開示が妥当とする答申例がいくつも存在するからです。例えば次のような答申があります。

●諮問庁:法務大臣
 諮問日:平成14年11月29日(平成14年(行情)諮問第506号)
 答申日:平成15年4月21日(平成15年度(行情)答申第41号
 事件名:特定訴訟に係る国側訴訟代理人弁護士と国との間の訴訟代理等に関する文書の不開示決定に関する件
http://koukai-hogo-db.soumu.go.jp/reportBody/578

●諮問庁:国民生活金融公庫
 諮問日:平成15年2月24日(平成15年(独情)諮問第8号)
 答申日:平成15年9月3日(平成15年度(独情)答申第16号
 事件名:東京都地方労働委員会係属事件に係る弁護士費用及び会議費の支出に関する文書の一部開示決定に関する件
http://koukai-hogo-db.soumu.go.jp/reportBody/794

 答申例が長ければ、総務省がまとめた「法の運用解釈pdf」に目を通せば一目瞭然です。
●総務省の運用解釈pdf
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/jyohokokai/pdf/040928_k_5.pdf

 今回の不開示処分は過去の答申までも無視するものであり、山崎現校長の思考回路が理解できません。今年6月の当会との面談に応じた際に山崎現校長がみせた改革意欲はいったいどこにいってしまったのでしょうか。

 と言うよりは、もはや正当性など二の次で、我々オンブズマンに少しでも多く負担をかけて、時間稼ぎをしようとした西尾前校長の官僚的思考に染まってしまい、情報隠蔽を最優先するという意図を隠そうとしなくなってきたことがうかがえます。

 オンブズマンが何か言えば条件反射的に全面拒否をしてくる有様では、手の付けようがありません。というより、弁護士費用というアカハラとは直接関係のない今回のような些事にすらこの有様なので、西尾校長時代より悪化している気さえいたします。

 そのためここに、市民オンブズマン群馬として、次のことを声高らかに宣言いたします。

 群馬高専のアカハラ体質・隠蔽体質は一切変わっていない!

■そこでさっそく、今回の不開示処分に関する審査請求書を次の通り作成し、本日2017年11月17日付で、簡易書留で機構本部の総務課宛てに提出しました。

*****審査請求書*****PDF ⇒ 20171117mpr.pdf
            審査請求書
                    平成29年11月17日
独立行政法人国立高等専門学校機構 様
                  審査請求人
                   郵便番号  371-0801
                   住  所  群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                   氏  名  市民オンブズマン群馬
                         代表 小川 賢 (65歳)
                   連 絡 先  TEL:027-224-8567
                         事務局長 鈴木 庸(65歳)

 行政不服審査法の規定に基づき、次のとおり法人文書開示決定の不開示部分に対して審査請求を行います。

1. 審査請求に係る処分:
 審査請求人は平成29年10月11日付けで、独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」という)に対して、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という)第4条第1項の規定に基づき、次の法人文書の開示を請求しました。

審査請求人と機構との間で係争中の法人文書不開示処分取消請求事件について、機構が被告代理人として選任した弁護士の所属する法律事務所との委任契約に関する以下の文書。
・機構の会計歳出のうちどの部分から弁護士費用が捻出されているのかに関わる情報。
・機構の予算内から当該法律事務所に対してこれまでに支払われた、および支払われる予定の報酬等(着手金・日当・交通費等の一切)の総額およびその内訳が把握可能な全ての情報。
・機構と当該法律事務所との間に結ばれた契約内容のうち、報酬等に関わる部分。


 これに対して機構が行った以下の処分1および2(また、処分1および2をまとめて「本件処分」という)。

(処分1)機構が審査請求人に対して平成29年11月10日付(群高専総総第212-1号)で行った、法人文書(平成28年度支払決議書)開示決定処分のうち不開示とした次の部分。

不開示部分2:起票部署、摘要のうち内訳に該当する部分、決裁欄および印影、支払決議書番号、支払管理番号、品名/件名のうち内訳に該当する部分、支払元口座

不開示部分3:相手先、支払先口座、合計金額、支払金額、消費税額、配分金額

(処分2)機構が審査請求人に対して同日付(群高専総総第212-2号)で行った以下の法人文書不開示決定処分。

不開示決定文書:委任契約書


2.審査請求に係る処分があったことを知った年月日:平成29年11月16日

3.審査請求の趣旨:
 本件処分は、係る請求先情報の性質を鑑みて著しく不当なものであり、また開示を認める答申例もすでにいくつか存在するため、その即時取消しを求めます。

