市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

またもや群馬県関連代議士が利権の最前線に・・・上野宏史代議士による口利き問題が浮上!

2019-08-26 23:19:00 | 政治とカネ
■保守王国と呼ばれる北関東(茨城県・栃木県・群馬県)、北陸地方(富山県・石川県・福井県)、岐阜県、和歌山県、山陰地方(鳥取県・島根県)、山口県、愛媛県、南九州(熊本県・宮崎県・鹿児島県)のなかでも、我らが群馬県では「ジミンでなければ人にあらず」といった風情を醸し出しています。「長いものには巻かれろ」の言葉通り、猫も杓子も自民党に所属したがります。当会はなぜこのような傾向が群馬県に根強いのか、これまでの活動から縷々分析してきました。結局、悪事を働いても、ジミンにコネがあれば、司法がお目こぼしをしてくれるので、このような状況を招いている、というのが目下の結論です。さて、このジミン王国の群馬県で、またもや「政治とカネ」を体現した政治家が、週刊誌の餌食となりました。さっそく記事を見てみましょう。


**********週刊文春2019年8月29日号(8月19日発売)P144-147
ZIP ⇒ 20190821ttl.zip
厚労政務官 上野宏史衆院議員
口利き&暴言音声を公開する

★外国人の在留資格を「お金もらう案件でやっている」★
わいせつ議員や暴行議員に続いて今度は安倍政権の中枢からトンデモ議員が現れた。政権の看板政策を担う厚労大臣政務官だ。あっせん利得罪に問われかねない口利き計画に巻き込まれた秘書が録音した音声。そこには、あまりに悪質な驚きの手口が語られていた――。
 参院選を間近に控え、党首討論で舌戦が繰り広げられた六月十九日。衆議院第二議員会館九階の一室で、国会議員が秘書を叱資する声が響いていた。
議員「遊びでやってんじゃないんだよ」
秘書「これあっせん利得になっちゃいますよ、代議士」
 いかにも剣呑なこのやり取りは、小誌が入手した音声から抜粋した一シーンだ。
 国会議員の名は自民党の上野宏史厚生労働政務官。参院議員から一期目の途中で衆院に鞍替えし、 現在二期目の四十八歳。昨年十月の内閣改造で初めて政務三役入りを果たした自民党期待の中堅議員である。
 会話の相手は四十代の政策秘書A氏。音声はA秘書が自身のスマートフォンで録音したものだ。
 会話中の「あっせん利得」とは、国会議員や秘書が公務員などへの口利きの見返りに報酬を得ることを禁じた「あっせん利得処罰法」を指す。つまり上野氏が自身の秘書から“犯罪的行為”を指摘された決定的なシーンなのだ――。
「Aさんは、上野氏のもとで長く政策秘書を務めていました。上野氏は秘書を大声で罵倒したり、気に入らないことがあるとモノを投げつけたり椅子を蹴り上げたり、暴言やパワハラが絶えない人で、秘書の入れわりも非常に激しい。そんな環境にも、これまで耐えに耐えて長く勤めてきたのです。でもこの六月下旬、ついに事務所を辞めました。というのも、上野氏が外国人の『在留資格認定証明書交付』を巡る法務省への口利きでカネを取ろうと企んだ計画に巻き込まれそうになったからなのです。
★仲人は安倍晋三夫妻だった★
 暴言やパワハラは何とか我慢してきたA さんも、さすがに犯罪に手を染めることだけはできないと、堪忍袋の緒が切れた。事務所を辞めることを決意した上で、自分に非がないことを証明する材料として、会話を録音したそうです」
 そう語るのは、A秘書から相談を受けた永田町関係者のX氏だ。A秘書は上野氏の口利きやパワハラの証拠として、冒頭の音声の他にも様々なやり取りを録音。また上の写真に示したように、上野氏が暴れて壊したゴミ箱や蹴とばした椅子、投げつけて割ったマグカップなどの写真も撮影。これらを複数の関係者に送り、相談を重ねてきたのである。
 上野氏の「表の顔」は、音声や写真からはかけ離れた、華麗なる経歴に彩られている。開成高校から東京大学経済学部に進み、卒業後の一九九四年に通産省(現経産省)に入省。在職中にハーバード大学大学院にも留学・修了したエリート中のエリートだ。
 国政進出のきっかけは、小泉内閣で官房副長官を務めた上野公成元参院議員の一人娘との結婚だった。
「〇五年十月に帝国ホテルで行われた披露宴には小泉総理、森喜朗前総理ら錚々たる顔ぶれが出席。 乾杯の音頭を取ったのは福田康夫前官房長官で、仲人が翌年総理になる安倍晋三幹事長代理でした。上野氏はこの時の安倍夫妻との写真を、今でも自慢げに見せるんですよ」(政治部デスク)
 五年後の一〇年六月に六年間勤めた経産省を辞めると、翌月の参院選にみんなの党から出て初当選。一二年の衆院選に日本維新の会から鞍替え出馬すると、群馬一区で比例復活当選。一四年衆院選の落選を経て、一七年衆院選には今度は自民党から南関東ブロックの比例単独候補で出馬、何とか滑り込んだ。
