■電力業界では、10年ほど前から「スマート(=賢い)」という言葉をよく使うようになりました。事実、筆者が2006年当時、インドの配電網改善計画で6回に亘り現地調査をしたころ、既にインドの電力関係者の間でも「スマートグリッド」なる言葉が使われていました。このスマートグリッドとは「次世代送電網」という意味で、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化するために、専用の機器やソフトウェアが組み込まれた送電網を指しています。さらにそれをもっと展開し、「スマートシティ」なる言葉もその後使われてきています。これはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、つまり、インターネット経由でセンサーと通信機能を持ったモノを使った先端技術で、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市の実現を目指すもので、現在、世界中でプロジェクトが進められています。
こうした中、我々の身近にも、いつのまにか「スマートメーターなるもの」が入り込んでいます。
今年の夏はとりわけ大気の動きが激しく、温暖化の影響を感じさせました。ところで8月10日の落雷で高崎市在住の当会会員宅では、モデムや電話などが損傷を受けてしまいました。その際、会員の自宅の「東電スマートメーター」なるものが壊れ、液晶表示ができなくなったそうです。その後8月21日に、東電職員が会員の自宅にやって来てはじめて、自宅の電力メーターが「スマートメーターなるもの」に知らないうちに交換されていたことを、当会会員は認識しました。
そこで、さっそく「スマートメーター」について、ネットで調べた当会会員は、「電磁波」が問題であることを知ったのでした。
そして、基本的に顧客の知らない内に説明もしないまま、電力会社が「スマートメーターなるもの」に交換したことについて、理不尽に感じた当会会員は、「従来のアナログメーター」に戻して貰いたいと考えました。
さらに翌日の8月22日に、東電の料金グループのクロイワと名乗る男から、電話があり、落雷によって指針データが失われたにも拘らず、「メーター指針データが無い部分の約10日間分は、比例按分して電気代を算出するので、その額を支払って貰いたい」と要求されました。
■これに対して当会会員は、次の2点を主張しました。
(1)私は消費者として悪意を持ってゴマカシタ訳でもなく、データ管理責任及びメーターまでの責任は東電にあるのであるし、何も分からないものを以って、それを按分して電気代を算出する事自体に無理がある。そもそも、スマートメーターは、30分に一度データを送信している事実(この事実は、東電は認めました)があるのであるし、それを放置していた責任は当然に東電側であるから、承服しない。
(2)スマートメーター及びその悪影響について従前に説明されていたら、スマートメーターに交換する事は同意できなかったので、直ちに「アナログメーターへの交換」を求める。
すると東電のクロイワ職員は、電話口で、電気代の支払いについての説明の際に、「あくまでも当方との相談」と言う言葉を使いました。ということは、東電では、このようなメーターのデータが無い場合の「規定が無い」ことを想起させます。
東電の言う「両者の話し合いで済む」のであれば、「他の電気代の支払いに付いても、話し合いで済む場合があり得ることになります。さらに、メーターに関する責任を消費者に求めるのであれば、「メーター交換に関わる費用」も消費者が負うことになります。しかし実際には、メーター交換費用を支払っている一般住宅は皆無だと思います。
結局、東電のクロイワ職員は「上司と相談してまた連絡する」と言い残して電話を切りました。これもまたオカシナ話です。「上司と相談して決まる」というのですから、こうした場合の規定が存在していないことを示唆しています。規定があれば、「規定により、この様な計算になり、請求額が確定します」と、上司と相談などせずに、言えるはずだからです。
■こうした東電のズサンな対応に加えて、当会会員が最も不安に感じているのが、「電磁波被害」です。
上記の「スマートメーターなるもの」に関する報告のとおり、東電のやり口は「ただ単にメーターの取り替え」としただけであって、アナログメーターからスマートメーターへの交換に関する説明について、当会会員の記憶には何もなかったといいます。もしその時に説明を受けていれば、「アナログメーターへの交換」を申し入れたはずだからです。
そして、もし仮にネットでのスマートメーターを巡る電磁波被害の話が真実であれば、これは大変な健康被害をもたらすのではないか、と当会会員は強い懸念を抱いたのでした。
■Wikipediaによれば、スマートメーターの導入に際して、節電などに有効な情報としてきめ細やかなデータ収集が可能である一方、プライバシーの観点で課題があるとの声があるそうです。スマートメーターの標準化を行っているアメリカ国立標準技術研究所よれば、データを欲しがっているのは事業者、電力顧問会社、保険会社、マーケター、司法関係者、民事訴訟人、家主、探偵、報道機関、債権者、そして犯罪者であるとしています。
2015年12月、ウクライナではサイバー攻撃で数万戸の大規模停電が発生しました。このように、収集されたデータが引き金となり、スマートメーターを利用する電気系統は、サイバーテロ攻撃を受ける現実的な危険にさらされるリスクが高まります。スマートメーターに不具合が生じれば、電力やガスの供給が一気に途絶えるおそれがあるからです。
また、スマートメーター自身も通信機能を保有しているため、電磁波による人体への影響として電磁波過敏症を気にする声があります。
米国のスマートメーターは、メーター同士が電波をリレーして通信する方式が普通です。この場合、コンセントレーターに数百台分のメーターのデータが集められるので、そこへ近いメーターほど通信量が増えることになります。そのためメーターの普及率が高いカリフォルニア州を中心に睡眠障害、頭痛、耳鳴りなどの健康被害が訴えられているという報告もあります。
