IT振興策としてのプログラミング教育

2018-09-17 19:39:29 | タナカ君的偏見
 日本の産業界を担って行く人材としてITに関する知識や技術を備えた人間が多数必要、 それを実現する施策として”小学校の授業にプログラミング教育を取り入れる”そんな取り組みが動き出しつつある。  その具体例として、 出来合いの命令セットを順に並べればモータで動くおもちゃのロボットや自動車みたいなものの動きが制御出来る。 そんな教材を使用した活動がTVで紹介されたりもしている。

 そんな番組を見て常々想うこと「小学校あたりで教科とし学ぶプログラミングなんてIT技術者を増やす役にどれだけ立つかなあ?」の疑問符付きの否定的な想いしか無い。

 そうで無くたって今の義務教育では授業時間が不足気味、 教える側の教師も能力不足の連中がほとんどでしょ。 僕には基本的な国語や算数の能力も不十分な子供の数を増やすだけに終わる、 逆効果しか見えて来ない。

 そんな中で読んだ本 堀江貴文著「ゼロ」ダイヤモンド社刊

そこには中学時代にあるきっかけで購入したパソコンとの出会いやBASICやマシン語の習得、 さらにはパソコンを触りたい一心で通っていた英語スクールの講師からの「教材システムを日立からNECのパソコンに移植したいんだけど、 お前出来る?」の問いかけに即答して仕事として引き受けてしまい、 10万円ほど稼いでしまった話など、 興味深い生い立ちが綴られています。

 そんなの読むと 「そーだよな、 プログラミングなんて自分がやりたいと思えば自分で勉強出来るし 小中学生の小遣いじゃホイホイと買える値段じゃないけれど、 プログラミングの本だって沢山あるんだぜ」 「だからさあ、 そんな本を気軽に読めるように学校や公共の図書館の蔵書として揃えてあげて(*1)、 そこに書かれている内容を理解出来る様に読解力を向上させる授業にこそもっと力を注いだらどうなのよ」と感じています。 また、 本に書いてある事が理解出来ない場合、 誰に聞いたら教えて貰えるのか?、 あるいは、 インターネットでどんなキーワードで検索を掛ければ知りたい事に辿り着けるか? そんな事を教える方がロボットの制御なんてお遊びよりもよっぽど良いのではないか・・・」 そんな事を考えて居るのですが、どうですかね。

 「プログラミングしてみたい」そう思わせるためのお遊びに近い授業。 そんな考えも有ると想うけれど、 学校での一斉授業なんて興味を持たない人間にとって、 時間の無駄が多いよね。 古典の授業、 英語の授業、 ほとんど在学中に身についた感は有りませんからね。 高校のときの数学の授業だって「微分や積分なんて、 サラリーマンになったら使う事は無い」 そう自分で決めつけてそんな学期の数学の試験点数は30点以下だった。 そんなお馬鹿だった自分を思い起こすのです。

 そんな僕ですが、 社会に出てから会社に顧客として眼の前に現れる英語を話す多くの西洋系やアジア系の人々に接し、「門前の小僧習わぬ経読む」の喩え通りに英語を話す人間が目の前に現れてもドギマギせずにすむ人間に育ちました。 それはアメリカ横断レンタカードライブの旅で実証されてます。  また昭和40年台の中頃にICを駆動する5V・デジタル系電源としてスイッチング電源が世の中に現れた頃には組み込まれていた電気部品のインダクターがどんな役目を果たすのか、 微分・積分の知識を適応させつつ理解する事も出来る様になっていたり・・・。

 自分で設計した(僕はどちらかと言えば回路基板などのハードウェア設計者でしたが) DSP(Degital Signal Proccesor)チップを組み込んだ制御回路の動作実証用に制御ソフトを作ってしまったり、 学生時代には考えられない人間に変身していたのです。

 そんな僕が言えること「必要性を感じていない、 あるいは興味を持たない人間には何を教えようとしても無駄!!」それに尽きますね

(*1)身近な学校や公共の図書館にもパソコン関係の蔵書はあるけれど、 ワープロや表計算、 EメールやOSの操作方法等のハウツー本が大半で、ソフトウエア開発関連の本は無きに等しいですよね。
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