「党を転々としながら風に乗ってギリギリ当選してきており、 選挙区を持っておらず政治的基盤は弱い。それでも厚労政務官になれたのは、現在最も力を持つ総裁派閥の細田派に属しているからです」(同前)
 そんな上野氏が口利きをした相手企業は、東京都新宿区に本社を構える非上場の人材派遣会社「ネオキャリア」(以下ネオ社)だ。二〇〇〇年創業と後発ながら、従業員は約三千六百人、売上高は五百億円を超え急成長している。
 同社は、全国の飲食店やドラッグストアなどに、日本人のみならず外国人も派遣している。彼らの在留資格を取るため、各地方の法務省外局「出入国在留管理局」に大景の交付申請を行っているのだが、当然ながらより早く、より多くの交付を受け、スピーディーにビジネスを展開したい。そこでネオ社と上野氏を繋いだのが、以前から上野氏と親交があり、ペットシッター事業などを手掛ける女性経営者N氏だった。
 N氏からの話を受けた上野氏は、法務局に口利きをすることでネオ社からカネを得ようと画策していく。
 冒頭のシーンに戻ろう。計十七分にわたる録音には、上野氏の生々しい台詞がいくつも収められている。
「僕がネオキャリアの西沢(亮一)さんという社長と交渉することになっている」
「(在留資格認定証明書の交付を)早くしたっていう実績をウチが作ってあげて、その分ウチは(もらう金額を)交渉して、これを党費にあてようと思って。(交付申請が)百人だから、(一件二万円で)二百万円で、家族党員千人分にあてる」
 要は、上野氏が法務省に働きかけたおかげで在留資格認定証明書が交付されたのだとネオ社に思わせる“実績”をつくった上で、ネオ社から一件あたり二万円のお金を取ろうとしているのだ。古参秘書が解説する。
「在留資格を巡る陳情などは昔からよくあります。その見返りを求めるのは古典的な手口ですよ。でもね、今時、政治家が介入して交付不可の決定が覆ることなどまずありえない。
 ただ正直に言えば、法務省に国会議員の事務所から問い合わせの電話をすると、通知が発送される当日の朝に教えてくれる場合がままあります。役所としては決定前に秘密を洩らしたわけではない、 というギリギリの線なんでしょう。そこで、さも尽力したかのように先方に連絡することはあります。 郵送が届くのは数日後ですから、『さすが先生』と恩義を感じた企業さんがパーティー券を買ってくれたりする。でも数人程度お願いされることはあっても、百人、二百人というスケールの話は聞いたことがない。しかも一件につき二万円という具体的な金額まで明示するなど、まさにあっせん利得で手が後ろに回る話で、ありえません」
 小誌はネオ社が上野事務所に送った在留資格申請中の一覧表も入手した(前頁の写真)。一番右には、台湾、韓国、ベトナムなど彼らの国籍が並び、プライバシーに配慮して小誌が黒塗りした部分には、彼らの氏名や、受け入れ先企業名が詳細に記されている。今年二月から六月に申請されたもので、 合計人数は実に百八十七人。一件二万円の見返りを皮算用する上野氏には、このリストは“宝の山”に見えたことだろう。
 ところがA秘書とこのリストを巡って騒動が起きる。A秘書は一覧表を法務省国会連絡室に送って報告を待ち、認定の可否を一つずつ聞き取ると、上野氏に報告せずにネオ社の担当者に結果の一部を伝えたのだ。冒頭のシーンには、以下のようなやり取りがある。
上野氏「陳情の案件は勝手に返さないで絶対教えてくれって、僕、言ってるじゃないですか。(略。ネオ社に)伝えたのは何件ですか?」
A秘書「(数えながら)十三件です」
上野氏「十三件……じゃあ二十六万持ってきてください」
A秘書「え! それ、なんで私が出さないといけないんですか?」
(モノを叩きつける音)
上野氏「だってこれ、うちがネオキャリアからお金もらう案件でやってんだから」
 上野氏は、 ネオ社と交渉して一件につき二万円ずつもらうはずだったのに、秘書がそうした話を詰めずに勝手に十三件分の結果を教えてしまったため、取り損ねたから、その分を補填しろ、という意味のことを繰り返す。
上野氏「ダメだよ。それを社長と交渉しているんだから。この(十三件の)伝えたやつからはもらわないから」
A秘書「これはあの……あんまり良くないやり方」
上野氏「よくなくないよ!(略)党費にあてるんで、遊びでやってんじゃないんだよ」
 上野氏は再三「お金をもらう案件」「僕がもらうはずのお金」などと口にしているが、ネオ社が上野氏にお金を払う動機は十分ある。
「外国人の受け入れ企業は、 ネオ社のような派遣会社に一人あたり数十万円の紹介料を払うのが相場です。ネオ社にすれば、 在留資格をスムーズに取得できるのなら一件二万円の謝礼は安いもの。 上野氏は仲介者のN氏と結託してそこにつけこみ、ネオ社からのカネを山分けしようと企んだようです。翌六月二十日、上野氏はN氏を議員会館に呼び、A秘書も交えて打ち合わせをします。ここでもA秘書はやり取りを録音しました」(前出・X氏)