あるアンケート調査では、回答者のほとんどがアナログメーターを望み、その設置料金の請求を不当だと回答しました。豪州ではスマートメーターを大々的に導入したビクトリア州の市民から健康被害が訴えられました。
米国のカリフォルニア州やメリーランド州など一部の州ではスマートメーターの設置を拒否することができるオプションを認めており、その場合、アナログメーターへの交換・検針業務などの追加コストが発生するため、消費者側は手数料を支払わねばならないということです。
我が国では2014年3月26日に電磁波問題市民研究会が東電と本社で初めて会談し2015年3月24日、同研究会が質問および要望書を東電社長宛に提出しました。その後、同年10月29日に同研究所は本社で交渉に臨んだ際、同研究所側が「スマートメーターの設置受け入れが需要家の義務ではない」ことの確認を求めたところ、東電側は「設置の理解が得られるように努める」とだけ述べて明確な回答を避けた、という経緯があります。
そのため、日本の電力会社がアナログメーターへの交換に応じるかどうかは結果がまちまちであり、「在庫不足だから」などとデタラメな理由をつけて、スマートメーター普及を推進しているのが実態だということです。
■こうした背景の中、いつの間にか電力メーターを「スマートメーター」と交換されてしまった当会会員は、従来のアナログ型に戻すよう東電に掛け合ってきました。しかし埒が明かないため、先日10月15日付で東京電力パワーグリッド本社代表取締役社長と高崎支社長あてに、次の内容の文書を内容証明付き郵便で送りました。
*****東電あて内容証明郵便*****PDF ⇒ 20181019eds1.pdf
<1/3頁>
東京電力パワーグリッド株式会社
代表取締役社長 金子 禎則 殿
〒100-8560
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社長 須藤 修平 殿
〒370-0828
群馬県高崎市宮本町1の2
平成30年10月15日
用件: アナログメーターへの交換要求
1 当方宅には、現在計4個のメーターがあります。
当方が「スマートメーターと認識しない儘に取り付けられてしまったもの」、及び「交換予定アナログメーター」に付
<2/3頁>
き、全てを「従来型のアナログメーターへの交換を強く求めます。
電磁波問題市民研究会も指摘している通りスマートメーターを原因とする健康被害が強く心配されるからです。
又、本年4月25日の「院内集会」に於いて、経産省とパワーグリッドマネージャーによる「スマートメーターを強制する法律は無い」との発言の事実がある通りです。
ユーザーとして、スマートメーターは「百害あって一利無し」と考えます。
尚、当方はスマートメーターへの交換を拒否し、アナログメーターへの交換を求めているのであり、メーター交換そのものに対して拒否しているのでは無い事を明言します。
2 当方宅のアナログメーター交換に付き、本年9月7日、高崎支社・配電建設グループの高橋女性職員に対し、「アナログメーターへの交換」を求めました。
3 本年8月28日、同・お客様サーピ
<3/3頁>
スグループの福島謙太郎男性職員に対して、当方の知らぬ間に取り付けられてしまったスマートメーターを、「アナログメーターへの交換要求」に対して、何と当方に対して「苦情」なる語を発しました。苦情ではなく要求です。
当該福島職員の特にケシカラン事は、何ら法的拘束力が無いにも拘わらず、「国の方針で決まっているから」などと、恰も法的拘束カが有るが如くの発言を為す事です。
改めてアナログメーターへの交換を強く求めます。
電力契約者
住所:〒370-0875
群馬県高崎市藤塚町217番地3
氏名:齋藤平八郎
この郵便物は平成30年10月19日
第40236・40237号書留内容証明郵便物として差し出されたことを証明します。
日本郵便株式会社
郵便認証司 30.10.19
高崎30.10.19 8-12
**********
■しかし、とっくに東電に配達されているはずですが、いまだに東電からは何も反応がないとのことです。
当会会員からの報告を見て、筆者もさっそく自宅の電力メーターを調べてみました。すると、3年前に8.2kw規模の太陽光発電施設を自宅屋根に設置した際、いつの間にか太陽光発電回路にはスマートメーターが取り付けられていました。一方、従来の自宅の配線回路には従来のアナログ式メーターのままでした。果たしてきちんと売電と買電のデータを認識しているのかどうか、心配になりました。
アナログ式の場合ですと、電気を使っている場合は「アラゴの円盤」が回っているので容易に視認できますが、スマートメーターでは数字がデジタルで表示されるのみです。本当に電気が消費されているのかどうか、数字を信用するしかありません。
さらに心配なのは、スマートメーターには通信機能がついており、電力会社で遠隔操作が可能になるということです。こうなると、先日の九州電力による太陽光発電所からの送電カットのように強制的に電力量の数値をコントロールされかねません。
実際に交換作業を見ていた人の話によれば、現場でタブレット型PCで操作をして、容易に電力を止めていたことから、東電のコントロールセンターから瞬時に遠隔操作できるものと判断できるものとみられます。
なお、電磁波の強弱は簡単に検証可能とのころで、AMラジオ放送を受信中のラジオ本体をスマートメーターに近づければ、電磁波の影響力を肌で感じることができるそうです。筆者もさっそく試してみるつもりです。
■当会会員に東電から回答があったら、当会事務局に連絡してもらう予定です。
【11月5日追記】
その後当会会員から、東電の高崎支社から10月31日付の回答が11月2日に届いたとの連絡がありました。次のとおり事実上の対応拒否回答のため、現在次なる対応策を検討中です。
*****東電高崎支社からの回答*****PDF ⇒ 20181105d.pdf
2018年10月31日
斎藤 平八郎 様
東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社お客さまサービスグループ
いただいたお手紙への回答について
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より当社事業に対し,ご理解およびご協力を賜りまして厚くお礼申し上げます。