4. 審査請求の理由:
(1)審査請求人は日本国民として法人文書の開示を求める権利を有しています。
(2)機構は、法第5条に基づく開示義務を有します。
(3)処分1の不開示部分2のうち、印影や口座番号等情報を除いた箇所(起票部署、摘要のうち内訳に該当する部分、支払決議書番号、支払管理番号、品名/件名のうち内訳に該当する部分)は、公開することによって、悪用されたり、入札や契約に影響を与えたり、また業務を委縮させることは考えられない(というより、不可能である)ため、機構の事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは到底認められません。よって法5条第4号に該当するとはいえず、不開示処分は明らかに不当なものです。
(4)処分1の不開示部分3および処分2について、公的機関が選任した弁護士費用に関する情報(算定にあたって考慮された事項等を除く)については、すでに開示が妥当とする審査会による答申例がすでにいくつか存在します(平成15年度(行情)答申第41号、平成15年度(独情)答申第16号など)。これらの答申例における諮問庁は、機構が本件処分に関して挙げたものと酷似した不開示事由を挙げており、かつそれらは答申によってことごとく否定されていることから、本件処分が著しく不当なものであることは、機構の主張を改めて検討するまでもなく自明で、直ちに開示とすることが妥当であると考えられます。
(参考:平成15年度(行情)答申第41号より一部引用)
   選任弁護士に関わる報酬額については、当該訴訟の難易度、行政に及ぼす影響、当該弁護士の実績、専門性等に対する委任者としての国の認識、評価が反映されている側面は否定できないところであるものの、本件対象文書の場合、算定に当たって考慮された事項等は一切含まれておらず、これが公にされたとしても、直ちに、国と当該弁護士の信頼関係が損なわれるという蓋然性はないものと認められるものである。
   したがって、選任弁護士に関する報酬額を公にした場合、諮問庁の事務の性質上、契約又は争訟に係る事務に関し、国の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあるとは認められず、本件対象文書は法5条6号ロの不開示情報には該当しない。

(5)弁護士費用に係る情報の不開示処分の不当性の証明は上記(4)で十分とも考えられますが、付け加えれば、法の解釈・運用において、法5条4号に規定される「争訟に係る事務」とは、現在提起され又は提起されることが想定されている争訟についての対処方針の策定や、そのために必要な事実調査などその追行に関する事務を指すものです。弁護士任用の一般的な費用体系(契約時に着手金、出廷時に日当及び交通費、係争終結時に報酬)を考えても、費用からそれらに関する詳細な情報を類推することは不可能であり、まして機構や当該弁護士の利益を害することはありません。
(6)加えて、当該弁護士事務所については、費用に関わる規定・一覧表・ガイドライン等を公開しておらず、また一般向けのホームページ等も持っていないため、運営が非常に不透明です。また所属弁護士は機構の不正経理に関わる調査チームの委員を務め、他にも機構の関わる争訟においてしばしば代理人として起用されている過去があり、機構とは懇意にしていることが伺えます。そして、機構による所属弁護士の任用が随意契約によりなされていること、また弁護士報酬については各弁護士事務所の裁量で自由に決めてよいことを加味すると、機構による所属弁護士への報酬等金額が明らかに相場値とかけ離れているといった事態も十分に危惧されうるものです。多額の税金が投入されている機構の予算から、こうした浪費が行われていないかを確認する意味でも、かかる情報の開示は妥当で、公益に資するものです。
(7)以上により、本件処分は明らかに不当なものであることが認められるため、その取り消しを求めます。

5.処分庁の教示の有無及びその内容:
 平成29年11月10日付の法人文書開示決定通知書(群高専総総第212-1号)および法人文書不開示決定通知書(群高専総総第212-2号)により、「この決定に不服があるときは、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定に基づき、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構に対して審査請求をすることができます(なお、決定があったことを知った日から起算して3か月以内であっても、決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には審査請求をすることができなくなります。)。また、この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定に基づき、この決定があったことを知った日から6ヶ月以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構を被告として、同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます。(なお、決定があったことを知った日から6か月以内であっても、決定の日から1年を経過した場合には処分の取消の訴えを提起することができなくなります。)」との教示がありました。
                      以 上
********

■学校改革への意欲を期待された山崎現校長ですが、2017年4月の就任後、同6月に当会との面談に応じたものの、アカハラ問題を検証するための情報不開示裁判では一貫して、前校長と同じような姿勢をとり続けています。これでは、せっかく開かれたキャンパスの実現に向けた期待が、完全に打ち砕かれてしまう事態に戻ってしまいます。

 当会では、学生や保護者、そして入学希望者やOBの皆さんが安心してキャンパスで過ごし、自慢できる学内の環境づくりに役立てるよう活動を続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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