 その席でN氏は、明け透けにこう語っている。
「私、手間がすごいかかるってわざと(ネオ社に)言っていて(笑)。その方が値上げできるんで~(笑)、『これすごい大変なんですよ』ぐらいなことを、一応あれしてるんで。高値で売りたいですよね」
 上野氏もさらに追随する。不許可だったと伝えた件について法務省に再度プッシュするようA秘書に指示。
「(不許可となった)四件で、(決定をひっくり返せば一件)五万で二十万」
 上野氏はまさにこの分野の最前線にいる。安倍政権は外国人労働者受け入れ拡大を推進しており、今年四月、法務省の内部部局「入国管理局」は「出入国在留管理庁」へ格上げされ、新たな在留資格「特定技能」が設けられた。ネオ社は五月、その「登録支援機関」として同庁の登録を受けている。これに厚労省も連動し「技能実習の職種のあり方に関する検討チーム」を設置。このトップが上野氏なのだ。安倍政権の看板政策を利用した悪質なカネ稼ぎに見えるが、法律的にどう問題なのか。元東京地検検事の落合洋司弁護士が指摘する。
「国会議員や秘書が、国が締結する契約などに関し、請託を受けて、権限に基づく影響力を行使して公務員に職務上の行為をさせるようあっせんし、報酬を得ることはあっせん利得処罰法違反となります。上野氏本人が『法務省に働きかけた』という趣旨の発言をしていたのなら、『権限に基づく影響力』を認識していた可能性が高く、政策秘書が法務省にリストを送った行為も『影響力の行使』に該当する可能性がある。上野氏が『自分の働きのおかげで認定までの期間が短くなった』と、ウソと認識したうえで相手側に伝えたことが立証できれば、詐欺罪にもなります」
 上野氏は「自分の遊ぶ金欲しさではない。党費にあてるのだ」との趣旨の発言を繰り返しているが、これ自体、問題をはらむ。自民党群馬県連関係者が言う。
★「中曽根事務所のスパイなのか」★
「上野氏のように選挙区を持たず、次期選挙の公認が危うい議員は、党員獲得数で党本部にアピールするしかない。『一般党員』は年額四千円、その『家族党員』は同二千円が必要ですが、これを払ってくれる人を増やすのはなかなか大変です。しかも上野氏は、同じく群馬が地盤で選挙区を持たない中曽根康隆衆院議員に獲得数で負けたことから、焦りを募らせていました。党費を肩代わりすることで党員獲得数の上積みを狙っていた可能性がある」
 だが、「党費の肩代わりは絶対にダメ」と自民党本部は小誌に答えた。
 さらに音声には、上野氏の暴言やパワハラも含まれている。六月十九日の録音の中にも、上野氏が暴言を吐き、モノを投げつける音がいくつも入っている。
「(激しい物音)申し訳ないじゃないよ! なんで勝手な行動してるんだよ!」
「足を引っ張りたいのか。中曽根事務所のスパイなのか。(モノを叩きつける音)なんだよ! なんなんだよ」
 A秘書には実害も出た。
「怒った上野氏はA秘書の私用パソコンにマウスを叩きつけました。液晶画面が壊れ、ハードディスクも破損したそうです」(前出・X氏)
 当事者たちはどう答えるか。録音をした党のA秘書に連絡をとると、「私が上野議員の言動に疑問を感じ、身の安全のため、録音や写真をとったことは事実です。ただ今は別の事務所で働き始めていますし、これ以上はお話しできません」と語るのみ。
 上野氏を直撃した。
――外国人の在留資格を巡る法務省への口利きで、一見二万円の報酬を取ろうとしていましたか?
「まったく、そんな話もしていないし、もちろん(お金も)もらっていない。コンサルティングの会社(N氏の会社のこと)から依頼を受けて通常の陳情でやった。そこが(ネオ社と)どういう契約をしているかは存じ上げないですけど」
――そのお金を党費に回そうとしたのでは?
「そういう具体的な話はしていないですね」
――モノを投げたり、パソコンを壊したことは?
「認識はないです」
 録音とは打って変わって冷静な口調で、三十分にわたって否定し続けた。
 仲介役を担ったN氏は電話での直撃にこう応じた。
「数カ月前の食事会で、(ネオ社の)西沢社長を上野先生に紹介はしました。私はネオ社のコンサルティング業務を請け負っていて、在留資格の件を上野先生に伝えただけです。
 ネオ社は概ね次のように回答した。
「(N氏の会社とは)コンサルティング契約を締結、在留資格申請手続きについて相談し、リストも送付した。上野議員にも同リストを送付したが、出入国管理行政の実態を把握してもらうためで、いかなる役割も議員に期待しておらず、見返りを求められる立場にはない」
 娘婿の疑惑を、義父の上野公成氏はどう見るのか。
「俺は彼の政治活動には全然口出ししないし、ノータッチだよ。ただ本当にそういうことをしているんだったらあっせん利得罪になる」
 上野氏は録音を聞いてもなお否定し続けるのか。安倍政権の一員として、金銭の授受の有無も含めて説明責任を果たすべきだろう。