このたび,当社代表取締役社長ならびに高崎支社長宛ての「アナログメーターへの交換要求」のお手紙につきまして,下記のとおり回答いたしますので,ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
〇 スマートメーターの設置について
スマートメーターの設置は電力の自由化対応や料金メニューの多様化,社会全体への省エネの寄与等,国の成長戦略の1つに位置付けられており,当社においても国の「エネルギー基本計画」に従い,2020年度までに,当社サービスエリア内の全てのお客さまにスマートメーターを設置すべく,取替を行っております。こうした国の方針やスマートメーターへの移行により,従来型計器の製造が終了となり,新規に調達することが困難であるため,当社においては,従来型計器を提供・設置する予定はありません。
また,電気供給約款(VIII 供給方法および工事 56 計量器等の取付け)では,料金の算定上必要な計量器は当社が選定し,かつ当社の所有とし当社の負担で取付けることを明記しており,お客さまが計量器を選ぶことは出来ません。スマートメーターの設置にご理解いただきますよう,よろしくお願いいたします。
なお,スマートメーター通信時の電磁波につきましては,総務省が示している指針値(電波防護指針)を十分に下回っていることを確認しております。この指針値は国際機関が示すガイドライン値と同等であり,人体に影響を及ぼすことのないよう配慮されていることから,当社は,健康被害が発生する可能性は極めて低いものと考えております。国際機関ならびに総務省の示す内容は以下のとおりです。
・国際機関の示すガイドラインについて
電波のばく露による健康への影響を防護するために,電波の安全基準に関する指針(ガイドライン)が国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP)により策定されております。
・総務省が示す指針(電波防護指針)について
電波の人体に対する安全性の基準として,行政機関(総務省)が「電波防護指針」(1990年,1997年)を公開しています。
・国際機関のガイドライン値,及び行政機関(総務省)の指針値(電波防護指針)について
当社スマートメーター通信に使用される電波は,世間一般的に使用されている小型無線や,携帯電話等と同様であり,国際機関のガイドライン値及び,行政機関(総務省)の指針値(局所SAR:2W/kg※)を十分下回っております。
※局所SAR:人体が電波にさらされることによって、任意の10g当たりの組織に6分間に吸収されるエネルギー量の平均値:単位「W/kg(ワットパ一キログラム)」
※国際的なガイドライン値,行政機関の指針値の詳細につきましては,行政機関(総務省)のホームぺージ等を参照ください
・スマートメータ一通信による電磁波について
人体への影響を表す数値である局所 SARについて,当社のスマートメーターは指針値の1/6以下程度であることを確認しております。
・WHO(世界保健機関)の取組みについて
WHO(世界保健機関)は,電波が人体に及ぼす影響に対する公衆の関心に応えるため, 1996年に「国際電磁界プロジェクト」を発足。このプロジェクトには現在,国際がん研究機関,国際非電離放射線防護委員会などの国際機関,および日本をはじめとする 60カ国が参加しており,科学的文献の再検証や重点研究の推奨,電磁界リスクに対する情報提供や評価などを行っています。
参考:WHOファクトシート集 No.296「電磁波過敏症(2005年12月)」2014年,No.193 「携帯電話(2014年10月)」
※国際的な取組みの詳細につきましては,行政機関(総務省)のホームページ等を参照ください。
なお,斎藤様へご説明させていただく中で,不適切な言葉を用いてしまったことにつきまして,深くお詫び、を申し上げます。今後はこのようなことがないよう,丁寧にご説明させていただきますので,今後のスマートメーターの設置につきましでもご理解いただきますよう,よろしくお願いいたします。
当社からの回答は,以上のとおりとなります。
ご送付いただいたお手紙への回答につきましては,本社関係箇所と協議を実施し,斎藤様宅の所在地域を管轄している高崎支社より回答させていただきました。
<本件に関するお問い合わせ先>
高崎支社お客さまサービスグループ。
電話;027-377-8247(月~金 9:00~17:00) 担当;福島
**********
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報「電磁波問題市民研究所のスマートメーター説明用チラシ」
*********PDF ⇒ smartmeterphamphs.pdf
<<スマートメーターQ&A>>
Q.スマートメーターへの交換は責務ですか?
A.計量法により有効期間(多くの場合10年)満了前にメーターを交換しなければなりません。しかし、スマートメーターに交換すべき法的義務はありません。
Q.スマートメーターの交換を本当に拒否できますか?
A.はい。これまでも交換を拒否してアナログメーターに交換させたケースや、スマートメーターへの交換後にアナログメーターへ再交換させたケースが報告されています。
Q.電力会社側から「アナログメーターの在庫はない」と言われたのですが?
A.アナログメーターは30年間ほど使えるので、中古メーターがあり、新品の製造も続けられています。
Q.スマートメーターからの電波は弱いし、通信も30分に1回だけなので心配ないのでは?
A.電力会社へ自分の家の電気使用量を送信するのは30分に1回ですが、市街地等ではスマートメーター同士が電波をバケツリレー方式で互いに受け渡しているので、実際の通信頻度はもっと多い場合がほとんどです。また、メーター1台の電力は小さくても、すべての家庭等に設置されようとしています。電力会社が通信鎖度や電波の強さ等を公表しないので詳細は不明であり、情報隠しも批判されるべきです。
Q.電力を買う小売業者を変更しようとしたら「スマートメーターへの交換が必要」と言われたのですが?
