糖尿病患者の筋肉減少解明 神戸大、高血糖が引き金
大学 2019年2月22日 (金)配信共同通信社
糖尿病になると体の筋肉が減少する仕組みを、マウスを使った実験で解明したと、神戸大の小川渉(おがわ・わたる)教授(糖尿病学)のチームが21日、海外の科学誌電子版に発表した。
筋肉の減少は、糖尿病に伴う血糖値の上昇が引き金になっていることを突き止めたという。小川教授は「筋肉が減少する疾患全般に対する治療薬の開発につながる。高齢化社会において意義ある発見」と話している。
チームによると、糖尿病患者は体を支える筋肉(骨格筋)が弱る傾向にあり、身体機能が低下したり病気にかかりやすくなったりする。
研究では、糖尿病にしたマウスは筋肉の減少に伴って、KLF15というタンパク質が筋肉で増えることが判明。チームが、KLF15ができないようにしたマウスを作製して調べたところ、このマウスは糖尿病になっても筋肉が減らなかった。
さらに、マウスの筋肉細胞を使ってKLF15がなぜ増えるのかを調べた結果、KLF15の分解を促進するWWP1というタンパク質が、血糖値の上昇により減ることが分かった。チームは、血糖値が上がってWWP1が減るため、KLF15が増えて筋肉が減少するとみている。
加齢や運動不足による筋肉減少にも同じメカニズムが関わっているとしており、筋力を維持できる薬剤を開発したいという。
注)海外の科学誌はJCIインサイト
大学 2019年2月22日 (金)配信共同通信社
糖尿病になると体の筋肉が減少する仕組みを、マウスを使った実験で解明したと、神戸大の小川渉(おがわ・わたる)教授(糖尿病学)のチームが21日、海外の科学誌電子版に発表した。
筋肉の減少は、糖尿病に伴う血糖値の上昇が引き金になっていることを突き止めたという。小川教授は「筋肉が減少する疾患全般に対する治療薬の開発につながる。高齢化社会において意義ある発見」と話している。
チームによると、糖尿病患者は体を支える筋肉(骨格筋)が弱る傾向にあり、身体機能が低下したり病気にかかりやすくなったりする。
研究では、糖尿病にしたマウスは筋肉の減少に伴って、KLF15というタンパク質が筋肉で増えることが判明。チームが、KLF15ができないようにしたマウスを作製して調べたところ、このマウスは糖尿病になっても筋肉が減らなかった。
さらに、マウスの筋肉細胞を使ってKLF15がなぜ増えるのかを調べた結果、KLF15の分解を促進するWWP1というタンパク質が、血糖値の上昇により減ることが分かった。チームは、血糖値が上がってWWP1が減るため、KLF15が増えて筋肉が減少するとみている。
加齢や運動不足による筋肉減少にも同じメカニズムが関わっているとしており、筋力を維持できる薬剤を開発したいという。
注)海外の科学誌はJCIインサイト