**********週刊文春オンライン2019年8月20日
URL ⇒ https://bunshun.jp/articles/-/13474
上野宏史厚労政務官の「口利き&金銭要求」音声
 上野宏史厚生労働政務官(48)が、外国人労働者の在留資格を巡り、法務省に“口利き”し、その見返りに金銭を求めていたことが「週刊文春」の入手した音声記録から分かった。

上野宏史厚生労働政務官 ©共同通信社
 東京都新宿区に本社を構える人材派遣会社「ネオキャリア」(以下ネオ社)は、全国の飲食店やドラッグストアなどに外国人を派遣している。彼らの在留資格を取るため、各地方の法務省外局「出入国在留管理局」に大量の交付申請を行っていた。
 上野事務所にはネオ社から在留資格申請中の外国人187人分のリストが送付されており、それに基づいて法務省に問い合わせを行っていたことも判明した。
 この申請を巡り、今年6月、上野政務官は政策秘書A氏に対し、次のような発言をしていた。
「(在留資格認定証明書の交付を)早くしたっていう実績をウチが作ってあげて、その分ウチは(もらう金額を)交渉して、これを党費にあてようと思って。(交付申請が)100人だから、(1件2万円で)200万円」

ネオ社が申請中の外国人の一覧表
 音声記録の中には他にも上野氏が「うちがネオキャリアからお金もらう案件でやってんだから」「僕がもらうはずのお金」などと口にする様子や、A秘書が「これあっせん利得になっちゃいますよ、代議士」とたしなめる場面も含まれている。
 元東京地検検事の落合洋司弁護士が指摘する。
「国会議員や秘書が、国が締結する契約などに関し、請託を受けて、権限に基づく影響力を行使して公務員に職務上の行為をさせるようあっせんし、報酬を得ることはあっせん利得処罰法違反となります」

根本厚労相と上野氏(右)
 上野氏を直撃すると、こう答えた。
――外国人の在留資格を巡る法務省への口利きで、1件2万円の報酬を取ろうとしていましたか?
「まったく、そんな話もしていないし、もちろん(お金も)もらっていない」
 上野氏は参院当選1回を経て、現在衆院2期目。総裁派閥の細田派に所属する中堅議員で、安倍政権が掲げる外国人労働者受け入れ拡大を巡っても、厚生労働政務官として「技能実習の職種のあり方に関する検討チーム」のトップに就くなど、上野氏は主要な役割を果たしている。
 8月21日(水)発売の「週刊文春」では、上野氏とA秘書のやり取りやリストの詳細、口利きに至る経緯、パワハラや暴言、自民党費を巡るさらなる問題についても詳しく報じている。また、「週刊文春デジタル」では、上野氏の“口利き&暴言音声”を公開中だ。
https://www.youtube.com/watch?v=8CUa7in4yUw

《予告編》厚労政務官 上野宏史衆議院議員 口利き&暴言音声を公開する
 自民党の上野宏史厚生労働政務官(48)が、自身の政策秘書に“犯罪行為”を指摘されていたことが「週刊文春」の取材で判明しました。上野氏は昨年10月の内閣改造で初めて政務三役入りした議員です。A秘書は自身のスマートフォンで、上野氏とのやり取りの一部始終を録音していました。  上野氏の“犯罪行為”とは、外国人の「在留資格認定証明書交付」を巡り、法務省への口利きでカネを取ろうという計画。口利きの相手企業は人材派遣会社の「ネオキャリア」(東京都新宿区)で、上野氏は口利きによって証明書の交付1件につき2万円を受け取ろうとしていました。
 この口利きを巡り、A秘書と上野氏の間でトラブルが起こりました。A秘書が、法務省からの認定の可否を上野氏に伝えずネオキャリアに一部報告したことで、結果をネオキャリアとの交渉材料にしたい上野氏は、A秘書の報告を受け激昂。
 録音には、上野氏がネオキャリアから受け取るはずだった金をA秘書に支払わせようとする上野氏の音声や、「(ネオキャリアとの交渉は)遊びでやってんじゃないんだ」とする音声が収録されていました。
 上野氏のA秘書に対する圧力はこれだけではありません。録音には、パワハラともとれる音声や、モノを叩きつけるなど激しい物音も残っていました。
 8月16日、議員会館事務所前で上野氏を直撃したところ、「まったく、そんな話もしていないし、もちろん(お金も)もらっていない」と、30分にわたって否定しました。
 「週刊文春デジタル」では激昂する上野氏の肉声を収めた《完全版》動画を公開中です。
**********

■これに追随して、新聞やテレビでも次々に報道されました。

**********時事ドットコム2019年08月20日22時38分
上野厚労政務官に「口利き」疑惑=文春報道
 外国人労働者の在留資格取得をめぐり、週刊文春(電子版)は20日、上野宏史厚生労働政務官(自民)の「口利き」疑惑を報じた。これによると、東京都内の人材派遣会社が在留資格を申請した外国人について、上野氏側が法務省に問い合わせるなどし、見返りに金銭を求めたとしている。
 上野氏は昨年10月に厚労政務官に就任。安倍政権が掲げる外国人労働者の受け入れ拡大に関し、外国人技能実習制度の運用弾力化に向けた検討会のトップを務めている。