A.アナログメーターを使いながら小売業者を変更することは技術的に可能であり、スマートメーターへの変更を条件にしていない新電力会社もあります。
※さらに詳しい情報は、当会のウェブサイト、または書籍『スマー卜メーターの何が問題か』(緑風出版)をご覧ください。
■電磁波問題市民研究会
〇環境中の電磁波に長期間繰り返し曝露されることによる健康影響のおそれを示す多くの研究があります。
〇国際がん研究機関(IARC)は、家電や送配電線から漏れる超低周波電磁波や、通信・放送に使われている高周波電磁波の発がん性リスクを、ともに2B(発がん性があるかもしれない)と評価しています。
〇私たちは、環境中の電磁波への曝露による健康被害に悩む方が支援され、電磁波への曝露による健康被害が予防される社会を目指す環境NGOです。
■活動内容
〇月1回、東京で定例会を聞いています(日時、会場はウエブサイトでご確認ください)
〇全国ヘ学習会講師を派遣しています
〇メール、お手紙、お電話でご相談に応じます
〇経験豊富なスタッフが高性能な機器で、電磁波を測定いたします(有料)
〇ウェブサイトから情報を発信しています
〇その他、講演会の開催、審籍の出版など
■ご入会ください
〇年会費は2千円(振込先は下に記載)
〇会員には、当会のニューズレタ-『電磁波研会報』を年6回お送りいたします
【電磁波問題市民研究会】
(設立1996年10月)
〒273-0042
千葉県船橋市前貝塚町1008-22(大久保自宅)
電 話 047-406-6608
ファクス 047-406-6609
ウ ェ ブ http://dennjiha.org/
メ ー ル meeeeru@dennjiha.org
郵便振替 00140-6-149564
電磁波問題市民研究会
代 表 野村修身
事務局長 大久保貞利
2017.10
<<スマートメーターとは>>
電気やガスのメーターで、通信機能を備えたものを言います。現在進められている電気のスマートメーターの設置により、主に以下のことが行われます。
〇30分ごとの電気使用量を電力会社ヘ送信する(希望する需要家(電力利用者)へも送信する)
〇遠隔検針(検針員が不要になる)
〇遠隔操作で電気供給の開始・停止を行う
■スマートメーターの「メリット」
スマートメーターの「メリット」として、次のように説明されています。
〇電力会社の業務効率化
〇需要家が自らのエネルギー情報を把握、利用することで、省エネ意識を高める
〇現状よりも細分化された料金メニューの設定
〇提供されるエネルギー使用情報を活用した新しいサービスの創出
〇各時間帯の詳細な電力使用情報が、そのまま需要家本人のライフスタイル情報となるととから、見守りサービスの提供や介護サービスへの活用等、電力使用情報の枠にとらわれないメーター情報の活用
〇関連産業の創出による経済の活性化
(経産省「スマートメーター制度検討会報告書」2011年2月)
電気の使用量からその家出のライフスタイルが分かる↓
<<スマートメーターの問題点>>
■電波(電磁波)による健康被害の恐れ
スマートメーターのほとんどは、携帯電話等の電波を用いて電力会社と通信します。国や電力会社は「電波の強さは総務省の基準値を下回っている」と説明しています。しかし、すでにスマートメーターを導入した米国やオーストラリアでは、健康被害の訴えが多数出ています。日本国内でも「電磁波過敏症」の方がスマートメーター設置後に症状が悪化したというケースがあります。
■生活の監視・プライバシーの侵害
詳細な電力使用情報=ライフスタイル情報が他人に知られることは家庭生活が監視されることにつながり、また、その情報が漏れれば空き巣などの犯罪に巻き込まれる恐れもあることから、各国の市民がスマートメーター全戸導入に反対しています。オランダではスマートメー
ターか従来型かを需要家が選べるようになりました。国等は漏洩対策をとると言っていますが、政府機関や大企業のウェブ、サイトからの個人情報漏洩が跡を絶たないように、完壁な対策はありません。また、前記の通り電力使用情報は需要家、電力会社以外の第三者がビジネス利用するととが想定されており、その場合、プライバシー侵害の程度、情報漏洩の危険はさらに大きくなります。
■「メリット」への疑問
国等が示した前述の「メリット」は疑問視されています。英国で最も権威のある経営者団体である「英国経営者協会」は以下の理由等からスマートメーター計画の廃止等を求めています。日本でも同様の問題があります。
〇省エネを達成できる信用できる証拠がない
〇費用対効果が疑問
〇サイバー攻撃を受けやすい。悪意ある従業員が一度に百万のメーターを操作して停電させることも可能
〇EUを構成する27カ国の中で11カ国では、電気のスマートメーターの全戸導入方針がない
<<スマートメーターは拒否!!>>
国はエネルギー政策基本法に基づき2010年6月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、「2020年代の可能な限り早い時期に、原則全ての需要家に(電気の)スマートメーターの導入を目指すJとの目標を掲げています。黙っていれば、すべての電力利用者にスマートメーターが設置されてしまいます。
■チラシかハガキが届いたら注意!
