現代の生命
体には先祖から受け継いだものに加え、個人として誕生以来の体験や感情が全て記憶されているものです。
体にとって強い衝撃となる薬物、農薬等の化学物質、病気、怪我、精神的なストレスなどは全て、体内に
物質となって残ります。
硬結と呼ばれるこの物質は、体の特定の部位で塊りとなり、その個体の生命の質を低下させ続けることに
なります。
日本鍼術の歴史は、硬結との格闘の歴史と言ってもよいものです。
硬結は古代から近代まで極柔らかいものでしたが、高度成長期を境に農薬や添加物、治療薬などの
化学物質と結合し、鉱物状の塊りとなり体内に潜んでいます。
現代人の体内に入った化学物質の集積物である硬結が、人体に与える影響は計り知れないものが
あり、生命の質を高めるには硬結の排出が不可欠です。
いのちの階段
体のレベルには階段のように、いくつもの団塊があるものです。
そのレベルが変化する際、体は一時に不安定な状態になることがあり、その時に全体のバランスを
取るために現れる調整作用が病気でありその症状です。
したがってこの調整作用を、体にダメージを与える薬物などで止めた場合、体のレベルは下の段階に
落ちることになります。
望まれるのは体のレベルが上がり、結果として病気も治る治療です。
古来より「病気治すな体を治せ」と言われる由縁です。
治療が進み体の段階が高まるにつれ、空洞と硬結は縮小し、良性のものに変化していきます。
その過程で硬結内の化学物質が排出される時には、一時的に症状の悪化や思いもよらぬ症状が
現れることがありますが、いずれも体の段階が上がるときの調整作用ですから、体が良くなっていく
指針として歓迎される現象です。
この調整作用は反応と呼ばれ、体の段階が上がるためには不可欠であり、鍼では特に重視するものです。
日本鍼術より
今年も冬よ さようなら