**********上毛新聞2019年8月21日社会面

ZIP ⇒ 20190821ij.zip
上野宏史氏に“口利き”疑い 週刊誌報道 本人は記事中で否定
 週刊文春は20日、自民党群馬県連所属で厚生労働政務官の上野宏史衆院議員(比例南関東)が、外国人労働者の在留資格を巡って法務省に“口利き”し、見返りとして金銭を求めたとする記事をインターネットで公表した。上野氏は記事中で疑いを否定している。
 上野氏の事務所は上毛新聞の取材に対し「本人は不在。事務所は何も関知していない」とした。事務所関係者は「(上野氏)本人も週刊誌報道については把握している。近日中にきちんと説明があるはず」と述べた。
 自民党県連関係者は「週刊誌報道に関して本人から連絡があった。『事実無根なので弁護士と相談し、名誉棄損で訴える』と言っている」と話した。

**********東京新聞2019年8月22日

ZIP ⇒ 20190822vl.zip
【こちら特報部】ニュースの追跡
FAX 03(3595)0911 Eメールtokuho@chunichi.co.jp
上野政務官に疑惑、過去に片山氏、甘利氏にも
 外国人労働者の在留資格取得を巡り、週刊文春が報じた上野宏史・厚生労働政務官(自民)の「口利き」疑惑。政治家や秘書が官庁への口利きの見返りに金品を受け取る行為はあっせん利得処罰法により禁じられている。にもかかわらず、「政治とカネ」を巡る問題がなくならないのはなぜなのか。
★あっせん利得処罰法に限界★
 上野氏は昨年十月に厚労政務官に就任。阿部政権が掲げる外国人労働者の受け入れ拡大に関連し、外国人技能実習制度の運用弾力化に向けた検討会のトップも務める。
 同誌によると、上野氏側は金銭を受け取ることを前提に、東京都内の人材派遣会社が在留資格の交付申請をした外国人について法務省に問い合わせるなどしたとされる。事実関係を確認するため二十一日に衆議院議員会館の上野事務所に連絡すると、男性秘書が「報道については本人が対応を検討しており、連絡を待っている状態」と回答した。
 政治家らによる口利き疑惑が浮上するのは今回に限った話ではない。昨年十月には、片山さつき地方創生担当相の私設秘書だった男性が二〇一五年、税制優遇がある「青色申告」を取り消されそうになった会社経営者から百万円を受け取り、国税庁関係者に電話を掛けたと同誌が報道。片山氏は本紙の取材に「口利きをしたことも、百万円を受け取ったこともない」と否定した。
<【政】支援者に力誇示【官】政策通りやすく>
 一六年にも、道路工事の補償を巡って都市再生機構(UR)ともめていた建設会社から甘利明経済再生担当相(当時)と秘書が計六百万円を受領していたことが発覚。甘利氏はURへの口利きは否定したものの、秘書の監督責任を取るなどとして閣僚を辞任した。
 〇〇年十一月に成立したあっせん利得処罰法は、口利き行為をなくすのが目的だった。従来の収賄罪やあっせん収賄罪は職務権限がないと適用できず、立件のハードルが高かった。同年六月に中尾栄一・元建設相(故人)が受託収賄罪で逮捕され、国民の批判が高まったことが背景にあった。
★「亡くならず今後も増加」★
 ところがその後も一向に口利きはなくならない。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)の事務局長を務める新海聡弁護士は「なくならないどころが今後も増えていく」との見方を示す。
 「政治家は、カネや票につながる依頼を口利きでごり押しし、官僚を動かすことで支援者に力を誇示できる。官僚も話を聞いておけば貸しがつくれ、重要な政策に反対されないというメリットがある」と指摘。あっせん利得処罰法は歯止めにならないとし、「政治家、官僚とも口利きを隠蔽する。罰則があっても禁止するには限界があり、法自体が空文化している」と唱える。
 政治家らが一部の人間から口利きをして金を受け取り、利益を誘導するのがまかり通るようになれば、世の中全体に不公平感が広がっていく。新海氏は「政権交代がない状態が続けば続くほど、政治家と官僚の癒着は増える。『貸し借り』の政治が広まり、民主主義が劣化していく。そうさせないためには、国や地方自治体があらゆる口利きや働き掛けを記録して公表し、市民が監視できるように可視化することが重要だ」と提言した。