メーターの交換予定日の数日前に、チラシかハガキが届きます。新しいメーターが電波を出すことを明記しない電力会社もあり、注意が必要です。
チラシ(東京電力の例)↓
「お客さまにご在宅いただかなくても、取り替え工事をさせていただいております」と書いてある通り、何もしないと勝手に交換されます。「国の方針ですから」などと言われでも恐れることはありません。チラシなどがきたら、すぐに電話をして「これまでと同じアナログメーターに交換してください」とハッキリ言いましょう。
**********
こうした中、我々の身近にも、いつのまにか「スマートメーターなるもの」が入り込んでいます。
今年の夏はとりわけ大気の動きが激しく、温暖化の影響を感じさせました。ところで8月10日の落雷で高崎市在住の当会会員宅では、モデムや電話などが損傷を受けてしまいました。その際、会員の自宅の「東電スマートメーター」なるものが壊れ、液晶表示ができなくなったそうです。その後8月21日に、東電職員が会員の自宅にやって来てはじめて、自宅の電力メーターが「スマートメーターなるもの」に知らないうちに交換されていたことを、当会会員は認識しました。
そこで、さっそく「スマートメーター」について、ネットで調べた当会会員は、「電磁波」が問題であることを知ったのでした。
そして、基本的に顧客の知らない内に説明もしないまま、電力会社が「スマートメーターなるもの」に交換したことについて、理不尽に感じた当会会員は、「従来のアナログメーター」に戻して貰いたいと考えました。
さらに翌日の8月22日に、東電の料金グループのクロイワと名乗る男から、電話があり、落雷によって指針データが失われたにも拘らず、「メーター指針データが無い部分の約10日間分は、比例按分して電気代を算出するので、その額を支払って貰いたい」と要求されました。
■これに対して当会会員は、次の2点を主張しました。
(1)私は消費者として悪意を持ってゴマカシタ訳でもなく、データ管理責任及びメーターまでの責任は東電にあるのであるし、何も分からないものを以って、それを按分して電気代を算出する事自体に無理がある。そもそも、スマートメーターは、30分に一度データを送信している事実(この事実は、東電は認めました)があるのであるし、それを放置していた責任は当然に東電側であるから、承服しない。
(2)スマートメーター及びその悪影響について従前に説明されていたら、スマートメーターに交換する事は同意できなかったので、直ちに「アナログメーターへの交換」を求める。
すると東電のクロイワ職員は、電話口で、電気代の支払いについての説明の際に、「あくまでも当方との相談」と言う言葉を使いました。ということは、東電では、このようなメーターのデータが無い場合の「規定が無い」ことを想起させます。
東電の言う「両者の話し合いで済む」のであれば、「他の電気代の支払いに付いても、話し合いで済む場合があり得ることになります。さらに、メーターに関する責任を消費者に求めるのであれば、「メーター交換に関わる費用」も消費者が負うことになります。しかし実際には、メーター交換費用を支払っている一般住宅は皆無だと思います。
結局、東電のクロイワ職員は「上司と相談してまた連絡する」と言い残して電話を切りました。これもまたオカシナ話です。「上司と相談して決まる」というのですから、こうした場合の規定が存在していないことを示唆しています。規定があれば、「規定により、この様な計算になり、請求額が確定します」と、上司と相談などせずに、言えるはずだからです。
■こうした東電のズサンな対応に加えて、当会会員が最も不安に感じているのが、「電磁波被害」です。
上記の「スマートメーターなるもの」に関する報告のとおり、東電のやり口は「ただ単にメーターの取り替え」としただけであって、アナログメーターからスマートメーターへの交換に関する説明について、当会会員の記憶には何もなかったといいます。もしその時に説明を受けていれば、「アナログメーターへの交換」を申し入れたはずだからです。
そして、もし仮にネットでのスマートメーターを巡る電磁波被害の話が真実であれば、これは大変な健康被害をもたらすのではないか、と当会会員は強い懸念を抱いたのでした。
■Wikipediaによれば、スマートメーターの導入に際して、節電などに有効な情報としてきめ細やかなデータ収集が可能である一方、プライバシーの観点で課題があるとの声があるそうです。スマートメーターの標準化を行っているアメリカ国立標準技術研究所よれば、データを欲しがっているのは事業者、電力顧問会社、保険会社、マーケター、司法関係者、民事訴訟人、家主、探偵、報道機関、債権者、そして犯罪者であるとしています。
2015年12月、ウクライナではサイバー攻撃で数万戸の大規模停電が発生しました。このように、収集されたデータが引き金となり、スマートメーターを利用する電気系統は、サイバーテロ攻撃を受ける現実的な危険にさらされるリスクが高まります。スマートメーターに不具合が生じれば、電力やガスの供給が一気に途絶えるおそれがあるからです。
また、スマートメーター自身も通信機能を保有しているため、電磁波による人体への影響として電磁波過敏症を気にする声があります。
米国のスマートメーターは、メーター同士が電波をリレーして通信する方式が普通です。この場合、コンセントレーターに数百台分のメーターのデータが集められるので、そこへ近いメーターほど通信量が増えることになります。そのためメーターの普及率が高いカリフォルニア州を中心に睡眠障害、頭痛、耳鳴りなどの健康被害が訴えられているという報告もあります。
あるアンケート調査では、回答者のほとんどがアナログメーターを望み、その設置料金の請求を不当だと回答しました。豪州ではスマートメーターを大々的に導入したビクトリア州の市民から健康被害が訴えられました。
米国のカリフォルニア州やメリーランド州など一部の州ではスマートメーターの設置を拒否することができるオプションを認めており、その場合、アナログメーターへの交換・検針業務などの追加コストが発生するため、消費者側は手数料を支払わねばならないということです。