**********東スポWeb 2019年8月23日16:00
疑惑政務官・上野宏史氏の「前代未聞」法務省への口利き発覚の直前に美人秘書カラオケバトル優勝
 外国人労働者の在留資格取得を巡り、法務省に「口利き」した疑惑が報じられた自民党衆院議員の上野宏史厚生労働政務官(48)が、国会で野党の追及の嵐にさらされる。政策秘書との会話も暴露され「あっせん利得処罰法」に抵触するというもの。そんな折、上野氏の知名度をアップさせる出来事が起きた。美人ハーフの私設秘書が先日、テレビ東京系で放送されたカラオケバトル番組で見事優勝したのだ。疑惑がなければ好感度が上がっただろうに、まさにバッドタイミング――。
 上野氏は参院当選1回、衆院に鞍替えし、2期目の中堅議員だ。安倍政権が掲げる外国人労働者受け入れ拡大政策を巡っては、厚生労働政務官として「技能実習の職種のあり方に関する検討チーム」のトップを務める。
 週刊文春によると、疑惑の舞台は、全国の飲食店やドラッグストアなどに外国人を派遣している人材派遣会社「ネオキャリア」(本社・東京都新宿区)だ。上野氏は、外国人労働者の在留資格を取るため、各地方の法務省外局「出入国在留管理局」に大量の交付申請を行い、在留資格認定証明書の交付を早めるようにした見返りに金銭を求めたと詳報している。
 同誌デジタルメディアでは上野氏の“口利き&暴言音声”が公開されている。今年6月、上野氏が交わした政策秘書A氏との会話も暴露された。
「遊びでやってんじゃないんだよ」(上野氏)
 これにA氏は「これ、あっせん利得になっちゃいますよ、代議士」とたしなめている。
 上野氏は同誌にこの会話を「していない」、金銭授受についても「もらっていない」と否定したという。
 自民党関係者は「政策秘書のA氏は上野事務所を辞めて、現在、日本維新の会の議員秘書になったといわれています。官邸は文春の記事を受け、反響が広がれば、9月の内閣改造人事を待たずに上野氏を更迭する意向があるそうです」と話す。
 この記事が出る直前、テレビに出演し大きな話題を集めたのが、上野氏の別の私設秘書だ。小松ミユキ氏(25)という日本とトルコのハーフ美女が、今月18日にテレビ東京系で放送された「THE☆カラオケバトル『チャンピオンズカップ2019』」に登場。予選で岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」、決勝では中島美嘉の「ORION」を熱唱し、99・885の超高得点を叩き出し見事に優勝したのだ。
 この小松氏、昨年はカラオケの世界大会に日本代表として出場しており、素人カラオケ界では知られた人物だ。
 上野氏は口利き疑惑が発覚する直前の今月上旬、ツイッターに小松秘書の番組出演について「地元・群馬の皆様にも熱く応援いただいた前回は惜しくも準優勝でしたが、今回はどうでしょうか。(略)私の映像もどこかで使われているはずです」と投稿していた。
 番組でも「歌がうますぎる美人国会議員秘書」と紹介され、小松氏もツイッターで優勝トロフィーを抱え、笑顔の写真とともに「優勝しました 応援して下さった皆様本当にありがとうございました これからも相変わらずのキャラで突っ走って行きますので応援宜しくお願い致します」と喜びのコメントをアップした。
 自らのイメージアップにもつながるはずの私設秘書の快挙だったが、疑惑が出たとあっては「あぁ、あのカラオケのうまい秘書がいる疑惑の代議士ね」とダーティーな宣伝効果になっている。
 自民党議員秘書は「テレビで拝見しましたが、歌は本当にうまかったですよ。しかし、政治家と秘書が同時に“時の人”になるのは前代未聞」と皮肉を込めて話した。
 週刊文春で疑惑の証拠となる会話を上野氏と交わした政策秘書A氏と小松さんは別人だが、同じ秘書で、小松氏も疑惑を知っていたのではないかとの見方もある。
 だが「小松氏は私設秘書の立場ですから、上野氏の口利き計画は知らなかったと思います」(自民党議員)。
 一方の野党は今後、安倍政権の看板政策を担う上野氏を秋の臨時国会で厳しく追及する構えだ。
 立憲民主党議員は「上野氏は音声データについて説明責任を果たす義務がある。政務官という立場の方が口利き疑惑を持たれては、国民の政治不信が加速します。野党合同で法務省からヒアリングを行い、真相を究明したい」と早くも追及の姿勢を見せている。
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■その後、テレビ朝日も上野政務官と秘書の会話録音を入手し、公表しています。

**********テレ朝News 2019年8月25日17:54
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000162793.html
上野政務官“口利き”疑惑 「やりとり音声」を入手
 外国人労働者の在留資格取得を巡り、上野宏史厚生労働政務官が法務省に口利きをした見返りに金銭を要求していた疑惑が明らかとなりました。上野政務官と元秘書とのやり取りを収めたとされる音声を独自に入手しました。
https://www.youtube.com/watch?v=7y9a9PFlu8k
外国人労働者の在留資格申請をめぐり、上野宏史厚生労働政務官が法務省に口利きをした見返りに人材派遣会社から“口利き料”を受け取ろうとしていたのではないかという疑惑が浮上している。今年6月、上野政務官と元秘書のやり取りを収めたとされる音声記録の中には「うちが“人材派遣会社”からお金もらう案件になっている」「(在留資格の交付を)早くしたっていう実績をうちが作ってあげて、その分、うちは交渉して、党費に充てようと思って」などと発言している。一方、元秘書が「これあっせん利得になっちゃいますよ、代議士」とたしなめる場面も含まれていた。人材派遣会社は、“口利き”について、「依頼した事実はない」と取材に回答。上野政務官にも、21日に質問状を送るなど取材を申し込んでいるが、今のところ回答はない。
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 以上の通り、財界に配慮して安倍政権のもとで、2018年12月8日の参院本会議で可決・成立した外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法(入管法)は、人手不足解消のため、一定の技能を持つ外国人に新在留資格「特定技能」を与えるものです。2019年4月1日に施行され、5年間で最大約34万5千人の受け入れを見込んでいますが、さっそく、安倍首相が仲人をした議員が、この法律のおいしい果実を貪っていた実態が発覚したことになります。

 厚生労働省によると、2017年10月末時点で約128万人の外国人が国内で働いています。しかし、就労のための在留資格が認められているのは大学教授や医師といった高度な専門的分野に限られていました。