我が国では2014年3月26日に電磁波問題市民研究会が東電と本社で初めて会談し2015年3月24日、同研究会が質問および要望書を東電社長宛に提出しました。その後、同年10月29日に同研究所は本社で交渉に臨んだ際、同研究所側が「スマートメーターの設置受け入れが需要家の義務ではない」ことの確認を求めたところ、東電側は「設置の理解が得られるように努める」とだけ述べて明確な回答を避けた、という経緯があります。
そのため、日本の電力会社がアナログメーターへの交換に応じるかどうかは結果がまちまちであり、「在庫不足だから」などとデタラメな理由をつけて、スマートメーター普及を推進しているのが実態だということです。
■こうした背景の中、いつの間にか電力メーターを「スマートメーター」と交換されてしまった当会会員は、従来のアナログ型に戻すよう東電に掛け合ってきました。しかし埒が明かないため、先日10月15日付で東京電力パワーグリッド本社代表取締役社長と高崎支社長あてに、次の内容の文書を内容証明付き郵便で送りました。
*****東電あて内容証明郵便*****PDF ⇒ 20181019eds1.pdf
<1/3頁>
東京電力パワーグリッド株式会社
代表取締役社長 金子 禎則 殿
〒100-8560
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社長 須藤 修平 殿
〒370-0828
群馬県高崎市宮本町1の2
平成30年10月15日
用件: アナログメーターへの交換要求
1 当方宅には、現在計4個のメーターがあります。
当方が「スマートメーターと認識しない儘に取り付けられてしまったもの」、及び「交換予定アナログメーター」に付
<2/3頁>
き、全てを「従来型のアナログメーターへの交換を強く求めます。
電磁波問題市民研究会も指摘している通りスマートメーターを原因とする健康被害が強く心配されるからです。
又、本年4月25日の「院内集会」に於いて、経産省とパワーグリッドマネージャーによる「スマートメーターを強制する法律は無い」との発言の事実がある通りです。
ユーザーとして、スマートメーターは「百害あって一利無し」と考えます。
尚、当方はスマートメーターへの交換を拒否し、アナログメーターへの交換を求めているのであり、メーター交換そのものに対して拒否しているのでは無い事を明言します。
2 当方宅のアナログメーター交換に付き、本年9月7日、高崎支社・配電建設グループの高橋女性職員に対し、「アナログメーターへの交換」を求めました。
3 本年8月28日、同・お客様サーピ
<3/3頁>
スグループの福島謙太郎男性職員に対して、当方の知らぬ間に取り付けられてしまったスマートメーターを、「アナログメーターへの交換要求」に対して、何と当方に対して「苦情」なる語を発しました。苦情ではなく要求です。
当該福島職員の特にケシカラン事は、何ら法的拘束力が無いにも拘わらず、「国の方針で決まっているから」などと、恰も法的拘束カが有るが如くの発言を為す事です。
改めてアナログメーターへの交換を強く求めます。
電力契約者
住所:〒370-0875
群馬県高崎市藤塚町217番地3
氏名:齋藤平八郎
この郵便物は平成30年10月19日
第40236・40237号書留内容証明郵便物として差し出されたことを証明します。
日本郵便株式会社
郵便認証司 30.10.19
高崎30.10.19 8-12
**********
■しかし、とっくに東電に配達されているはずですが、いまだに東電からは何も反応がないとのことです。
当会会員からの報告を見て、筆者もさっそく自宅の電力メーターを調べてみました。すると、3年前に8.2kw規模の太陽光発電施設を自宅屋根に設置した際、いつの間にか太陽光発電回路にはスマートメーターが取り付けられていました。一方、従来の自宅の配線回路には従来のアナログ式メーターのままでした。果たしてきちんと売電と買電のデータを認識しているのかどうか、心配になりました。
アナログ式の場合ですと、電気を使っている場合は「アラゴの円盤」が回っているので容易に視認できますが、スマートメーターでは数字がデジタルで表示されるのみです。本当に電気が消費されているのかどうか、数字を信用するしかありません。
さらに心配なのは、スマートメーターには通信機能がついており、電力会社で遠隔操作が可能になるということです。こうなると、先日の九州電力による太陽光発電所からの送電カットのように強制的に電力量の数値をコントロールされかねません。
実際に交換作業を見ていた人の話によれば、現場でタブレット型PCで操作をして、容易に電力を止めていたことから、東電のコントロールセンターから瞬時に遠隔操作できるものと判断できるものとみられます。
なお、電磁波の強弱は簡単に検証可能とのころで、AMラジオ放送を受信中のラジオ本体をスマートメーターに近づければ、電磁波の影響力を肌で感じることができるそうです。筆者もさっそく試してみるつもりです。
■当会会員に東電から回答があったら、当会事務局に連絡してもらう予定です。
【11月5日追記】
その後当会会員から、東電の高崎支社から10月31日付の回答が11月2日に届いたとの連絡がありました。次のとおり事実上の対応拒否回答のため、現在次なる対応策を検討中です。
*****東電高崎支社からの回答*****PDF ⇒ 20181105d.pdf
2018年10月31日
斎藤 平八郎 様
東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社お客さまサービスグループ
いただいたお手紙への回答について
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より当社事業に対し,ご理解およびご協力を賜りまして厚くお礼申し上げます。
このたび,当社代表取締役社長ならびに高崎支社長宛ての「アナログメーターへの交換要求」のお手紙につきまして,下記のとおり回答いたしますので,ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