 専門的な知識などを必要としない単純労働分野は、日本で学んだ技能を母国に伝えてもらうための技能実習制度で来日する実習生のほか、アルバイトの留学生が担ってきました。改正法は単純労働分野にも「労働者」として受け入れることを認める内容で、大きな政策転換となりました。

 受け入れ対象は介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14業種。機械化などによる生産性向上や、高齢者の雇用など国内の人材確保に努めてもなお、人手が足りない業種です。ただし、各業種を所管する省庁などが人手不足が解消されたと判断した場合、外国人の受け入れは停止されます。

■実は、少子高齢化のために若手の労働力不足が表面化した10年前にも、似たような事件が起きました。その時に登場したのが、これまた我らが群馬県の誇る政治家の親族でした。当時の報道記事を見てみましょう。

***********Net IB News 特別取材2008年12月29日 09:36
「国家公認人身売買」は本当だった!(その1)
 賃金未払いやピンハネ、劣悪環境によるストレスなどから殺人、傷害事件まで発生。「こんな制度止めてしまえ」と数年前から社会問題化してきたのが外国人研修・技能実習制度だ。法務、外務、厚労、総務、経産、国交など各省庁が関わり、「国家公認人身売買」との批判もあるその実態は是正される一方、官業癒着としか思えない事例もまかり通っている。
 12月12日、宇都宮地裁足利支部は日中経済産業協同組合(東京)代表理事の小渕成康(おぶち・まさやす)被告、同組合元顧問ら3人に懲役1年から8月(ともに執行猶予3年)の有罪判決を下した。小渕被告は故・小渕恵三元首相の甥、小渕優子少子化担当相の従兄弟だ。
 同組合は複数の都道府県に組合員をもつ広域の協同組合である。組合員はほとんどが中小・零細企業。安い労働力として中国、ベトナム、インドネシアなど途上国から、技能研修生、実習生という名の人手を組合員企業に斡旋している。そこに不正があり、宇都宮地検から今年はじめに書類送検されていた。
 同制度は各省庁天下りが幹部に座る財団法人・国際研修協力機構(JITCO)が仕切るもので、1年目が研修生、2年目と3年目は実習生として合わせて3年間働ける仕組み。 その受け皿になるのが全国にある協同組合で、組合は傘下の組合員企業に必要とする人数の研修生を斡旋。研修生は残業禁止で研修手当のみが建前。実習生になると給料と残業代が支払われる。その支払い方法も組合によってさまざま。組合員企業が直接、研修生らの銀行口座に振り込む形もあれば、企業が組合経由で支払うケースもある。
 小渕被告らは後者の手法を悪用。06年3月まで、企業2社が実習生5人に支払った417万円から132万円を、さらに07年6月まで10社34人の実習生賃金1327万円から1070万円を着服したもの。裁判長は「中間搾取の隠蔽工作は悪質」と断罪したが、受け入れ研修生、実習生の総数700人ともいわれる大手協同組合のトップが起訴され、有罪になったのは画期的。ピンハネされたのは栃木県下の縫製業で働く中国人女性たちで、彼女たちが労働基準局に訴え出たのが摘発のきっかけになったもの。(つづく) 【ジャーナリスト=恩田勝亘】
○恩田勝亘(おんだ・かつのぶ)
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない ― 舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』 (七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。

**********人民網日本語版2009年5月5日
中国人実習生、小渕元首相の甥を起訴
 日本の故小渕恵三元首相の甥で「日中経済産業協同組合」の小渕成康理事長は2008年12月12日午前、中国人実習生の賃金約1200万円を着服したとして、かつて日本の「労働基準法」違反で、宇都宮地裁足利支部から懲役1年、執行猶予3年を言い渡された。当時の原告側は栃木労働基準監督署だった。「日本新華僑報」が伝えた。
 2006年3月15日、小渕理事長らは栃木県の企業2社が中国人実習生6人に支払われるはずだった130万円を着服した。さらに2007年6月4日と5日には栃木県、茨城県、群馬県の企業10社から中国人実習生44人に支払われるはずの1300万円を着服。中国人実習生約50人以上がこの手口の被害にあった。
 現在、被害者のうちの一人である倪文利さん(26)が勇敢に立ち上がり、日本のゴールデンウィーク最終日にあたる5月7日、中国人実習生の受け入れ団体「日中経済産業協同組合」と同組合の小渕成康理事長(42)を相手に215万円の賠償を求め東京地方裁判所に直接提訴する。
 倪さんの代理弁護士である出口裕規氏によると、倪さんは2004年11月から2007年2月まで群馬県桐生市の金属加工会社で研修・実習していた。2004年8月から2005年11月7日の「研修」期間中、毎月5万円の「研修手当」を受け取るはずが、実際には3万円しか受け取らなかった。さらに2005年11月8日から2007年2月11日の「技能実習」期間には毎月11万5000円あるはずの賃金が実際には2万から2万5000円しかなかったという。
 倪さんの口座には金属加工会社から毎月契約通りの賃金が振り込まれていたが、通帳と個人の印鑑は小渕成康さんが理事長を務める「日中経済産業協同組合」が直接保管しており、倪さん本人は引き出すことができなかった。
 その結果、最後に倪さんは賃金を176万円少なく受け取った。今回倪さんは慰謝料などを加え、「日中経済産業協同組合」と小渕成康理事長に計215万円の賠償を求める。
 出口弁護士は、「被害にあったより多くの中国人実習生が立ち上がり、自らの合法的権利を守ってほしい。私たちは追加起訴できる」と話す。一方、小渕理事長は4日現在、一切の取材を拒否している。(編集KA)

**********毎日新聞2009年5月5日 2時30分
http://mainichi.jp/select/today/news/20090505k0000m040114000c.html?inb=ff
提訴:中国人元実習生が賃金搾取賠償求め 東京地裁に7日
 賃金を中間搾取されたとして、中国人の元技能実習生の男性が7日、受け入れ団体「日中経済産業協同組合」(東京都渋谷区)と組合理事長で故小渕恵三元首相のおい、小渕成康(まさやす)さん(42)を相手に約215万円の賠償を求め東京地裁に提訴する。組合の仲介により金属加工会社で就労した2年余り、研修手当や賃金をピンはねされたと主張している。元実習生の弁護士によると、把握しているだけで同様の被害者は約50人、被害総額は3000万円に達するという。
 提訴するのは04年11月~07年2月に群馬県桐生市の金属加工会社で研修・実習した中国籍の倪文利さん(26)。
 倪さん側の出口裕規弁護士によると、研修期間の04年11月8日~05年11月7日、月額約5万円の研修手当が支払われるはずが約3万円しか支給されず、技能実習期間の05年11月8日~07年2月11日にも月額約11万5000円と定めた賃金が月2万~2万5000円程度しかなかった。
 倪さん名義の口座には金属加工会社から毎月、ほぼ契約通りの額が振り込まれていた。しかし通帳と印鑑を組合が保管しており、倪さんはお金を引き出せなかった。本来の支給額との差額約176万円に慰謝料などを加えた計約215万円の賠償を求める。
 小渕理事長は故小渕元首相の兄の長男で、小渕優子少子化担当相のいとこ。実習生の賃金約1200万円を着服したとして労働基準法違反(中間搾取)で在宅起訴され、宇都宮地裁足利支部で08年12月、懲役1年、執行猶予3年を言い渡され、確定した。判決は「常習的に中間搾取した」と指摘した。
 出口弁護士は「他の被害者を募り、追加提訴したい」と話す。一方、組合を通じた取材に対し、小渕理事長は4日現在回答していない。【銭場裕司】
 【ことば】▽外国人研修・技能実習制度▽ 1年の研修後、実習生として2年間労働できる。研修生は労働者ではなく研修手当が支給され、実習生は労働者として賃金が支払われる。07年の研修生は約10万2000人。08年、不当な時間外労働など「不正行為」が認定された企業・団体は452と過去最多だった。

**********夕刊フジ2009年5月9日
小渕優子のいとこ提訴される…実習生「賃金を搾取」
 約2年にわたって賃金の大半を中間搾取されたとして、中国人の元技能実習生が7日、受け入れ団体「日中経済産業協同組合」(東京都渋谷区)と小渕成康代表理事(42)を相手に、本来賃金との差額と損害賠償計約215万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。原告側弁護士によると、代表理事は故小渕恵三元首相のおいで、小渕優子少子化担当相のいとこにあたる。
 提訴したのは、外国人研修・技能実習生として来日した中国人の男性(26)。2004年11月から2年余、群馬県桐生市の金属加工会社で勤務した。
 訴状によると、男性は加工会社と月額11万5000円で雇用契約を結んだが、組合が通帳を管理。賃金を中間搾取し、男性に支払ったのは2万-2万5000円だったとしている。

**********毎日新聞2009年5月9日15:48
賃金搾取:中国の元技能実習生が小渕元首相のおい賠償提訴
 外国人研修・技能実習生の受け入れ団体「日中経済産業協同組合」を舞台にした賃金搾取疑惑で、中国人男性で元技能実習生の倪文利さんが7日、組合と組合理事長で故小渕恵三元首相のおい、小渕成康氏に約215万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。
 訴状によると、倪さんは04年11月から1年間、群馬県桐生市の金属加工会社で研修を受け、研修終了後も07年2月までこの会社で就労した。この間支給されたのは月約2万~3万円で、月額約11万5000円の賃金との差額や慰謝料などの支払いを求めている。
 生活苦で07年2月、職場を逃げ出した倪さんが、組合にパスポートや自己名義の銀行口座の通帳、印鑑の返還を求めると、パスポート以外は拒否されたという。
 倪さん側の指宿昭一弁護士は「全国的な問題で氷山の一角」と話す。組合を巡る被害者数は約50人、総額約3000万円を超えるとしており、現在中国・天津市に住む倪さんは「他の研修生の問題も解決してほしい」とするコメントを発表した。
**********

■どうやら群馬県関連の自民系政治家の間には、制度改正に便乗し、利権にありつこうとするDNAが連綿と継承されているようです。司法がこれをきちんと裁けない限り、今後も再発するに違いありません。

 当会は、税金を原資とする公金の無駄遣いや行政の不正・不当な事務事業の撲滅に向けて、引き続き微力ながら全力で邁進してゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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