〇 スマートメーターの設置について
スマートメーターの設置は電力の自由化対応や料金メニューの多様化,社会全体への省エネの寄与等,国の成長戦略の1つに位置付けられており,当社においても国の「エネルギー基本計画」に従い,2020年度までに,当社サービスエリア内の全てのお客さまにスマートメーターを設置すべく,取替を行っております。こうした国の方針やスマートメーターへの移行により,従来型計器の製造が終了となり,新規に調達することが困難であるため,当社においては,従来型計器を提供・設置する予定はありません。
また,電気供給約款(VIII 供給方法および工事 56 計量器等の取付け)では,料金の算定上必要な計量器は当社が選定し,かつ当社の所有とし当社の負担で取付けることを明記しており,お客さまが計量器を選ぶことは出来ません。スマートメーターの設置にご理解いただきますよう,よろしくお願いいたします。
なお,スマートメーター通信時の電磁波につきましては,総務省が示している指針値(電波防護指針)を十分に下回っていることを確認しております。この指針値は国際機関が示すガイドライン値と同等であり,人体に影響を及ぼすことのないよう配慮されていることから,当社は,健康被害が発生する可能性は極めて低いものと考えております。国際機関ならびに総務省の示す内容は以下のとおりです。
・国際機関の示すガイドラインについて
電波のばく露による健康への影響を防護するために,電波の安全基準に関する指針(ガイドライン)が国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP)により策定されております。
・総務省が示す指針(電波防護指針)について
電波の人体に対する安全性の基準として,行政機関(総務省)が「電波防護指針」(1990年,1997年)を公開しています。
・国際機関のガイドライン値,及び行政機関(総務省)の指針値(電波防護指針)について
当社スマートメーター通信に使用される電波は,世間一般的に使用されている小型無線や,携帯電話等と同様であり,国際機関のガイドライン値及び,行政機関(総務省)の指針値(局所SAR:2W/kg※)を十分下回っております。
※局所SAR:人体が電波にさらされることによって、任意の10g当たりの組織に6分間に吸収されるエネルギー量の平均値:単位「W/kg(ワットパ一キログラム)」
※国際的なガイドライン値,行政機関の指針値の詳細につきましては,行政機関(総務省)のホームぺージ等を参照ください
・スマートメータ一通信による電磁波について
人体への影響を表す数値である局所 SARについて,当社のスマートメーターは指針値の1/6以下程度であることを確認しております。
・WHO(世界保健機関)の取組みについて
WHO(世界保健機関)は,電波が人体に及ぼす影響に対する公衆の関心に応えるため, 1996年に「国際電磁界プロジェクト」を発足。このプロジェクトには現在,国際がん研究機関,国際非電離放射線防護委員会などの国際機関,および日本をはじめとする 60カ国が参加しており,科学的文献の再検証や重点研究の推奨,電磁界リスクに対する情報提供や評価などを行っています。
参考:WHOファクトシート集 No.296「電磁波過敏症(2005年12月)」2014年,No.193 「携帯電話(2014年10月)」
※国際的な取組みの詳細につきましては,行政機関(総務省)のホームページ等を参照ください。
なお,斎藤様へご説明させていただく中で,不適切な言葉を用いてしまったことにつきまして,深くお詫び、を申し上げます。今後はこのようなことがないよう,丁寧にご説明させていただきますので,今後のスマートメーターの設置につきましでもご理解いただきますよう,よろしくお願いいたします。
当社からの回答は,以上のとおりとなります。
ご送付いただいたお手紙への回答につきましては,本社関係箇所と協議を実施し,斎藤様宅の所在地域を管轄している高崎支社より回答させていただきました。
<本件に関するお問い合わせ先>
高崎支社お客さまサービスグループ。
電話;027-377-8247(月~金 9:00~17:00) 担当;福島
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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報「電磁波問題市民研究所のスマートメーター説明用チラシ」
*********PDF ⇒ smartmeterphamphs.pdf
<<スマートメーターQ&A>>
Q.スマートメーターへの交換は責務ですか?
A.計量法により有効期間(多くの場合10年)満了前にメーターを交換しなければなりません。しかし、スマートメーターに交換すべき法的義務はありません。
Q.スマートメーターの交換を本当に拒否できますか?
A.はい。これまでも交換を拒否してアナログメーターに交換させたケースや、スマートメーターへの交換後にアナログメーターへ再交換させたケースが報告されています。
Q.電力会社側から「アナログメーターの在庫はない」と言われたのですが?
A.アナログメーターは30年間ほど使えるので、中古メーターがあり、新品の製造も続けられています。
Q.スマートメーターからの電波は弱いし、通信も30分に1回だけなので心配ないのでは?
A.電力会社へ自分の家の電気使用量を送信するのは30分に1回ですが、市街地等ではスマートメーター同士が電波をバケツリレー方式で互いに受け渡しているので、実際の通信頻度はもっと多い場合がほとんどです。また、メーター1台の電力は小さくても、すべての家庭等に設置されようとしています。電力会社が通信鎖度や電波の強さ等を公表しないので詳細は不明であり、情報隠しも批判されるべきです。
Q.電力を買う小売業者を変更しようとしたら「スマートメーターへの交換が必要」と言われたのですが?
A.アナログメーターを使いながら小売業者を変更することは技術的に可能であり、スマートメーターへの変更を条件にしていない新電力会社もあります。
※さらに詳しい情報は、当会のウェブサイト、または書籍『スマー卜メーターの何が問題か』(緑風出版)をご覧ください。
■電磁波問題市民研究会
〇環境中の電磁波に長期間繰り返し曝露されることによる健康影響のおそれを示す多くの研究があります。
〇国際がん研究機関(IARC)は、家電や送配電線から漏れる超低周波電磁波や、通信・放送に使われている高周波電磁波の発がん性リスクを、ともに2B(発がん性があるかもしれない)と評価しています。
〇私たちは、環境中の電磁波への曝露による健康被害に悩む方が支援され、電磁波への曝露による健康被害が予防される社会を目指す環境NGOです。
■活動内容
〇月1回、東京で定例会を聞いています(日時、会場はウエブサイトでご確認ください)
〇全国ヘ学習会講師を派遣しています
〇メール、お手紙、お電話でご相談に応じます
〇経験豊富なスタッフが高性能な機器で、電磁波を測定いたします(有料)
〇ウェブサイトから情報を発信しています
〇その他、講演会の開催、審籍の出版など
■ご入会ください
〇年会費は2千円(振込先は下に記載)
〇会員には、当会のニューズレタ-『電磁波研会報』を年6回お送りいたします
【電磁波問題市民研究会】
(設立1996年10月)
〒273-0042
千葉県船橋市前貝塚町1008-22(大久保自宅)
電 話 047-406-6608
ファクス 047-406-6609
ウ ェ ブ http://dennjiha.org/
メ ー ル meeeeru@dennjiha.org
郵便振替 00140-6-149564
電磁波問題市民研究会
代 表 野村修身
事務局長 大久保貞利
2017.10
<<スマートメーターとは>>
電気やガスのメーターで、通信機能を備えたものを言います。現在進められている電気のスマートメーターの設置により、主に以下のことが行われます。
〇30分ごとの電気使用量を電力会社ヘ送信する(希望する需要家(電力利用者)へも送信する)
〇遠隔検針(検針員が不要になる)
〇遠隔操作で電気供給の開始・停止を行う
■スマートメーターの「メリット」
スマートメーターの「メリット」として、次のように説明されています。
〇電力会社の業務効率化
〇需要家が自らのエネルギー情報を把握、利用することで、省エネ意識を高める
〇現状よりも細分化された料金メニューの設定
〇提供されるエネルギー使用情報を活用した新しいサービスの創出
〇各時間帯の詳細な電力使用情報が、そのまま需要家本人のライフスタイル情報となるととから、見守りサービスの提供や介護サービスへの活用等、電力使用情報の枠にとらわれないメーター情報の活用
〇関連産業の創出による経済の活性化
(経産省「スマートメーター制度検討会報告書」2011年2月)
電気の使用量からその家出のライフスタイルが分かる↓
<<スマートメーターの問題点>>
■電波(電磁波)による健康被害の恐れ
スマートメーターのほとんどは、携帯電話等の電波を用いて電力会社と通信します。国や電力会社は「電波の強さは総務省の基準値を下回っている」と説明しています。しかし、すでにスマートメーターを導入した米国やオーストラリアでは、健康被害の訴えが多数出ています。日本国内でも「電磁波過敏症」の方がスマートメーター設置後に症状が悪化したというケースがあります。
■生活の監視・プライバシーの侵害
詳細な電力使用情報=ライフスタイル情報が他人に知られることは家庭生活が監視されることにつながり、また、その情報が漏れれば空き巣などの犯罪に巻き込まれる恐れもあることから、各国の市民がスマートメーター全戸導入に反対しています。オランダではスマートメー
ターか従来型かを需要家が選べるようになりました。国等は漏洩対策をとると言っていますが、政府機関や大企業のウェブ、サイトからの個人情報漏洩が跡を絶たないように、完壁な対策はありません。また、前記の通り電力使用情報は需要家、電力会社以外の第三者がビジネス利用するととが想定されており、その場合、プライバシー侵害の程度、情報漏洩の危険はさらに大きくなります。
■「メリット」への疑問
国等が示した前述の「メリット」は疑問視されています。英国で最も権威のある経営者団体である「英国経営者協会」は以下の理由等からスマートメーター計画の廃止等を求めています。日本でも同様の問題があります。
〇省エネを達成できる信用できる証拠がない
〇費用対効果が疑問
〇サイバー攻撃を受けやすい。悪意ある従業員が一度に百万のメーターを操作して停電させることも可能
〇EUを構成する27カ国の中で11カ国では、電気のスマートメーターの全戸導入方針がない
<<スマートメーターは拒否!!>>
国はエネルギー政策基本法に基づき2010年6月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、「2020年代の可能な限り早い時期に、原則全ての需要家に(電気の)スマートメーターの導入を目指すJとの目標を掲げています。黙っていれば、すべての電力利用者にスマートメーターが設置されてしまいます。
■チラシかハガキが届いたら注意!
メーターの交換予定日の数日前に、チラシかハガキが届きます。新しいメーターが電波を出すことを明記しない電力会社もあり、注意が必要です。
チラシ(東京電力の例)↓
「お客さまにご在宅いただかなくても、取り替え工事をさせていただいております」と書いてある通り、何もしないと勝手に交換されます。「国の方針ですから」などと言われでも恐れることはありません。チラシなどがきたら、すぐに電話をして「これまでと同じアナログメーターに交換してください」とハッキリ言いましょう。
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